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ハイリスクの帝王切開が怖い

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有り難し有り難し 3

お世話になっています。
一人目の子どもを妊娠中で、3週間後に帝王切開で分娩する予定です。

計画帝王切開が決定した最初は、陣痛に苦しまなくて済むし、出産や入退院の日にちが決まっていて家族の調整もしやすいのでラッキーだなと安易に考えていました。

しかし帝王切開となった理由(胎盤の位置が悪い)について調べていくと、どうやら分娩時に大量出血のリスクが高いものだと分かりました。母体死亡の原因の多くを占めているという情報も目にしました。

帝王切開自体を深刻に考えてはいませんでしたが、分娩後の大量出血のリスクを知ってしまい急に怖くなりました。輸血があるかもしれない、命を落とすかもしれない、と考えると不安でしょうがありません。この恐怖を落ち着かせる方法はあるでしょうか?

よくドラマなどで「私はどうなってもいいから赤ちゃんだけは助けて」というシーンがあったりしますが、全くそんなこと思えません。何が何でも死にたくないです。。。

先生に不安を相談すれば良いかと思いますが、「経験上大丈夫」という返事しかもらえませんでした。ネットでは「最悪の場合子宮摘出や母体死亡もあり得るが、事前にそれを話していても分娩を辞めることはできないので、不安にさせないためにあえて話さない医師もいる」と書かれていたりして先生の話を心から信用することはできません。

性格的に、「きっと大丈夫」と前向きに信じるほどかえって不安が強くなります。例えば妊娠初期の頃は流産の可能性におびえていましたが、「きっと大丈夫。赤ちゃんは元気に産まれてきてくれる」よりも「だめな時はだめだろう。でもお腹にきてくれたことに変わりはないから、今妊娠が継続していることに感謝しよう」と考えることで楽になれました。
今回ばかりは自分の命がかかっているせいか「ダメだったらその時はしょうがない」と考えることができません。何か良い心の持ち方はあるでしょうか?

2022年4月18日 1:08

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

心は変化します

心は無常です。
心は瞬間ごとに浮かんでは消え、変化します。
つまり、今の恐怖が永遠に続くわけではないのです。
怖がるときは怖がって良い。
ただ、恐怖という台風は必ず過ぎ去るのだと覚えておきましょう。
ところで、夫にはその恐怖をお話しされましたか?
出産に関して、男性は無力かもしれません。
しかし、夫が寄り添ってくれる時間を作ってくれれば、その間だけでも恐怖の台風から守る「雨戸」が心に生まれるかもしれません。
また、夫が頼りにならないなら、南無阿弥陀仏と仏様の名前を称(とな)えて仏様に寄り添っていただくのも、「心の雨戸」になります。
恐怖の台風が襲来したら、待ってました!と「心の雨戸」を出しましょう。
他には、好きな音楽を聴いたりドラマを見たり、赤ちゃんの名前を考えたり、意識が別のことに集中している時間も「心の雨戸」になります。
あと、ガムを噛むだけでも落ち着く場合があります。
お釈迦様の弟子の中には、ひたすら掃除をする中で真理を悟った人もいました。
家も心も、毎日埃がたち汚れます。
でも、汚れたら掃除すれば良いのです。
汚れることを嫌がる必要はない。
「心は無常」「台風は過ぎ去る」「心の雨戸」「汚れても掃除すればチャラ」。
追記
夫と恐怖を共有してくれているのは、無関心よりは良いと思います。
ヴィパッサナー瞑想、さやマインドフルネスというのをやってみてはどうでしょうか。ネットでやり方は出てきます。
追記
ご出産おめでとうございます。
嬉しいです。

2022年4月18日 2:59
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

回答ありがとうございます。
夫にはもちろん不安を毎日話していますが、私以上に怯えてしまっており、かえって家の中が暗い雰囲気になってしまいます。(手術を受ける当事者よりも、何もできず祈るしかない夫のほうが怖いのではと私も思います)

とにかく恐怖が過ぎ去るまで気が紛れることをしなさいということでしょうか。帝王切開までに陣痛が来てはいけないので、できるだけ安静にと言われています。掃除や散歩などもやりすぎないように控えています。横になっている時間が多いのであれこれ考えてしまうのかもしれませんね。

赤ちゃんとの生活に思いを廻らしたいですが、どうしても無事に退院できるか恐怖で思考が止まってしまい、そこから未来のことは考えることができないんですよね。。。

追伸ありがとうございました。先日無事に帝王切開で赤ちゃんが誕生したことをご報告します。

手術直前まで不安はゼロにならず眠れない夜もありましたが、現代医療や人間の生きる力を信じて乗り越えることができました。夫に不安を聞いてもらうだけではなく、自治体の助産師相談サービスも利用して手術への恐怖心を和らげてもらいました。教えていただいた瞑想やマインドフルネスの音声も活用しました。

蓋を開けてみれば何のトラブルのない出産でしたが、こうやって自分の心と向き合ったことは貴重な経験になりました。この誇りや感謝の気持ちを忘れずに、夫婦で赤ちゃんを大事に育てていきたいと思います。

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