大切な筈の母の人生を、奪ってしまった
数年前、母が癌になり、当時相談させていただきました。戴いたお言葉に心が救われ、今でも感謝でいっぱいです。今回はその後の話です。どうかよろしくお願い致します。
せっかく助かった母の命を、私が縮めてしまいました。それが苦しいのです。質問と言うより、誰かに聞いていただきたいのかも知れません。
母は癌になり絶望しましたが、薬が効き、奇跡的に癌自体は落ち着きました。しかし体力が無いのと認知症が進み、要介護3となりました。
介護が始まった頃、両親と兄と私の4人で暮らしていました。もっとも私は、介護のために戻った形です。家族仲としては、家族で遊びや食事に行くことが多かったのですが、父はカッとしやすく、暴力を振るったり、暴言を吐いたりする人でした。兄に言わせると発達障害ではないかと。しかし兄も似ており、母と私は心身共に押さえつけられていました。
母の介護については、介護申請、ケアマネ探しに至るまで、全て私が行いました。要は、介護の負担があまりにも私に偏り、ヘトヘトになりました。母はトイレも介助が必要でした。夜、トイレに起きるのですが、父も兄も、全く動こうとしませんでした。数時間おきに起きる母を私が介助し、朦朧としたまま仕事(身体も神経も擦り減らす仕事であり、残業も多いのです)に行く毎日でした。身体が限界だと訴えるも、父と兄は逆ギレし、ケアマネに相談するも、効果的な対策がありませんでした。
私は家を出ました。しかし、私にとって母は、自分よりも大切です。母も、私がいないと耐えられないと言いました。結果、実家の近くに居を構え、仕事帰りに母を迎えに行き、朝また実家に送り届けるという生活になりました。迎えに行くと、母はベッドに倒れ込み泣いており、父は平気でテレビを観ていることが多々ありました。放っておけず、夜勤明けでも迎えに行きました。ボロボロで、やっと仕事をしていましたが、いやだと思った事はなく、母と過ごせることや、母に喜んでもらえるのが嬉しく、幸せでした。
そんなある日、つい母に怒りをぶつけてしまいました。母は泣いてひっくり返り、私は怒鳴りました。その10日後、急に起き上がれなくなり、病院に行くと大腿骨骨折でした。きっと私が原因です。手術は成功しましたが肺炎を起こし、点滴でやっと生きています。長くはなさそうです。怒りを抑えられなかった後悔と申し訳なさで、生きるのが辛いです。
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責めずに、頑張ってきたご自身を大切に。
おさやさん お悩み拝読しました。お母様にお辛い言葉を言ってしまったこと、そして病気が悪化してしまったこと、今とても心が傷ついていらっしゃるのだと案じております。
介護申請、ケアマネ探し、夜のトイレの介助など全ておさやさんが引き受けてされてきたとのこと、それはとても大変なことです。バーンアウト状態になることは想像の範囲内のことであり、本来であれば他の家族や社会福祉士の方が助けるべきことだったろうと思います。お母様に怒りをぶつけてしまったことでご自身を責めていらっしゃると思いますが、どうぞ今は自分を責めずに頑張ってきたことを褒めてあげて頂きたいと心よりお祈りしております。
お母様が大腿骨骨折されたことも、おさやさんが怒りをぶつけたことが原因だと感じていらっしゃいますが、これは誰にもわからないことです。つい関連付けて考えてしまいますが、今はそのことも手放して頂き、ただ、お母様の安寧をご一緒にお祈りさせてください。
歳をとるということは、とても大変なことです。癌、認知症、骨折、肺炎、どれも特にご高齢であれば起きうることです。体全体が歳をとっていくのですから、いつ何時というのは誰もわかりません。だから、そばでお世話する方は特に辛い思いをするのです。それを一人で抱えてこられたのですから、お辛かっただろうと心からお察ししています。お母様も、そんなおさやさんを一番理解し、感謝していらっしゃると思います。今はお母様との時間を大切に、そしてもし、悔いが残るのであればお母様にお話ししてみてはいかがでしょう。誰にでも後悔はあります。でも長年一緒に暮らしていたお母様、一番におさやさんを思ってこられたお母様でしょうから、おさやさんの幸せを願っていらっしゃると思います。陰ながらお祈りしております。
お疲れ様です
よく一人でここまでやってきましたね。気持ちとは関係なくお勤めをしながら大変ですよ。
人生には、もしはないですからそれが全て。あなたのせいでもなんでもなく、そうなっているという事実を受け取るのみです。
言いすぎたと思ったらきちんと謝る。それだけのことです。
お母様もあなたに感謝しているはずですよ。ぜひ、ご自身の体のことも大切にしてください。そして、お母様のために出来ることをしてあげてください。
お兄様、お父様に頼めることがあればお願いしましょう。
質問者からのお礼
慈正様
この度は、私の悩みに目を止め、お言葉を頂きありがとうございます。
慈正様のご助言のおかげで、行きつ戻りつにはなりそうですが、抱え込んでいたもの、張り詰めていたものから抜け出せそうな気がします。
母はこれまで、自分のことよりも家族のために尽くし、特に私は色々あったので、ずっと気にかけてもらっていました。せめて晩年は、好きなことをして、自由に幸せになってもらいたいという心で介護をしていました。そして、どうしても伝えておきたい事として、母が大切な存在であり、大好きだということや、思い出話をしては、嬉しかったとか、ありがとうを繰り返し言葉にしてきました。母も、私が大事と言ってくれました。だからこそ、切なく、悲しくなってしまいます。
慈正様のお言葉で、母はきっと私のことをわかってくれていると思えるようになりました。大切な人との時間が目に見えて減っていくのは辛いですが、このかけがえの無い時間を大事にします。
邦元様
この度は、私の悩みに目を止め、ご助言を頂きありがとうございます。
介護制度を勉強し、父と兄に説明・説得するところから始めなければならず、とても孤独な戦いでしたので、邦元様の労いのお言葉を頂き、涙が出てしまいました。モラハラや暴力(首を絞められたり、骨折もしました)にも苦しんできましたので、頑張ったというお言葉は心に沁み入ります。
痩せ細っていく母を見るのは切ないですが、母が安心していられるよう、側にいたいと思います。