止まらない不安
こんにちは。
初めて質問させていただきます。
4月から始まる新生活への不安がありすぎてどうにもなりませ。
不安すぎて不安すぎて、何をやっても楽しくないし、何を食べても美味しいと思えません。
このどこからともなく湧き上がってくる不安は、どのように処理すればよいのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
どこからともなく?
こんにちは。「どこからともなくわき上がってくる」故に、「どうしようもない」のですね。誠にその通り。よく分かっています。
でも、その言い方では、解決もアドバイスもしにくいのです。抽象的すぎて。だから、まず問題を具体的な、見えるものにしましょう。
「それができないんです!」イヤイヤ落ち着いて。学校についてですか?仕事?住む場所?人間関係の変化?「未経験の何か」に直面するときは、分かっている範囲でできるだけ具体的に挙げていくべきです。具体的な問題と捉えられれば、具体的な解決を考えることができます。
しかし、「未経験なんだもん」というのでしょうね。その対処。「何だか分からないけれど、とにかく頑張ろう」という、抽象的な結論を取り敢えず持っておくよりありません。
思い出すのは、子どもが産まれたばかりの頃のことです。夜中に、よく泣きました。具体的な対応として、オムツをかえたり、おっぱいを飲ませたり(これは妻がしましたが)、抱っこしたり、立ち上がったり、歌ったり、歩いたり、外へ出たり入ったり。いろいろやっても…泣き止まないこともありました。途方に暮れましたけれど、最後は「何だか分からないけど泣きたいんだな。分かった、付き合うよ」という諦めをともなった受け入れをするようになりました。すると…それで泣き止むようにはならなかったけれど、気持ちは楽になりました。
振り返って、これが多分、「ありのままを受け入れる」という事なのだと思います。「何だか分からないけれど、やるよ」という「納得しないまま」生きていくということです。
いま世の中は、「納得すること」に最上級の価値を与えていると思います。あなたもそう考えているのでは?しかし、納得できないこと・理不尽なことが、世の中にはあります。数学みたいに納得ずくで行けることなんて、殆どないと言っても良い。そして、それを抱えたまま行くしかない局面があるのです。学問にも、パソコンの中にもないことです。
将来に思いを馳せるのは、とても人間らしい営みです。しかし、そこには「理不尽がある」ことをわきまえておく。そして、それで良い。その中で生きていく。そう構えられると、多分楽になると思います。
「不安」も流動的なものなのです。
湧き出てくる不安が止まらない…このての質問は非常に多くございます。
それだけ多くの方が「不安」という自分の作り出した心の支配者に己を蝕まれているという証拠でもあると思います。
私自身も、今年チャレンジしなければならない事が控えているのですが正直「自分にやれるのかなぁ」「大丈夫かなぁ」などと「不安」な気持ちだらけです。
ですが既に決定事項な為、逃げる訳にもいかない…恥をかくのを承知でその「不安」に身を投じるしかないのです。
貴方も新生活に対する「不安」で、どうにもたまらないでしょうが、恐らく私同様、すでに決定事項なのでしょうから「不安」を抱きつつも前に突き進むしか道はないのでしょう…。
「常に変化しないで、この世に存在するものなど何一つない」(無常)という言葉、耳にされたり、目にされた事あるかと思います。
この言葉の如く、貴方や私の作り出した心の支配者「不安」も一切変化もせず心の中に存在し、残り続けるということは、まずないと言ってよいでしょう。
現に、貴方自身も今まで生きてきた中で数々の「不安」を経験をされた事おありだと思いますが、どの「不安」も今日までズルズル引きずったり、心に残したりしていないはずです。
それは以前の「不安」が次また新しく湧いて出た「不安」に上書きされて何処かに移ろいで行ってしまったから…。
貴方自身が目の前の物事に今、しっかりと集中できており、心が「不安」を寄せ付けない状況にあるから「不安」も痺れを切らし何処かに移ろいで行ってしまったから、引きずったり、残したりしないのではないかと思います。
これからも続く貴方の人生において、まだまだ様々な「不安」を抱く事もあるでしょう。
その様な時には「不安」に身を投じてしまうこと。
投じてしまえば自分自身「不安」の真っ只中に存在しているのだから何に恐れる事もなく、「不安」を抱く事もなく、
今に集中して生活できるようになって行くはずです。
又「不安は停滞せず、いずれ移ろいで行くものなんだ」と受け流す位の軽いお気持ちで「不安」と接すれば苦しまず、楽に「不安」とお付き合いできるのではないでしょうか。
四月からの新生活頑張って下さいね!
隆介 合掌