一人で複数の宗派の僧侶になる
はじめまして。お坊さんについて疑問に思った事があります。
僧侶の宗派資格?修行?を複数持たれている方っていらっしゃるのでしょうか?
現在、たくさんの宗派がありますが、根本は仏教なので、いろんな宗派で教えを学ばれる方がいらっしゃるのかな?と疑問に思った次第です。
もしいらっしゃれば、各宗派の違いなどの経験談を伺ってみたいです。
よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
一つの考え方ですが
こんばんは。なるほど、日本仏教の特徴の一つに迫りそうな質問だと感じます。日本仏教史はある程度ご存知かしら。
私や私の父は浄土宗の僧侶で、他宗を「兼ねている」ということはありません。しかし、歴史的に見ると浄土宗の開祖である法然上人は天台宗の僧侶でした。浄土宗内では「独立した」という見方で教育されますが、おそらく天台宗の立場で見れば異なるでしょう。
特に鎌倉時代以降に「成立」した仏教は、偏りというか極端に走る(何かを取り、ほかを捨てる)傾向が強くなります。カメラに対するアクションカムみたいな感じ(特定の状況についてメチャ特性を発揮する)と言って、伝わるでしょうか…。
そんな浄土宗にいる私ですが、では他の宗派の教えを説かないのか?お釈迦様の言葉を説かないのか?と言ったら説くわけです。「今の状況については、この言葉がぴったりだな」と思えば殆ど躊躇しません。ここの回答で、私が「これは禅宗の言葉ですが」とか言いながら紹介したりするわけです。そして、「これは他宗派だから学ばない・これは他宗派だから使わない」とかは意識していません。自分の中で整合性は保っていますけれどね。
思うに、自身の信仰として「いざという時に南無阿弥陀仏か南無妙法蓮華経なのか」という迷いはありませんが、ハスノハでの解答を考える時は、もっと広い選択肢から考えています。
なお、「各宗派の違いの経験談」はめっちゃ多いです。それを楽しめるには、「とりあえず自分の立場をどこかに置く」ことから始めないと=ある程度学ばれてから、と思います。
いずれかの道を選択することになります
拝読させて頂きました。
基本的には複数の宗派の僧籍を持つことはないと思います。それぞれの教団や宗派がその様なことを許してはいないと思います。
仏道修行をする上で信じる信仰や生き方を何を選択するかに影響するからです。
自分は何をもって修行して往生して成仏していく者なのかを、どう信仰を持って生きるかを表していくかですからね。
仮に二つの宗派の修行をなさったとしてもどちらかを選択せざるを得ないことになります。
それが嫌ならば単立になる道があります。自分の寺がその教えの本山になりその仏道修行の師となっていくということです。
現実に他宗派に乗り換えたり、自分の寺が単立寺院として自立していく方法はありますし、その様なお寺はあるのです。
どうかこれからあなたにとって目指す宗派や仏道に巡り会いその教えを心から信じて歩んでいかれます様に切に祈っています。
質問者からのお礼
私の素朴な疑問にご回答頂きありがとうございます。
Kousyo Kuuyo Azuma 様
なるほど。もし修行を二つなさっても選択となるのですね!
でも、選択しなかった方の修行も今後の仏道を進むにあたって役に立つんだろうなと考えていました。
自分で信じた道を進む事の重要さを認識できました。
ありがとうございました。
佐藤良文 様
勉強不足で大変申し訳ございません。
また、わかりやすくご説明していただきありがとうございます。
他宗派の教えも説かれられるのですね!
個人的に、その宗派の教えだけを説かれるのだと勘違いしていました。
ありがとうございました。