お布施はお坊さんに直接聞こう。金額相場は寺で変わる。マナーや意味も解説
お葬式や法事でのお布施は、いくら包めばよいのでしょう。そもそもお布施をする本来の意味をみなさんご存知でしょうか。
今回はいざという時のために、hasunohaで回答してくださるお坊さん方と一緒にお布施について考えてみましょう。
お布施とは
お布施とは、お葬式や法事の時にお坊さん(僧侶)に渡す金銭のことをいいます。
今でこそお坊さんに対する謝礼だと思われていますが、本来お布施は、ご本尊にお供えするもの。お経代や戒名代など、お坊さんの労働に対する報酬や対価として支払うものではありません。
一般的にお布施は、お札を半紙か奉書紙に包み(白い封筒でもOK)、表書きに「御布施」と筆で書いて、お盆に乗せてお坊さんにお渡しします。
お布施はいくら包めばいい?
そこで、気になるお布施の相場。ネットで検索してみますと、
葬儀の時…30万円
お膳料…1万円
お車料…1万円
初七日忌の時…3万円程度
年忌法要の法事…3万円~10万円
といった目安の金額が掲載されています。
これらの金額はお布施の相場として参考になるものの、地域や宗派、お寺により大きな違いがあるため、ネット上でお布施の相場を調べるだけでお寺と上手に付き合えると安心するには早いのです。金額にまったく目途がつかないときのあくまでの目安と捉えておきましょう。
では、どこで確認をすればよいのでしょうか。
お布施の相場を確認する方法
今よりも檀家制度が整っていた時代、お布施の相場などは檀家の代表となる檀家総代などから伝わることが一般的でした。もちろん今でも檀家総代さんや地域で詳しい方がいる場合はその人に確認をするのが一番です。しかし、まわりに相談できる人がいない場合は、直接お寺さんに聞いても問題はありません。
hasunohaのお坊さん方も「お布施の金額についてお寺さんに直接相談をすることは、決して失礼なことではありません」とみなさんおっしゃっています。
なかには「お気持ちで結構ですよ」と、はっきりとした金額を示されないお寺さんもあるかもしれません。そういった場合は、「他の方はどれくらいお布施を用意されていますか」など具体的にたずねると、お坊さん方はだいたいの相場や金額の幅を教えてくださるはずです。
法外なお布施を要求するお寺
かつては地域コミュニティの中心的な存在であったお寺ですが、今ではお寺との接点がお葬式や法要の時と限られているため、お布施を知らなかったり、お布施の相場が思っていたよりも高いと感じたりする人も少なくありません。
お布施は、強制されるものではなくお気持ちでするもの。hasunohaのお坊さん方も、お布施は無理のない範囲でとおっしゃっていますので、もしもお寺さんから提示された金額と用意できる金額との差が大きい場合は、お寺さんや檀家総代さんなどに相談をしてみましょう。
また、あまりにも法外なお布施を請求されてしまったり、寄付を断れずに悩んでいたりする方は、「教団の本部や本山、宗務庁などに確認をしてみるのも一つの方法です」と、hasunohaのお坊さん方はアドバイスをしてくださっています。
お布施の本当の意味
普段お寺さんとお付き合いがない方にとって、「お布施が高い」「なぜ、お布施をしなければならないのか」と思われる方もいることでしょう。そもそもお布施にはどのような意味があるのでしょうか。
お布施は、仏教において、迷いの世界から悟りの世界に至るための6つの修行、六波羅蜜(ろくはらみつ)の中の布施行からきているといいます。
さらに、布施行は「財施・法施・無畏施」の3つにわかれています。
3つの布施行
「財施(ざいせ)」…財(お金や物など)を施すこと
「法施(ほうせ)」…仏の教えを説くこと、教えることによる人助け
「無畏施(むいせ)」…恐れや不安をとりのぞき、安らぎを与えること
この3つの布施行は、他人に善意で財を提供したり、相手を導いたりするなど、すべて「与える」ことを指しています。
私たちがお寺さんにお布施をすることも、お坊さんが仏教の教えを説き、私たちの苦しみや悲しみに寄り添ってくださることも、布施という観点からいえば、両者が仏教の修行をしているのです。
お布施は無理のない範囲で
お寺さん側は、人々から受け取ったお布施で、ご本尊を祀るお寺の費用や僧侶の生活費などにあてお寺を維持しています。つまり、私たちのお布施は、ご本尊を守るお寺さんを助ける役割を果たしているのです。
お布施の金額はそれぞれの家計や考え方によって、価値観は異なるかもしれません。しかし、お布施は「高くて損をした」「安くて得をした」と思うものではなく、慈しみの心にもとづいて善意で行うもの。hasunohaのお坊さん方も、お布施の金額については、生活に支障のない範囲で包み、真心を込めて施しましょうとおっしゃっています。
お坊さんに聞いてみた!お布施の話
お坊さんがこたえるQ&Aサイトhasunohaには、お布施についての相談も少なくありません。ここでは、お布施の悩みや疑問に関するお坊さん方の回答を見て行きましょう。
お布施のよくある勘違い
お布施は善行です
Q:クラウドファンディングやアマゾンの欲しいものリストが好きで、人のためにお金を使ってしまうのですが、仏教の布施とどう違うのでしょうか。
A:世間的な寄付は募った人が社会的な活動に役立てます。仏教の布施は、施しをする人が自分自身の善行として寄付します。出家修行できない自分の代わりにお坊さんの修行を支援して功徳を積みます。
お布施は対価ではありません
Q:お布施は対価ですか?謝礼ですか?正しい気持ちでお布施ができるように回答をお願いいたします。
A:施す人が見返りを期待してはいけない。受け取る人が欲望にとらわれてはいけない。施す物が盗んだ物や邪な物であってはいけない。これが「三論清浄」です。お布施は「三論清浄」でなくてはいけません。
元の問答:お布施とは?
金銭以外のお布施
Q:亡き祖母が「和尚様に使って頂けたら嬉しい」と糸を紡いで遺していった絹の反物があります。お布施として反物や法衣の生地などをおさめてもよいでしょうか?
A:日頃、お付き合いのあるお寺さまなら遠慮なくお声をおかけになってはいかがでしょう。そのような想いでいてくださるならきっと喜んでくださると思いますよ。
元の問答:反物のお布施はお寺様で困りますか?
お布施の金額を知りたい
お布施はいくら包む?
Q:お布施はどれくらい包めばよいのでしょうか。
A:お寺さんに聞いてみてください。目安を教えてもらえると思います。聞くことは失礼にはなりません。
元の問答:お布施とは?
3回忌のお布施の相場は?
Q:3回忌のお布施の相場がわかりません。
A:地域差が非常に大きいので、総代さんや世話役さん、ご近所の詳しい方にご相談なさるのが一番です。
元の問答:3回忌のお布施
お布施が多すぎると言われたら?
Q:10代女性です。お布施が「多すぎる」といわれ一部返されました。嫌われているのでしょうか。
A:むしろ気にかけてもらっているのだと思います。これからも無理せず長く来てほしいという気持ちがあったのではないでしょうか。
お布施の金額は偶数はダメ?
Q:生活が苦しいながらもお布施は必ずお渡ししたいのですが一回のお布施が千円だったり偶数の金額では失礼でしょうか?
A:お布施の金額に偶数はダメということは全くありません。ただ、お寺によっては布施の部分と対価的な部分を分けて、例えば明確にお塔婆は〇千円でお勤めは布施とかのように設定している場合もあるかもしれません。あなたがお世話になっているお寺でそのようなことがなければ本当に無理のない範囲でかまわないのです。
元の問答:お布施の金額は偶数はダメですか?
お坊さんへのお車代はいりますか?
Q:この度祖父の一回忌の法事をします。移動に関しては私の車を使うのでタクシーなどは利用しませんが、お車代などは必要なのでしょうか?自分の家が車を出すのでお車代は必要ではないと思うのですが、この場合はどのようにする事が良いのか教えて下さい。
A:お坊さんが自力で来られた場合、その実費としてお渡しするのがお車代なので、今回は不要です。地域性も何も関係ないですからご安心ください。
元の問答:法事の事について
祥月命日のお布施の相場は?
Q:先日祖母が亡くなり、満中陰、納骨まで終了しました。これから祥月命日の法事があるということですが、お布施の相場はいくらぐらいでしょうか。二七日(になのか)や三七日(みなのか)の法事は大体3000円から5000円だったのですが、祥月命日も同じでしょうか
A:お布施については、地域やお寺によって慣習が違うので、できれば、同じお寺の檀家さん、総代(役員)さんに聞くのがよいでしょう。祥月命日のお参りに来ないお寺もあるし。
元の問答:祥月命日のお布施や仏壇について
納骨、戒名に70万円は高い?
Q:主人の曾祖母が亡くなりました。 通夜、告別式は行わず、近しい親族のみで斎場にて納棺式を行い、翌日火葬致しました。納骨するお寺ですが、親族が電話にて直接お聞きした所、受付らしき方に、納骨、戒名代で最低でも70万掛かると言われたそうです。世間知らずで申し訳ないのですが、正直、高額な金額に親族で戸惑っております。
A:この手の話はかなり地域性があります。納骨がどのような形なのか分かりませんので確かなことは言えませんが、30万〜50万くらいという見立ては全国平均から言えばあながち間違っていません。しかし東京というくくりで見れば、残念ながら納骨堂への納骨込みならむしろ安いです。お葬式のことは今となってはどうにもなりませんが、納骨だけでももっと広くご検討なさってはいかがでしょうか。
元の問答:納骨時のお布施(戒名代含む)
安すぎるお布施!?
Q:外国に住んでいる両親の友人が去年亡くなり、もうすぐ一周忌なんですが、 費用を聞くと、ご住職のお父さまが戒名、お位牌合わせて家族割で6万でいいよと言ってくださったのですが、ネットでみたところ通常戒名は30万程度からと書いてあり、それはいくらなんでも安過ぎるのでは?と悩んでいます。
A:お布施は、戒名料や読経料ではありませんので、なんでもいいのです。 お金でもいいし、お菓子でもいいし、笑顔だけでも構いません。ご住職が6万とおっしゃるなら、6万で構いません。しかし、ご自身の修行ですから納得のいくだけなさったら宜しいかと思います。
元の問答:お布施代について
お盆の棚経と新年の御札のお布施は?
Q:自分の墓と仏壇を新調するあたり、近くのお寺(日蓮宗)に開眼をしていただきました。これからは、お盆の棚経と新年の御札をお願いしてあります。お尋ねしたいのは、お布施をおいくらぐらいすればいいのかということです。因みに、開眼は、それぞれ30,000円ずつでした。
A:遠慮せずに、直接電話! が、一番いいと思います。お札とは、新年のご祈祷か何かのお札ですか? それならば、御祈祷料、またはお札料は、お寺で決まっているかもしれません。直接、電話でも大丈夫ですから、尋ねてください。
元の問答:お布施の金額はいくらぐらいでしょうか
お布施の渡し方、書き方教えて
お布施は分けてつつむべき?
Q:お戒名分、四十九日法要分、納骨(保管料)とそれぞれ別の袋にしたほうがよろしいのでしょうか。(お塔婆代、供花料、御膳料は別にお包みします)。それとも、お布施の袋はひとつとして、中袋に内訳(?)と金額を書いたほうがよいのでしょうか。
A:私がお檀家さんから聞かれたら、「こっちでわかるから一つの袋でいいよ」と答えますが、今回はお寺さんにとってもあなたにとっても初めての事ですので、やはり袋を分けた方が丁寧で、お寺さんの印象も良くなると思いますよ。
元の問答:お布施の包み方
入仏法要のお布施の表書き
Q:仏壇を購入し、入仏法要の予定です。お坊さんの視点で教えていただきたいのですが、この際のお布施の表書きはどういった感じになりますでしょうか??
A:封筒の表書きは「御布施」あるいは「入仏法要御布施」でよいと思います。浄土真宗では仏壇やご本尊に「魂を入れる」という考え方はしませんのでお仏壇を入れられたという「入仏法要」という名称になることと思います。
元の問答:入仏法要について
満中陰法要のし紙の書き方
Q:来週は父の満中陰法要です。お寺さんへ喉仏を預けます。謝礼としての熨斗書きはお布施?ですか
A:実は世間で言われているほどには、お坊さんは気にしていないものです。分かれば大丈夫ですから御布施でいいでしょう。
元の問答:喉仏を預けるお寺さんへの熨斗書きは?
仏事法要以外でのお布施
Q:ただのお布施の場合でも法事と同じようにした方が宜しいでしょうか?見習いたいと思えた和尚様でしたので、お礼というか、ただお布施をしたいなと思っただけなのです。
A:法事のお布施と同じような形で名前も書いて渡せばよいと思います。表書きは、「御布施」「志」「御本尊前」など。お寺に和尚さん以外のお坊さんや奥様等がいらっしゃるのであれば、必ずしも忙しそうな和尚さんご本人にお渡しする必要はないかと思います。
元の問答:ただのお布施の渡し方などについて
悪徳?常識?お布施のトラブル
高額な事務手数料を請求されました
Q:父親の葬儀の際、親戚の住職の妻から、本山に収める事務手数料を80万といわれました。
A:まずはそちらのお寺が伝統仏教の宗門に属するお寺か調べてください。もしも伝統仏教のお寺であれば、本山に電話をして80万円の事務手数料が存在するのかお問い合わせください。必要に応じて警察や弁護士にご相談なさるのもいいかもしれません。
元の問答:お布施について
寄付するべきですか?
Q:副住職夫婦が新居を建てるので、檀家一軒あたり100万円を出すように言われました。この場合、檀家がお金を出すことは当たり前なのでしょうか。
A:個人の見解ですが、本来、檀家さんに寄付の依頼をするのは、檀家さんと共有すべき寺の建物があるからで、副住職の住まいを檀家さん達が寄付する必要はないですよ。檀家総代さんに詳細を伺ってみましょう。
元の問答:檀家について
お寺への寄進は強制ですか?
Q:法事などやらない場合でも料金を請求され、銀行の振込用紙が送られてきます。
A:お布施は自主的にすることはよいことなのですが、お寺から強要するのは間違いなのです。ご住職とお話をされるのが一番ですが、話し難い人でしたら檀家の総代さんに相談してみてください。
元の問答:お寺への寄進は強制ですか?
月参りを義務付けられた
Q:菩提寺から墓檀家には月参りを義務付けると言われました。理由は、ある檀家が行方不明となり墓維持費も徴収出来ず、無縁墓トラブルで警察沙汰にまで発展したため無縁墓対策としてとの事でした。何かズレているように思えてならないのですが。
A:お寺が宗教法人の場合、年に一回檀家総会とかはないのでしょうか?月参りの義務化というのが住職の独断ではなく檀家総会の会議の中で決まったことだったとしたら、ある程度従う必要があるかもしれません。意外と住職よりも檀家さん達の方がルールに厳しい場合があるのです。
元の問答:月参りの在り方を教えて下さい
住職の奥さんにお布施が少ないと言われた
Q:住職の奥さんが自宅に来て言うに「お布施が少ない」と言って来られました。私共と致しましては、枕経・お通夜・本葬を合わせて120万円程御布施としてお渡ししたはずで一体幾らほど包めばいいのでしょうか?
A:お布施は気持ちの表れですから、その気持ちの相違が出てくる可能性はお寺さんとお檀家さんとの間に充分ありえます。お布施についてお寺さんの思いに納得されるかされないかはあなた様自身の判断になるかと思います。そして、その後のお寺さんに対する接し方も変わるかもしれません。ただ、なぜこのお布施の額なのか尋ねられてからでも良いかと思います。理由がおありでしょうから。
元の問答:葬儀の御布施
相場の2倍のお布施を要求されて改葬したい
Q:父方の祖母が亡くなり、それまで祖母が引き受けていたお寺関連に父母も関わらざるを得なくなりました。お葬式や法事、その他もろもろの手続きの中で発覚したのは、祖母のお墓のあるお寺はあらゆることについて「相場」といわれる額の約2倍を要求してくるということです。
A:都内でも、改葬を受け付けているお寺はたくさんあります。「離檀料」を払えと言われるかもしれませんが、それも言われた金額をそのまま払ってしまわず、「今までありがとうございました」という感謝の気持ちをもって可能な範囲で、お布施してさしあげれば良いと思います。
お布施が払えないとき
お寺さまに申し訳ない
Q:母が突然亡くなり、何も知らない私たちにとても親切にしていただきました。しかし、相次ぐ出費で限界がきており、お寺さまに申し訳なく思っています。
A:経済的な事情からあまりお金をかけられないなら、それはそれで仕方がないことです。生活をきちんと構築し、経済的に幾分余裕ができたらお寺さんにそれなりの気持ちを示せばよいと思います。
元の問答:四十九日の法要について質問です
貯蓄がありません
Q:息子の学費など今現在をやりくりするのが精一杯です。子供の進学に貯めているお金は手をつけられません。先祖供養は今生きている者たちが犠牲にならなければいけないのでしょうか。
A:大切なご子息様のために積み立ててきた学費を切り崩してまでお包みする必要はございません。現在の状況と照らし合わせて、無理のない範囲で、お気持ちを込めてお包みするのがお布施の本義だと思います。
元の問答:迷い
笑顔も無財のお布施です
Q:毎月ごくわずかですがお布施を納めています。しかしお布施ができない時はお寺の行事を遠慮することがあります。
A:お布施というのは金額の大小は関係ありません。広い意味で言えば、あなたが誰かの為に何かをすれば、それもお布施なのですよ。笑顔も無財のお布施のひとつと言われています。
元の問答:毎月のお布施に悩んでいます。
当日お布施が払えません
Q:亡き父の3回忌でお寺にお渡しするお布施ですが、当日お渡しすることが厳しい状態です。後日お渡しするのは可能でしょうか?
A:土地柄や宗派によって違いがありますが、先にご連絡いただきますと法事をすすめさせて頂く僧侶やお寺も「後日お預かりするものだ」と周知できますので、とてもありがたいです。
元の問答:お布施?についての質問
お葬式のお布施が払えない
Q:ご住職が「お布施は二十万でお願いしたい。」と言ってきました。私の家は裕福ではないので、二十万円も払えないのですが、どうしたら良いのでしょうか。
A:そのままの事をご住職にお話しされるのがいいと思いますよ。20万円を収める余裕が無いのですが、どうしたらいいでしょうか?と。その後のご住職の対応はそれぞれでしょうが、普通なら、無理のない範囲でいいですよ、と言われると思うのですが。
元の問答:葬儀のお布施について
お金がなく四十九日法要でお坊さんを呼べない
Q:家で四十九日法要をします。しかし金銭面などの問題からお坊さんに読経して頂かないことにしようとしているのですがどうなのかと思い、質問させていただくことにしました。
A:檀家さんから「経済的に厳しい状況なので、四十九日を行うのが難しい。」という相談を受けたことがあります。菩提寺にさんに率直に家庭の経済状況を説明し、限られた予算の中でどのように勤めたら良いか、相談してみてください。
元の問答:四十九日法要はお坊さんを呼ぶべきですか
親切なお寺にお布施したいけど
Q:葬儀で御世話になった浄土宗のお寺さまに本堂をお借りして法要と開眼供養をしていただくこととなりました。「まだお若く、突然のことで大変でしょうから、お布施の金額についてはお気持ちで結構ですからね」 と気遣って頂きました。とても親切で葬儀のときも何も知らない私たちにもよくして頂き、感謝の気持ちでいっぱいですが、相次ぐ出費に限界がきております。本当にこのお言葉に甘えてしまってよいのでしょうか?
A:親切なお寺さんで良かったですね。経済的な事情からあまりお金を掛けられないなら、それはそれで仕方が無いことです。生活をきちんと構築し、経済的に幾分余裕が出来たらお寺さんにそれなりの気持ちを示せば良いと思います。
元の問答:四十九日の法要について質問です
葬儀仏事以外でのお布施
悩みごとの相談にお布施を渡したい
Q:あるお寺に予約を取り、悩み事を聞いていただくことになりました。お布施が必要だと思いますが、どれくらい包めばいいのでしょうか?
A:そこのお寺さんに聞いてみると良いと思います。目安を教えてもらえると思います。聞くことは失礼にはなりません。必要ない、と言われたら菓子折など持って行くのも良いかもしれません。一緒に食べながらお話するのも良いかもしれませんね。
元の問答:お布施について
托鉢しているお坊さんにお布施
Q:托鉢をされてるお坊さんたちをたまに見かけることがありました。 5mおきくらいに一人ずつ並んで声を出しながら鈴(?)を鳴らしながら歩かれてました。何かしたいのですが、何をどうすればいいのでしょうか? お金?食べ物?
A:托鉢をされてるお坊さんを見かけたら、お布施をすると良いですね。頭鉢(ずはつ)と呼ばれる黒い器を右手に持っていると思うので、そこにいくらか入れましょう。(私が托鉢していると、100円くらいの人が多いかな。でも10円の人もいるし、1000円の人もいます。)そしてお坊さんに対し、手を合わせて頭を下げましょう。カントリーマアムでも良いかな(笑)。私は以前、寒いところで托鉢していたら、暖かい缶コーヒーを布施していただいた事があります。
元の問答:托鉢について
花まつりのお布施
Q:私はそのお寺の檀家ではなく、座禅や写経に参加させていただいたり、ご住職とよくお話したり仏教について教えて頂くくらいのお付き合いです。 お寺からお土産を用意されているそうで多少のお布施は常識としてお持ちするつもりです。 2000円ほど?では失礼でしょうか?
A:うちは大体それくらいが多いですよ。充分だと思います。
元の問答:花祭のお布施
仏教が説くお布施の本来の意味
布施とは仏教の修行
Q:わたしは年下の人とのコミュニケーションが苦手です。思いやりの持ち方、関係性の持ち方などアドバイスをもらえたら幸いです。
A:仏教での修行は多くの種類があります。 その中で「布施行」がございます。布施とは現在でいう、施しをする意味ですが、私たちはお釈迦様や多くの高祖なる教えを皆様へお伝えさせていただくことを「法施」といいます。
元の問答:年下の人とのコミュニケーション
布施とは執着を手放すこと
Q:姉は以前から甥の学費から自分達が実家に来る費用まで両親に出させるような人で、 以前に親の介護の件で私と大揉めした経緯もあります。先月父親が亡くなり、早速相続の話になりました。遺言書に内容は土地はほぼ全て姉に、その後孫の代は甥にまかせる…との記載がありました。
A:布施行とは、執着しているものを手放すことでもあります。お金に執着し手放せない人は苦しみます。イライラしたり、一人八つ当たりしたり不幸オーラがでてます(^ ^)
元の問答:モヤモヤ
布施とは不貪なり(むさぼらざるなり)
Q:先般、街を歩いていたところ、前方に歩きたばこをしている高齢の方がおり、吸い殻を平然とポイ捨てされました。その瞬間強い不快感を覚えましたが、自分が吸い殻を拾うかどうか悩んだ挙げ句、結局通り過ぎてきてしまいました。
A:不貪というのは、物を惜しんだり骨身を惜しんだりせず、欲張ったり執着しないことです。 私達の心には欲望があり執着があります。「貪り」の心があります。それが布施を実践する事の妨げとなっているのです。
元の問答:よい行いを実践するために
布施行とは自分のためにする
Q:5年生女子の母親です。数年前にPTAの仕事をしましたが、そこで不仲になった人がいます。 以前は無視されても、こちらから挨拶をしていましたが、最近はバカらしくて止めております。それも大人げないと思ってしまい、嫌な気持ちになります。
A:相手がどうなるか?ではなく自分がどうしたか?布施行というのは、「自分のためにする」ものです。何度言っても相手が変わるかどうかは相手次第。一度で変わるかも知れないし、1000回以上かかるかも知れない。1001回目かも知れない。
元の問答:ママ友&その子供への対応について
無財の七施
Q:常に他人を見下してしまいます。職場でも無意識に横柄な態度や言葉が出てしまい、反感を買われる結果を招き自身で居心地悪い関係を作ってしまいます。
A:一日一善といいますが、一日10分ほど人を見下す行為をやめることもいいと思います。布施行に無財の七施を実践してみてはどうでしょうか?
1. 眼施(がんせ)常に温かく優しい眼差しを施すこと
2. 和顔施(わげんせ)いつもニコニコ笑顔で接すること
3. 言施(ごんせ)優しい言葉をかけること
4. 身施(しんせ)自分の身体を使い奉仕すること
5. 心施(しんせ)心配り・気配り、思いやりの心を持つこと
6. 床座施(しょうざせ)座席を譲ること
7. 房舎施(ぼうしゃせ)家や部屋を提供すること元の問答:他人を見下す癖
奉仕活動は布施
Q:集合住宅のゴミ箱がカラスに荒らされて散らかっていました。できる範囲で片づけました。その話を夫にすると、「あなたが散らかしたように思われるから、そんな疑わしい余計な行為はしないほうがいい。トラブルになるから」と言われてしまいました。
A:他人のためを思って奉仕活動をなさることは、布施行という修行に該当する尊い行いだと思います。たしかに、世知辛い世の中ですから、旦那さんがおっしゃるようなトラブルになる可能性があるのかもしれません。 旦那さんはトラブルからあなたを守りたい気持ちでおっしゃっているのかもしれませんので、冷静に受け止めるようにしましょう。
布施行は「相手が受け取るか、喜ぶか」は無関係
Q:高校生の時三年間ずっと仲の良い子がいました。卒業して三年ぐらいして同窓会に行ったらその仲の良かった子が来ていなくて病気で亡くなったと聞きました。亡くなった友達の両親に手紙を書こうと思います。亡くなった友達は私の事もあの世で覚えてくれてますよね
A:「布施行」というのは、パッとイメージする「お布施」とは異なりますから、その正しい意味を調べてくださいね。布施行は、「相手が受け取るか、喜ぶか」といった「結果」にはよりません。自分から何かを差し出すこと自体を指します。なので、「覚えていてくれた、忘れちゃった」という相手がどーこーではないのです。
元の問答:高校の頃の友人
三輪清浄の布施
Q:最近、立て続けにお金を貸して欲しいと、知人の三人から頼まれました。困っている人、苦しんでる人を助ける「慈悲の心」のつもりで貸し、また貸したお金は返ってきたのですが、感触として不愉快で人に良い事をした清々しさがあまりなかったのです。
A:仏教に「三輪清浄」という言葉があります。これは、布施をする人、布施を受ける人、そして布施の品物、この3つの事柄に執着しないことが正しい布施であり、そのような布施を「三輪清浄の布施」あるいは「三輪空寂の布施」と言うのです。つまり、「私はあの人に、お金を貸してやったんだ。」あるいは、「貸したお金はちゃんと返してもらわなければ困る。」などという思いを持たない布施が、真の布施であり、慈悲の心が通った布施だと思います。
お布施についてのまとめ
お布施について、多すぎても自分たちの生活を圧迫してしまう、少なすぎてもお寺さんに申し訳ない。そんな気持ちから、いくら包んだらいいのか悩む人も少なくありません。もしもお布施について悩まれている場合は、お世話になるお寺さんに直接相談をしてみるのも一つの方法です。
お布施とは、対価ではなく執着を手放し施しを与える仏教の修行の一つであるとお坊さんはおっしゃっています。本来の意味を知ることでお寺やお坊さんに対する理解も深まったでしょうか?親身になっていただけるお寺さんには、お布施がもったいないと低額に抑えるよりも、そんなお寺さんを支えるための善意な気持ちで布施できればいいですね。
hasunohaで、皆さんの苦しみに向き合って回答されるお坊さんの活動も「法施」や「無畏施」ですね。そのようなお坊さんにはhasunohaからも「財施」をしたいと思っています。
人生で悩みごとや迷いごとがある方は、ぜひhasunohaのお坊さんに心を打ち明けてみてくださいね。