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父の死について

回答数回答 1
有り難し有り難し 5

数年前に父を病気で亡くしました。
父の命日が近づく度、思い返して悩んでいることがあり、誰にも言えず数年抱え込んでいます。

父の病気が発覚した時、私は進学のために既に実家を出ており遠地にいたため、闘病にはあまり付き添うことが出来ずにいました。

いよいよ症状が酷くなり、亡くなる直前に私も実家へと戻り、母と交代しつつ父の傍に居ました。

痛みや、症状のしんどさが増して「痛い痛い」と苦しんでいる父を見ていることが辛く、どうにか和らげることは出来ないのかとそればかりを考えていました。
それを相談したところ、鎮痛薬を入れることしか手段がない、という話になり、母はかなり迷っているようでした。

というのも、最終手段のようなもので、恐らく鎮痛薬を入れてしまったが最後、しっかり会話をすることが難しくなるかもしれないというような状況だったからです。

痛みが酷く身体を休めることすらままならない、と苦しんでいた父を見ていられず、最終的に私が母を説得するような形で鎮痛薬を入れることになりました。

鎮痛薬で痛み自体は落ち着いたのか、その後父はほとんど眠った状態で過ごすことになり、そのまま亡くなりました。

医学的な知識はないので、なにがどうなって父が亡くなったといった詳しいことまでは分かりませんが、鎮痛薬を入れるという選択を私がしてしまったことで、父はもっと頑張ろうとしていたのにその選択を奪ったのではないか、母はもっと父と話したいことがあったのではないか、あの選択が父の死期を早めたのではないか、と亡くなった日からずっと考えています。

あの時の私の選択が父を殺してしまったのでしょうか。
相談というより打ち明け話のようになってしまい申し訳ありません。
もし、可能なら、この悩みとしっかり向き合う勇気をいただけると嬉しいです。

2024年2月6日 21:14

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

尊厳を守っていることになる

なし 様 相談ありがとうございます。

まずは、遅くなってますが、お父様のことご愁傷さまでございます。ご冥福をお祈り申し上げます。合掌礼拝

そして、あなたが後悔のように思っている選択は、あなたが独りで選んだのではないと私は思います。お父様、お母様、医師を含めての判断かと思いますので、自分のせいとか、自分に責任があるように思わなくていいのです。死期を早めたということはありません。
おそらく癌の末期の症状かと思いますが、緩和ケアにおいて、いよいよという時に痛みを取ることは、意識の低下をまねき、最後の時が近くなることが多いです。それはお亡くなりなられる人の尊厳を守っていることになると思います。
のたうち回る痛みを最後にするより、穏やかに逝くことが本人も望んでいることでしょうから。

そして、あなたは後悔を抱えて辛く悲しい気持ちが続いているように思います。悲しい気持ちはあっても構いません。お父様とのこれまでを色々思い出して、沢山の感情に触れてください。泣いてもいい笑ってもいい、怒っていいし、愚痴を言ってもいいし、感謝を伝えてもいい。そしてお母様と感情を共有してください。「もっと話たいことがあったのでは」ではなくて、これまでの出来たことを、小さなことでもいいので、お母様と思い出しあいをしてください。
そうすることで、あなたも段々癒えてきます。お父様に「ありがとう」もいっぱい伝えられるでしょう。そして悩みに勇気を必要としていると思うあなたに、優しさが降り注いできて、もう大丈夫だよと声が聞こえてくるでしょう。
私はそう思います。

追伸:お礼メッセージありがとうございました。そうですねゆっくりお母様とお父様の話をしてください。温かで優しい雰囲気になると思います。
心は揺れますので、悲しかったり寂しい思いが湧き出て辛い思いが続くようでしたら、グリーフケアをいたしますので、遠慮なくご相談ください。この度のご縁に感謝申し上げます。再礼

2024年2月6日 21:59
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有り難し
おきもち

お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリン...
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質問者からのお礼

丁寧で優しいお言葉をありがとうございます。
尊厳を守った、という言葉を頂けて、とても救われたような気持ちになりました。

父のことについて、母と話すことはよくあるのですが、病気になってからのことは私自身このことが気にかかっていたこともあり、あまり話してきませんでした。

少しづつ、向き合いながら、母と、父の最後のことを話して行けるようになればいいなと思えたことで、少しですが踏み出せたような気がします。

ちょうど母と話す機会も持てそうなので、ゆっくり2人で父の話をしようと思います。
本当にありがとうございました。

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