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願掛けの断ち物について

回答数回答 1
有り難し有り難し 7

こんにちは。
初めて質問させていただきます。

3か月ほど前、三年後の資格試験に向けてお菓子を断とう、と思い
神社で断ち物祈願をしてきました。

ですが、正直これからの三年間、お菓子を一切食べないという自信がありません。
お菓子の中に、自分が本当に大好きなもので、それを食べて今まで勉強を頑張ってきた、というお菓子が一種類だけあり、何よりもそれを口にできないことがとてもつらいです。

自分で願掛けをしておきながら本当に身勝手な甘えで、神様にも申し訳ないとは思いつつ、
もう一度参拝し、断ち物の内容を変更させていただくことを考えています。

例えば、今まで一切禁止していたお菓子ですが、1ヵ月に1度、自分の大好物を1つ食べるだけにいたします、などと、断ち物を途中で緩めることは可能ですか?

資格試験に合格したいという思いも強く、まだ始まったばかりの断ち物を変更したら不合格になってしまうのではないかと不安にも思っています。

やはり、私は意志の弱さに負け、神様を軽く考えすぎでしょうか?
今まで通り、この三年間は最初にした断ち物を貫き通すべきでしょうか?
ご教示お願いいたします。

2023年5月26日 16:06

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

神様を軽んずる云々では無く、自分自身とどう向き合うかの問題

断ち物という行為は、願掛けの一種です。

 御承知かと思いますが、願掛けとは神仏に願いごとをすることです。病気平癒,安産,縁結び,厄払い,商売繁盛などを祈る個人祈願が一般的ですが,雨乞いや日和乞いや豊作祈願など村落生活が順調に営まれるように共同で祈願する形式もあります。個人祈願の場合、お百度参り等の形式で神社仏閣に日参したり,水垢離や滝行などで自分を浄める行を行うもの、写経や絵馬などを奉納するものなどがあります。断ち物も願掛けの一種です。塩や酒など特定の食物や飲み物を一定期間絶つことを神仏に誓い、自分の願いの成就を祈願するものです。願掛け、そして断ち物は仏教や神道の儀礼と結びついていますが、基本的には民間信仰と言うべきものです。

 大河ドラマで戦国時代が舞台となることが多いですが、戦国武将たちは戦勝を祈願したり、敵と和睦したり、降伏した領主の領地を安堵したりする場合、、社寺に起請文を奉納し、神仏に約束を違えないことを誓ってます。この起請文も断ち物に近いものです。願掛けの一種と言えます。

 要は、モーテイベーションを高めるための行動であり、周囲にも伝えることで気の緩みを抑制するためのものと言えましょう。仮に、断ち物の約束を破ったとしても、お菓子を食べることが即神罰の対象とはならないと思います。但し、神への誓いへの本気度が問われてきます。尚、米断ち、塩断ち、五穀断ちなどの断ち物が古来から有りますが、これらについては短期間に限定すべきものだと思います。長期に及べば、むしろ健康を害します。お菓子の場合、絶ったからと言って健康を害するわけではないと思います。資格試験のため、自分の気持ちをコントロールして、モーテイベーションを高めることは大事です。理想論から言えば、最初に神様に誓ったからには、その誓いを守ることが望ましいと思います。3年間はちょっと長いかもしれませんが、1カ月に1回の割合にすぐ緩めるのも、ちょっとどうかなと思います。本気度が問われます。資格試験を本気に目指し、全身全霊を掛けて其れに臨むなら、年1回だけとするくらいの覚悟で頑張っては如何でしょうか?飽くまでも私の個人的見解ですが、目標達成のため好物は年1回元旦だけとしたら如何でしょうか?
資格試験は自分自身との戦いであり、自分の気の緩みに打ち勝つための戦いと言えます。健闘を祈ります。
 

 

2023年5月26日 18:15
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有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
ご回答を読ませていただきました。

私がどのような気持ちでこの断ち物を始めたのか、目的は何なのか、
初心をもう一度思い出すことができました。

願掛けとはそうしなければならないというものではなく、神への本気度を示すために自ら行うものだ、ということがはっきりと分かりました。
気を引き締めるためにお菓子の断ち物は続け、勉強にも全力を捧げようと思います。

貴重なお話を本当にありがとうございました。

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