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震災で主人を亡くしました。

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今年で5年になりました。
震災後、石巻から出て関東で暮らしています。
私と子供達4人、頑張ってきました。
主人は石巻で被災し、行方不明のまま、遺体も上がらないままお葬式をあげ、納骨には仕事の時に使っていた潜水士の鉛を入れました。
子供達も大きくなってきて、私も他の人とお付き合いをするようになりましたが、後ろめたい気持ちがあり、なかなか前に進めません。

震災後、壊れた街で子供達を育てたくないと思って関東に出ましたが、それはただ私が逃げたかったのではないか…
子供達は石巻に残った方が良かったのではないかな…

震災の時、心臓が千切れるかのような胸の痛みを感じて毎日を過ごしました。
ただ津波にのまれていく車に子供の影をみても何もする事が出来なかった。
助けてと叫ぶ人を見ても家族を守る事が精一杯だった。
主人を探しに出ても、
そこらじゅうにある亡くなった方の顔を見る勇気はありませんでした。

自分だけ陸にいる事を悔やみ、謝り続けました。
私にはまだできた事があったんじゃないか、逃げたのではないかと…

そんな私が主人じゃなく別な人と幸せになんて…
なっていいはずがない。。

どうしたら、亡くなった方々への気持ちを消化できますか…
私は…再婚してもいいんでしょうか…


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

幸せに成らずに良いはずはない

れいらさま
はじめまして、なごみ庵の浦上哲也と申します。
よろしくお願いします。

もともとは石巻にお住まいで大震災被害に遭われ、ご主人を失い、また救いを求める人々に対し何も出来なかった気持ちを抱えていらっしゃるとのこと。

先月の11日に丸5年が経ちました。人によっては「もう5年」と仰るでしょうし、人によっては「まだ5年」と仰るでしょう。
ちょうどこの質問を頂いた時、録画していたNHK「こころの時代」の大震災関連番組を見ていて、自分の中で「もう」に傾きかけていた気持ちが、「まだ」なんだと思いを新たにいたしました。

久々に見た震災直後の映像を見て、救いを求める人に手を差し伸べることなど、とうてい不可能な自然の猛威を改めて感じました。そんななか、よく3人のお子さんをお守りになりましたね。称賛されこそすれ、れいらさんを責める資格のある人など誰もおりません。

また、そんな情景を実際に目の当たりにした れいらさんが関東にいらっしゃったのは、ご自身の心を守るために必要なことだったのだと存じます。慣れぬ土地で、おひとりで、3人のお子さんを育てるのはどれほどのご苦労だったでしょうか。そのご苦労やお気持ちを想うと、私の胸にも込み上げてくるものがあります。本当によく頑張っていらっしゃいましたね。

ご質問文に「お付き合いをするようになりました」と書かれているのを見て、つらい状況にあるれいらさんに寄り添ってくれる方がいることを知り、私は少しだけホッといたしました。

私は、亡くなった人は漏れなく仏さまに成っていらっしゃると信じています。仏さまは大慈大悲の存在です。そのご主人が、れいらさんやお子さんたちの幸せを願っていないはずはありません。

ご主人は仏さまとなって、れいらさんやお子さんたちや、またお付き合いしている方を見守る存在となってくれることでしょう。そんなれいらさんが「幸せに成らずに良いはずはない」とご主人は願っているのではないでしょうか。

願わくば、お付き合いしている方が、れいらさん自身・心の中にあるご主人や震災で受けた痛み・お子さんたち、全てを受け止めてくれるような方であることを念じています。

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有り難し
おきもち

浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
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