今ここに集中するには?
気づくと、過去のいやな出来事、トラウマのような思いを毎日何度も思い返してしまいます。許したい、楽になりたい、もっと楽しく有意義に生きたい。今ここに集中したいのです。幸せなありがたい生活の中で、なぜ過去のことが忘れらないのでしょう。修行されるお坊さんの方々も、同じ人間として、そのような経験をされたこともあったと思います。何度も悔しい思いが心に浮かび、自動思考のようにネガティブな思いがぬぐえないとき、どのようにそのような貪瞋痴と戦ってこられましたか。ぜひご教授ください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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ゆるかに今ここに意識を戻す
栗ようかん 様 相談ありがとうございます。
貪瞋痴と闘っているかどうかは、自分では意識していませんが、過去のトラウマに意識を持っていかれた時、その持っていかれた自分を責めずに、ゆるかに今ここに意識を戻す。ということの繰り返しです。
マインドフルネスを経験されているようなので「自分を責めずに緩やかに今ここに戻す」ということはご理解いただけるんじゃないかなと思います。
過ぎてしまった時間は戻りませんので、浪費していると後悔しても何も始まりません。後悔は捨て去り、今ここに何度も戻す。それに尽きるのではないかと思います。
そして、トラウマの体験ですが、これは一人で戦うのは大変かなと思います。
セラピストやカウンセラーに頼って、そのトラウマの出来事に即応した自分の悔しさ、怒り、やるせなさなどの感情を癒やしてもらうとか、自分を許す練習とか、別の解釈や意識を加えてもらうなどを繰り返し行うことが、結局はこれから生きていく上に当たって良い方法かなと思います。
トラウマの体験は、そうなりたくてなったんじゃない、自分が選んだわけではないので、自分のせいじゃないし、自分が悪いのではないし、自分に責任はないという思考で、その時の自分を癒す、許す、寛容に認めるというのが良いと私は思います。
さらに、記憶に残った過去の体験がトラウマとして蘇り、嫌な気持ちになり、怒りや気持ちの落ち込みが起こるのは、脳の防衛反応のせいですから、安心安全な気持ちになるように何かしらの癒しや優しさや愛情を感じて、自分をなだめることによって落ち着きを取り戻すことが必要になると思います。
参考にしてください。
一礼
追伸:お礼メッセージありがとうございました。確かにいろいろな行いの報いは、神仏にゆだねるというのが良いかと思います。そして、今を大切に生きていくことが、おっしゃる通り大事だと私も思います。
その障壁になるトラウマは、やはりケアをする方が良いと思います。
私は、コンパッション・フォーカスト・セラピーが良いと思いますが、他にもあるので、ご自分の合うものを探してみてください。ご縁に感謝申し上げます。再礼
質問者からのお礼
釋孝修さま
心に沁み入るお言葉を、ありがとうございます。とても嬉しく、何度も読み返し、涙があふれました。心が過去に引き戻されるたびに、流れる川を見つめるように、ゆるやかに何度でも今に引き戻すことを意識的にやっていきます。なぜ自分があんな目に遭ったのか、なぜ悪意のある人に天罰が下らないのか、なぜ自分は執着から抜け出せないのか、様々な悔しさがありました。しかし人はみな、神性仏性を宿して生まれてきていることを思えば、すべての裁きは神仏にお任せし、私は自分の心身を癒やし、周りの人々を大事にして生きていこうと思います。世の中のすべての人々が苦しさから救われますように、お祈り申し上げます。トラウマの治癒は長くかかりますが、超えた先には人間としての深みが増すと思います。あの辛さがバネになった、といつか思えるように、今を生きていきます。有難うございます。