人に好かれるのが辛く感じてしまう。
はじめまして。今現在、プロフィールに書いてある職業に従事しています。
この職業に就いてからというもの、人としての「正しさ」や「善」のようなものを深く意識するようになりました。
そうして振り返ると、私のこれまでの人生はどうでしょう。
人を言葉で傷つけたこと、なんであんな馬鹿なことをと思うようなことをたくさん、本当にたくさんしてきました。
中には、親や友人にも言えない、墓場まで持っていこうと考えている秘密もあります。
この保身もまた、「正しい」ことではないのかもしれません。
今現在、少しでも正しく、人の為に何かをしたいと思っているのは本当です。しかし、過去は変わりません。白いシャツについたシミのようにどんなにこれから正しく、人の為に生きていけてもその汚れは生涯落ちることはありません。
そのことが、常に頭に付き纏ってしまいます。人に正しいことを言っている自分が、どの口がと思ってしまいます。自分のこれまでを知ったらどんなに軽蔑されるだろうかと考えてしまいます。
ここからが本題なのですが、そんな私でも、未来で少しでも人のお役に立てるようにと自分なりに努力をしていたら、私のような人間を好いてくれる方が出てきました。家族や同僚、学生時代からの友人など、皆大切な人たちです。そして、良き人たちだと感じてしまいます。
私は、彼らに対しずっと詐欺を働いているような、そんな気分になってしまい辛いのです。人に知られたくない過去があるのに「いい人」ぶって、「正しい」ことを人に言っている自分。そんな私を好いてくれる周りの人たちの優しさが辛いです。
似たような方の質問をこのサイトで見つけた時、「大切なのは今」と答えられている方がいらっしゃいました。私も、そんな風に正しい今を積み重ねていけば、それで良いのでしょうか。これから先、親や友人、大切な人たちの好意を素直に受け入れて、彼らに正面から向き合っても良いものなのでしょうか。
取り止めのない文章で申し訳ありません。よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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輪廻転生(生まれ変わる)
私達は遥か昔から輪廻転生を繰り返し、遥か昔から沢山の罪を重ねてきました。
それに比べれば、この世での数十年などほんの一部。
「どの口が」は人類誰にでも当てはまります。
しかし、多少の知恵がある人間に生まれたからには、昔よりも賢くなることは良いこと。
昔はバカだった、今もバカだが昔よりはマシ。それは素晴らしいことですよね。
また、私達の細胞は新陳代謝で入れ替わり、心は瞬間ごとに浮かんで消えてゆき、私達は瞬間ごとに新しい自分に生まれ変わっています。
なので、過去のキャラに拘る必要はないのです。
欲・怒り・怠け・プライド等の煩悩(悩み苦しみの原因)は誰にでもあります。
自分の煩悩には気をつけて、他人の煩悩には「お互い様」と慈悲の眼差しで。
そうやって、今できることをできる範囲でやれば良い。
欲・怒り・怠け・プライドが智慧や慈悲を頻繁に邪魔しますが、煩悩に気づいたら冷静で正しい白い道の上に心を帰す。
白い道に煩悩の波がザブンと来て、また煩悩の海に落ちる、でもまた冷静になれば白い道に帰る。
その繰り返しで一歩一歩、冷静で正しい白い道を中心に歩みましょう。
質問者からのお礼
願誉浄史様、この度は私の質問に答えていただき誠にありがとうございました。
「新陳代謝」という言葉を見て、自分の中でぼんやりと「身体と同じように自身の心も新陳代謝しているのだ」と考えました。
正しい「今」を、これからの長いであろう人生を通して積み重ねていけるように精進します。
しかし、まだ心のどこかで引っ掛かりを感じ続けているのも事実です。もう少し自身の気持ちと向き合い、整理ができたらよろしければ個別相談でお話を聞いていただければと存じます。自分も、誰にも言えない、言いたくないことと向き合い、それを口にする勇気を持つ所存です。
改めて、この度は本当にありがとうございました。