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毒親育ちの子育て

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有り難し有り難し 23

現在、4歳と3歳の子どもを育てています。
私は毒親育ちで、親からは支配的で理不尽な振る舞いをされてきました。家庭内で子どもの存在はあってないようなものでしたので、まともな食生活や生活リズムではありませんでした。
父親は支配的で暴力的、母親は祖母に育児を任せ無関心、母親と2人で遊んだ記憶もありません。

自分の辛かった子ども時代の経験から、子どもには精一杯のことをしてあげようと思い、毎日夕方まで一緒に外遊びやピクニック、家ではお料理やお絵かきなどの遊びをしてきました。
料理も質の良いものをバランスよく、生活リズムにも気を使ってきました。
子どもに対しても怒らず、傾聴共感し、悪い事をしたら何度も説明するように伝えてきました。
しかし、私の中には毒親の素質があるので、内心は子どものちょっとした事が気になったり、腹が立つことが多々あります。
正直、怒鳴ったり、暴力を振るったり、暴言を吐きたいと思います。
でもそれを必死に抑え込んでいたら、ストレスで髪の毛が全て抜け落ちてしまいました。

それでも負の連鎖を自分のところで止められたら良い、子どもが幸せに過ごしてくれているなら良いと思っていました。
しかし、上の子は「ママが遊んでくれない」「あれしてくれない、これしてくれない」と文句ばかり。
もっともっとと子どもの求めに応じても満足する様子はなく、こちらが疲弊してしまいます。
そんな生活を何年も過ごしているので、今では子どもが思い通りにならないだけで「死にたい」「消えたい」と日に何度も考えるようになってしまいました。
親の事はもう何とも思っていませんが、この件について誰にも話した事はなく、周りに相談に乗ってくれる人や見本になる人もいません。

今回、この相談でぜひお聞きしたいのは以下の2点です。
1.これまで毒親を反面教師に真逆の行動をしてきたので、人からは穏やかに子育てしてるねと褒められますが、実際は叱る際の線引きや力加減がわからずにいるので、必要な時に叱ることができてないのではないかと感じています。
この点はどのように身につけていけば良いでしょうか?

2.上の子がもっともっとと求めるのは、何が不足しているからなのでしょうか?
もしそれが愛情なのだとしたら、私が思っている愛情は愛情ではないのでしょうか?
だとしたら、子どもに申し訳ないです。
どう接したら良いのでしょうか?

2022年1月27日 0:10

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

負のスパイラルを繰り返さないために。

あきさん

おはようございます。

ご自身が毒親で育ったということに気づき
負のスパイラルから抜け出そう
ここで食い止めようと気づかれたこと
本当によかったです。

お父様お母様、そのまたお父様お母様、
ずっとずっと繰り返されてきたはずです。
あきさんのご両親も苦しみながら大人になったのでしょう。

そんな負の歴史を食い止めるのは、
エネルギーを使い
大変な責任を負っておられると思います。

しかし
そのことに気づきここで食い止めようとする母の元に生まれた子供たちは
幸せです。
気づいてくれてありがとうと
私からもあきさんに伝えたいです。

さて、そんな毒親の連鎖に気づき
食い止めようとする人のプレッシャーは
いかほどか。
あきさんも髪が抜けるほどのプレッシャーを背負い苦しまれています。
なぜそんなにも苦しむことになるのか?

それは
同じ思いを子供たちにさせまいと思うあまりに
「完璧な親」になろうとします。
自分の親の真逆を!自分の親のようになってはいけない!
いい親でいよういい親でいよう。

そのため周りからは子育てが上手に見えるはずです。
しかし、いい親であるために
こうあるべきだという思いが強く、
結果、実は子供を支配的に育ててしまったということが起きてしまうものです。

子供は、ある程度育ってくると、いい親であろうとする親を見ると自分もいい子供であろうとします。
子供にとって無言のプレッシャー、無言の支配になりかねません。

反面、子供のためではなく、自分の人生を楽しみ、好きなことを心からやっていて、自分のために生きている親を見ると子供も、親のためではなく、自分の人生を思いっきり楽しんで生きようとしてくれます。

どうか、ご自身の人生を楽しむことに目を向けて頂きたいと思います。

またご質問に関して。
1
子供が危険なことをしたり人に迷惑をかけることについては真剣に、時に感情的に叱ってください。その他については傾聴、アドバイスというような、多分あきさんがされている方法で良いと思います。

2
愛がたりないからもっともっとと言っているのではなく
もっともっとと子供らしく言えているのは、あきさんが惜しみなく愛情をそそいでいる証拠です。
親が支配的で親の顔色を見る子は「もっと」なんて言えません。あきさんの素晴らしい子育てで子供らしく生きられているんですよ。

2022年1月27日 5:12
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有り難し
おきもち

浄土真宗本願寺派 報恩寺衆徒 1975年名古屋市生まれ。 猫好き。動物...
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愛情たっぷりの子育てで、お子さま幸せに過ごされています。

ご相談者さまご自身の経験を踏まえ、とても精一杯、子育てされておられ、頭がさがります。お子さまとても幸せに過ごされていますね。

髪の毛が抜けることは、それほどストレスがかかってしまっていることになりますが、それを悲しむとより負荷がかかってしまうので、少し見方を変えて、ある意味での名誉の勲章としてとらえ、お子さまが大きくなった時に「お母さんは、とても必死だったんだよ」とお伝えできれば、きっとお子さまは、より自信をもってそれぞれの人生を歩むことができると思います。

また、周囲から「穏やかに子育てしているね」と言われるのは、もちろん誉め言葉ですが、誉め言葉は、地味なプレッシャーとして積み重なることがあり、「周囲の人に弱みを見せられない」と、より追い込まれてしまうことがるので、工夫して身近に弱みを見せられたり相談できる方をつくるか、あるいは行政に「子育てお悩み相談」があるので、積極的に活用されることも一つです。

1、「叱るのは良いけれど怒ってはいけない」は絶対的な通説として広がっています。私も基本的に同意していますが、実は、少しは「怒る」ことも必要だと考えています。一番身近な人である親が全く怒らないことを続けて、子どもが「何をしても周囲の人が怒らない」と勘違いしたまま成長しかねないことを、心配するからです。時には人は「怒るんだ」ということを学習し経験する貴重な機会として、もちろん過度にならないようにではありますが、時には怒りましょう。何事も経験しないと身につかないのが私たち人間です。

2、上の子が愛情を求めているのは、不足しているからではないので心配いりません。素直に「もっと、もっと」と求めることができる関係が素晴らしいです。また、上の子は「下の子の方が可愛がられている」と、どうしても嫉妬してしまうものなので、そのような表現になるのだと思います。

子育ては、ご相談者さま自身が、親の思い通りに育たずに素晴らしい方になられたことが証明しているように、親の思い通りにはなりません。思い通りにしようという気持ちは弱めて、お子さん自身が経験し成長していくことを、一緒に楽しみながら応援していけるといいですね。

2022年1月27日 9:20
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有り難し
おきもち

1971年生。岐阜大学教育学部卒業。医療法人に就職し、医療事務、経理、総務...
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質問者からのお礼

この度は心温まるご回答をいただき、ありがとうございました。
こんな事を聞いてしまって大丈夫かな?と不安に思ってずっと一人で抱えていましたが、お二人のとても優しいお言葉にホッとしました。
もっと早くご相談していれば良かったです。

育児に関して不安が多く、子どものふとした言葉や態度に振り回されてばかりいましたが、子どもが子どもらしく振る舞っているだけなのだとわかり、これで良いのだと子育てに少し自信を持つことができました。
ありがとうございます。
良い親でありたい気持ちが行き過ぎて、子どもに支配的になってしまわないように気をつけたいと思います。
そして、これまでは自分自身の事は後回しにしてしまっていたので、これから自分の人生を楽しむことについて考えていこうと思います。
今回いただいたお言葉をこれからも大切にしていきます。
ありがとうございました。

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