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お墓に対する気持ちの持ち方を知りたいです

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はじめまして。
購入した家についてご相談させていただきたいです。

中古住宅を購入し、先日引き渡しがありました。
お寺の多い地域で窓から正面に五重塔が見えてそれはそれは美しく、良い家を購入したなと気に入っています。
しかし、内見の際に全く気付かなかったのですが、その窓から外を覗き込むとお墓が見えるのです。
お寺さんがあるからお墓があるのは当たり前といえば当たり前ですが、チラッと目に入ると何故か怖く感じます。

私自身、身内のお墓に対しては恐怖より、亡くなった祖父母と繋がりが持てる大切な場所と思っています。
良くない事があったらお墓参りに行って祖父母に話を聞いてもらうこともあります。

それなのに、なぜ他所様のお墓になると恐怖心が生まれるのか……。
自分の祖父母のお墓が知らない人に「気味悪い」と言われたら失礼な!思うくせに、他所様のお墓は嫌だと感じるのは自分でも矛盾していると分かっています。
きちんと供養された仏様が私に何をする訳でもないし、後からやって来た者が「怖い!」なんて言うのは筋違いだなぁ……申し訳ないなぁ……と思っています。

このように他所様のお墓への漠然とした恐怖心を持っている場合、どのような考え方をすれば良いでしょうか。
また、見えているお墓のお寺さんにご挨拶へ伺った方が良いのでしょうか?
購入した家については、本当に良い縁が結ばれたと思っているので満足しております。
変な恐怖心を持たず、ただただ心穏やかに過ごせる心持ち方を教えていただきたいです。

2023年3月12日 2:50

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お墓は亡き人を偲ぶ心の拠り所

ご相談読ませていただきました。さて、何年か前に千の風という歌がヒットしましたね。歌詞には「私のお墓の前で泣かないで下さい、私はそこには居ません」というものですね。この歌のおかげで墓参りする人が激減したとか、、、
実はこの歌詞は正解なのです。何故ならば亡くなった方は仏教では極楽浄土と言う世界に行きますし、キリスト教では天国に行くと言われています。つまり、お墓の中にあるのは遺骨です。遺骨と言うのは亡き人のかけがえのない形見なのです。だから大切にお墓の中にお祀りするのです。
そうすると居ないのならお墓参りは意味が無いのかと思われますが、そうでは有りません。お墓参りをすれば亡き人はお浄土から見ていて「私のお墓参りをして下さってありがとう」と感謝してくださるのです。
ですからお墓参りは無駄ではないのです。

そう言う訳ですから、私は65歳になりますけど仕事柄お墓に行くのは日常茶飯事ですが一度も幽霊なるものを見た事が有りません。ですから怖いとか感じた事は有りません、まぁお墓に不審者が居て怖いと思ったことはありますけど^_^
つまりお墓に霊など居ないのです。私からしたら生きてる人間のがよっぽど怖いです。おれおれ詐欺やら強盗やら。

あなたもご自分のご先祖のお墓に行ってお話しするのですよね。お墓はそう言う所なのです。お墓は亡き人を偲ぶ心の拠り所なのです。
そう思ったら怖い訳ありませんよね。

他所のお墓をみたら、あーここは大切な形見をお祀りしているところだなと思って下さい。他所の人なのだけどそれぞれの人の心の拠り所なのだなと思って下さい。
そう思えばむしろあなたの心も穏やかになりますよ。合掌

2023年3月12日 6:35
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有り難し
おきもち

個別相談可能
仏教の目的は、抜苦与楽と成仏です。 生きている人の苦しみをどうしたら癒せるのかを常に考えます。 資格:日本メンタル協会認定メンタルスペシャリスト。JADP認定心理カウンセラー
平日19:00から21:00に受付ます。

墓石は美しい

たとえば和歌山の高野山にお参りしていただくと、戦国武将や有名人を含めたくさんのお墓を拝むことが可能です。
中には、珍しい形の記念碑的なお墓もあります。
墓石って、よく見たらすごく美しい形状をしており、冷たいようで温かみもあり、刻まれている文字も味わい深く、新しい石の輝きも、歴史を感じさせる古びた石も、それぞれに魅力があります。
また、墓地ならではのお香やお花の匂いも素晴らしい。
高野山のような観光地に限らず、墓地は人々の癒やしの地でもあるのです。
私が通っていた学校や幼稚園も、すぐ横にお墓がありました。
他人の家の洗濯物とかが見える景色よりは、お墓の景色の方がむしろ美しいと思います。
日本人には古来より死者を恐れる文化があり、遺体を忌み嫌ってしまいますが、ほとんとが火葬の現在であり、遺骨は髪の毛や爪みたいなものですので、忌み嫌う必要はない「遺品の一つ」です。
見えているお寺にご挨拶に行く必要はないですが、お参りしてみたいなら事前に連絡を入れる方が無難です。

2023年3月12日 10:19
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

質問者からのお礼

有り難いご返答ありがとうございます。

高野山へお参りしたことがありますが、おっしゃるように非常に美しく怖いだなんて思いもしませんでした。
なのに市中にあるお墓は違うだなんて、変な話ですね。
「お墓に入る」という言葉をそのまま認識しているからか、どうしてもその場に故人がいつまでもいるような気がしてしまいますが、中の人は極楽浄土で楽しく過ごされていると思うように致します。
見た目に怖いなと思っていた卒塔婆も、意味を調べるとそう怖くなくなりました。
人の心理は不思議なものですね……。
今回は相談を投稿してほんとうに良かったです。回答いただいたお言葉を胸に刻み、お気に入りの家で楽しく過ごしたいと思います。
ほんとうにありがとう御座いました。

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