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人への恐怖心。もう戦いたくないです。

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有り難し有り難し 17

 いつもお世話になっております。支援者関係のご相談をした際、
「人を疑いすぎている。それゆえすぐに他責的になり、人を責めて
しまう傾向が強い」
とご指摘を受けました。
 これを受け、訪問ナースと話し合った結果、
「どちらのお坊様かはわからないけれど、大変的確にご指摘くださって
いる。その通りではないか。もしかしたら、障害を持った方と関わった
ご経験がおありなのでは」
と言われました。

 法句経にも、このような一節を見つけました。
「裸の行も、髷に結っても、断食も、露地に臥すのも、塵や泥を身に
塗るのも、蹲って動かないのも、疑いを離れていない人を浄めることは
できない」

 今、訓練所で指導員に言われた事をあえて反芻して、
「一見冷酷な言葉だが、これはどういう言外の意図があるのだろうか」
と考えています。
(例:今回担当から外れた指導員について、私が「彼女は嘘をつくかも
しれない」と言った際に訓練所の指導員から「私たちは君を信頼している
が、噓をついているのは君の方かもしれないじゃないか」と言われた)

 考えているうちに、辛くて涙が出てきました。六畳一間のアパート、
仏壇に向かって膝を抱えて座り泣いています。懸命に頭を使い
考えていますが、全くと言っていいほど意図が掴めないのです。
 言葉の表面的な表現に反応し、
「私を信頼しているなんて嘘だ。恨んでいるに違いない。だからそんな
言葉が出るんだ。施設の人たちは皆私を恨んでいる」
と思ってしまいます。

 疑い、切り捨てることは私にとって容易かつ必要な事でした。
私のこれまでの人生の中、とくに家庭や親戚関係で小さな自分の身を
自分で守るために培われた技術だからです。安心、信頼、敬愛などという
言葉は、私の辞書にはありませんでした。

 しかし、今はこれが大きな障害になってしまっています。この高い
囲壁を越えなければいつまで経っても次に進めません。

 どうすれば、人が怖くなくなりますか?疑わなくなりますか?
 疑ったほうがよいケースもあるとは思いますが、多くの方はその時に
初めて身構えるものだと思います。(勧誘や詐欺師、スカウトなど)
 戦わなくて済むものなら、戦いたくないです。もう疲れました。

2022年2月21日 12:52

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分の殻から抜け出でつつある今を大切にしてください

こんにちは

ロータスさんには、前回を含めて何度か回答しました。
これまでの幾度も質問文を読んできましたが、今回はとても良い変化が現れていると感じました。勿論、「もう疲れ」たという一言に、あなたの精神的な辛い様子を察します。

しかし、それでも敢えていいます。
「他責」一辺倒だった文面が自分と向き合う方向に、また「安心、信頼、敬愛」という言葉が文面に出たことを私は嬉しく思います。

あなたは、ご自身を振り返って人を「疑い、切り捨てる」動機が、自分を「守るため」と書いています。それは、「家庭や親戚関係で小さな自分」を「守る」術だった、と。

誰も信じない、全ての人を「疑い、切り捨てる」。
これは、一見、最も確実な傷つかない方法です。
信じないから裏切られることもなく、最初から疑ってかかれば無用な混乱を避けられる。理屈ではそうです。

しかし、人間はそれでは生きていけません。
何故なら、誰も信じないことで、誰からも信じてもらえない結果を生む。
自分が他者を疑っているのだから、他者も自分に対して同じことをしているに違いない。自分が既にやっていることを、当然のことのように他者に当てはめているのです。だから、「私を信頼しているなんて嘘だ。恨んでいるに違いない。だからそんな言葉が出るんだ。施設の人たちは皆私を恨んでいる」としか思えないのです。

周りを敵だらけにする。
そうやって孤立無援で生きていけるほど人間は丈夫ではありません。

これが完全な赤の他人なら、誰も信頼しない人、疑って接してくる人を本気で相手にはしません。

でも、「施設の人たち」は違うのではないですか。
誰も信頼しないあなたに、人を信頼するのきっかけをもって欲しい、と働きかけてくれている。放っておけないから。人を信頼するということの素晴らしさをあなたに知ってほしいからです。

何度言ってもいい足りないほどだと思いますが、「施設の人たち」はあなたに粘り強く、粘り強く接してくれているのだと思います。あなたの人を信頼しようとしない殻を、破ろうとしてくれている。あなた自身で破ることが出来ないからです。

あなたにとって自分と向き合う今は、つらいでしょう。
ただ、自分の殻から抜け出でつつある今を大切にしてください。
再び自分の殻に閉じこもることなく、人を信頼するドアをご自身の手で開けてください(字数制限)

2022年2月21日 16:13
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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

【釋 悠水(しゃくゆうすい) 先生】
 度重なるご縁、感謝いたします。はい、辛いと思っています。
私が昔好きだった歌の歌詞に、「きょうの我慢があすを呼ぶ」と
あります。あすを信じて頑張ってみようと思います。
 それ相応のエネルギーを使うと思うので、ストレス太りが心配な
ところではありますが…まあ、脳は糖分を栄養とするので余計な
ものを摂らなければ大丈夫でしょう。やるだけやってみます。
ありがとうございます。

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