手ごわい実母に対してのきりかえし方
私の実母のことについて聞いてください。
私の実母は85歳をすぎております。持病もなく、医者にもかかっておりません。認知症もなく、ただ、歳のせいで足が弱っております。(病院に行かなくてもよいほどです。)気が強く、言い出すと人の意見を聞きません。
私が「健康なんだから、部屋の掃除もしたり、運動もしたら?」というと、実母は「あんたの命令を聞くんだったら、死にたい。」と私を困らせます。実母は、私の動かし方をよく知っていて、「これを言ったら私が動くだろう。」という言い方をしてきます。そして、その通りに私が動いてしまうので、とても満足しているようです。
実母にぐずぐずと言われるのがとてもつらいので、なんでも実母の言うと通りにしてしまいます。私がなんでもしてしまうので余計に実母が甘えるようになって、全部頼ってきます。
どのような言い方をしたら、少しでも自ら動いてくれるようになるでしょうか? ご教授をお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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親孝行なされていますね
最近の日本は、親子の関係が崩壊していると言いますが、三匹の猫 さんは本当にお母様に尽くされているのが見て分かります。そんな、三匹の猫 さんだからこそ、お母様は頼りにしているのでしょうね。ここにこんな話があります。
明治天皇・皇后両陛下のお世話係(掌侍)として仕えた、税所敦子(さいしょあつこ)という人のお話です。
彼女は、28歳で夫と死別したあと、夫の母の世話をするべく、鹿児島に行ったのですが、そこには姑のほか、亡夫と前妻との間にできた子供が二人、さらには五人の子供を連れた弟夫婦が同居する大家族でした。
ことに姑は近所の人から「鬼婆」と、陰口されるほどの気性の荒い人で、敦子に対してはことごとに意地悪く当たるのです。しかし彼女はそれをじっと辛抱するばかりか、「まだ自分のお世話が行き届かないからだ」「自分に足りないところがあるからだ」と、自らに言い聞かせ、姑に仕えました。
酒好きな姑の食事は彼女自ら調理をし、また毎夜手洗いに行く姑のため、一夜も欠かさずローソクを持って案内するなど、心を尽くして姑に仕えました。しかしそんなある日、姑が彼女を呼び寄せ次のように言うのです。
「あんたは歌を作るのが上手だそうだな。今、この婆の前で一つ歌を作って見せてくれぬか」
「はい、いかような歌を作りますので」と、彼女は素直に応じました。
「それはな、この婆は、世間で鬼婆と言いますじゃ。それで、その鬼婆の意地の悪いところを正直に歌に詠んでくだされ」
しばらく熟考した後、敦子が短冊にしたためた歌。その歌を見せられて、鬼婆の心が瞬時に溶けてしまいます。敦子が姑のことを詠んだ歌です。
仏にもまさる心を知らずして鬼婆なりと人は言ふらん
短冊を手に取り、しばらく無言で見ていた姑は、ついに大粒の涙を流し、「今日まで意地悪のし通しじゃった。それほどまでにねじれきったこのわしに、仏にもまさるとは…本当にすまなかった。許しておくれ」と手をついて、心から謝ったそうです。
お母さんに孝養し、尽くすという点では三匹の猫 さんとまったく同じですね。人に心から尽くせば、素敵な結果が待っているかもしれません。
お母様は85才。
できれば、わがままをできるだけ聞いてあげて、ニコニコと一緒に過ごしていければ良いですね。
質問者からのお礼
アドバイスをいただきましてありがとうございます。
「親孝行」という言葉があり、自分ではそのような感覚ではなかったので、はっと気づかされました。
素敵なわかりやすいお話を書いてくださり、私と実母も後々にはこのお話のようになればいいなと思いました。
なるべく、一緒に過ごす時間をニコニコとお互いが気持ちよく過ごせるようにやってみようと思います。
本当にありがとうございました。