平和のために出来ることとはなんでしょうか
いつも僧侶様方のお言葉に心を支えられています。本当にありがとうございます。
私はここ2週間、ウクライナ侵攻のニュースや情報から目が離せずにいます。
そして今に限らずこれまでだって、私が目を向けていなかっただけで、いつの瞬間にもどこかで争いは続いていた、ということに今更・改めて気が付き、自分の日々と世界の様々な事実との温度差に適応できずにいます。
自分の周りから平和をと考え、微々たることですが、これまで以上に言動に心を配り、意識的にコミュニケーションを取り、感謝を伝えるようにしています。
やるべきことややりたいことがある、でも無力な自分にとって、今できることは知ることだと思い、日々ニュースや情報から目が離せず、結果自分の日々がおろそかになっています。心身状態もあまり良くありません。
僧侶様方は、このような世界の中で、どんな風に向き合っていらっしゃるのでしょうか?
平和を守るために、個人として何ができるのでしょうか?
実際に渦中に身を置く方々の不安や恐怖に比べたら、私の感じている気持ちなど取るに足らないものですが、なにかお言葉をいただければ幸いです。
貴重なお時間をいただきありがとうございます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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ことが起こってからできることなど何もない
日々、恐ろしいニュースが画面に映っております。
私もこんなに恐ろしいことがあるのか、と肝を冷やす思いです。
しかしながら、仏教を作られたお釈迦様でも、戦争は止められませんでした。
お釈迦様は王子であり、その立場を捨てて出家をしたわけですが、祖国は戦争で滅びてしまっています。
我が宗派の祖、日蓮大聖人も当時の鎌倉幕府に『このままでは外国に攻められる』と再三忠告をしましたが、結局元寇は起こりました。
今回のウクライナのように、ことが起こった後に一般市民にできることはとても少ないのです。
一人では何もないと言ってもよいでしょう。
戦争は、落としどころがあれば終わり、なければ相手が死ぬまで続くのです。
それは、前大戦で我が国に恐ろしい兵器が投下された事実からも明らかではないですか。
だからこそ、日々自分が住むこの国、そして周囲の人々について関心を寄せて、強固な国を作る必要があります。
強固な国は、発言力が強くなります。
それには、真剣にこの国、この県、この市、この町、そして自分を精進することが肝要になります。
一人一人の力はわからないほど小さいかもしれませんが、結局のところ、ロシアも、アメリカも、中国も、国民一人一人の集合体なのです。
世界に一つだけの被爆国として、戦争の悲惨さを伝えられる国として、自覚を伴う国づくりをすることが、最も近い平和への道でしょう。
未来への種蒔き
のんびりさん お悩み拝読しました。毎日、ニュースを見るのは辛いですよね。いま、世界中の方が同じような想いでいらっしゃると思います。
「戦争が始まるまでに長い時間がかかります。今起こっている戦争の種は、何年も前に蒔かれたものです。今あなたにできることが、取るに足らないことだなんて思わないでください。将来の戦争を防ぐために、今、私たちは平和の種を蒔いているのです。」これは、ベトナムの僧侶で最近お亡くなりになったティク・ナット・ハン師のお弟子の言葉です。直接的に今起きていることに、私たちが何かすることは難しいかもしれません。しかし、毎日の積み重ねが未来に繋がるのですから、いま、どのように過ごすべきか日常を見直すことが大切です。
なんとなくしていたこと、疎かにしていたことを、一つ一つ丁寧に行うこと。そこに祈りを込めること。私が尊敬している故渡辺和子シスターは、お皿を配る時「一つ一つ音をさせないように静かに置いてご覧なさい。そして、そこに座る人が幸せになるように心を込めて置いてご覧なさい」と仰っていました。全てにおいて、誰かの幸せを祈りながら行うこと、くだらないと笑われてもいいのです。そういう一つ一つを丁寧に行うこと、それが未来への種になり、いつかは花が咲く、そう思います。
ニュースを見ることは悪いことではありませんが、気持ちを落ち込ませることなく今の自分を大切になさって下さい。出会う人に優しくすること、身の回りを整えること、こんな時だからこそ丁寧になさって頂ければ、心は自然と落ち着くものと思います。ご一緒に精進致しましょう。
質問者からのお礼
けいじょう様、慈正様、
貴重なお時間のなか本当にありがとうございます。
お礼が遅れ、大変申し訳ございません。
何もできないと怯え悲しむことしかしない、そんな自分に辛くあたり、負の循環になっていたと思います。
ですが、自分を精進すること。
自分の暮らしや人間関係、物事を一つ一つ丁寧に大切にすること。
それを無力・無駄だと諦めず続けていくこと。
周りを幸せにするために自分を大切にし、そのエネルギーをもって未来に向け出来る限りのポジティブな種を蒔けるよう、まずはきちんと自分の心身と暮らしを律して過ごすよう心がけます。
様々な場所・事柄で心の休まらないことが続いていますが、ハスノハの僧侶様方とハスノハに集う全ての方々(そしてその周りの・大切な方々…)が健康で幸せでありますよう、心よりお礼とお祈り申し上げます。
本当に本当に、ありがとうございました。