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許す、許される

回答数回答 1
有り難し有り難し 14

いつも取り乱してしまい申し訳ありません。
体の不調もきたし、心療内科に通うことになりました。
お医者様は日にちがたつときっとマシになっていくよと言ってくださいました。
毎日が後悔と恐怖、脱け殻のようです。

きっと全てを許してしまえば楽になれるかと思うのですが、許すための心構えとはどうすればいいのか思案してしまいます。

許す、といってもこちらにも非があること。
しかしそれを踏まえての恐怖感や裏切りを消してしまいたいのです。
日によっては消えてしまいたいとも思いますし、あの人たちが消えてしまえばとも思います。
罪悪感より自分の恐怖や不安や不快感、金銭的なものも相まって自分のことばかり考えてしまいます。
これも相手を許すという行為で消えていくものでしょうか。
根本的に考え方が間違っているのでしょうか。
当初はとことん自分を罪悪感で痛め付けました。すると、頭がおかしくなってしまったような感覚になってしまい、懺悔するのが怖くなりました。

私はどうなってしまうのでしょうか。
嫌な気持ちがおこると仏様に毎日念仏を唱えてます。

いつも同じような質問を申し訳ありません。

2022年1月23日 16:54

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

是非縁のある宗派の教えに触れてください

こんにちは。

心のうちに様々思われる心境は察しますが、あなたは「不倫を行っ」た側なのであり、そもそもが「許す」という言葉を用いること自体に違和感を感じます。例えばあなたに配偶者がいて、その配偶者の不貞を「許す」のなら分かります。

つまり、自分以外の対象に対して使う言葉が「許す」であり、自分で自分の行いについて「許す」とは通常言いません。自分の行いは自分が引き受けていく、それしかありません。また、引き受けていくことは、過去の行いについて向き合い続けていくということであり人間の記憶が正常に働き、正常な倫理感覚がある限り消えて無くなるものではありません。

あるいは、相場より高い高額の「慰謝料」を払わせたことに対する怒りのような感情を「許す」ことで手放したい、という意味もあるのでしょう。しかし、「慰謝料」は被害を受けた先方の配偶者からすれば無理のない報復感情の結果であり、相場より高い云々は別にして受け入れるしか無い(「許す」とは言わない)ことです。あなたは高い授業料を払ったぐらいに思うしか無いことです。先方の配偶者に瑕疵はなく、あなたに瑕疵のあることですから。

ただ、上記のようなやむを得ない事情の上で、その過去の延長上にある自分が現在と未来をどう生きていくか、これを考えるほうが建設的であり、それこそが仏教でもあります。あなたが過去の自分の行為に向き合いたいのなら、どうぞ仏教の門を叩いてください。

また、「許される」という言葉も同様です。
上記の質問文だけでは、誰に何を「許される」のかは分かりません。ただ、過去の質問から勝手に想像すると、先方の家族に「謝罪の気持ちが届いてほしい」ということを指しているように見受けました。

しかし、「許される」こと自体難しいでしょう。
被害を受けた側が加害側を許すことは容易ではありませんから。

「嫌な気持ちがおこると仏様に毎日念仏を唱えてます」とあります。
仏教にご縁があるのは良いことです。
ただ、それはどういう内容の「念仏」でしょうか。
一口に言っても、宗派によって「念仏」のもつ内容は千差万別です。

あなたが自分の今後を案ずるなら、是非縁のある宗派の教えに触れてください。
次回の質問で、あなたがどのような仏縁を深めたかを聞かせてもらえると嬉しいです。

2022年1月23日 21:00
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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
そうですね、私が許すという言葉を使うのはおかしいですね。
起きたことが沢山すぎてもう何がなにやら考えがわからなくなっていました。

高い慰謝料もそうですが、身バレが怖いので詳しくは書けませんがその時の状況がとても恐ろしかったので、混乱してしまいました。
念仏は、心がざわついたときに落ち着くために唱えてます。
考えが変わるように日々暮らしていきます

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