0歳で死別した父のこと
自分は24年前に死別した父がいます。
生後丁度半年の日、事故で亡くなりました。
それから母は大事に育ててくれたと思います。
ですが子供とは残酷なもので、幼稚園の父の日に父親が来なかったりそういうことから私に父がいないと知って皆と違うという理由で幼少期は虐められたりもしました。
お墓が県外だったのでお彼岸は新幹線で移動するのですが、母が御手洗やちょっと買い物の時は1人だったし、子供心ながらに寂しかったですが言えませんでした。
大人になってから(大学生くらい)は、父方の両親から「息子のために払っていた学費を返せ」と今頃言われたりとか、お墓を移す話もしていたのですが「ありえない、お前は父方と母方どっちにつくんだ」なんて言われたりして、父親が死ぬ死なないにせよ自分って生まれなければ良かったのになあとか思うようにもなりました。
父方の苗字を名乗ってるせいで色々押し付けられるから、早く父方の苗字をやめたいから結婚してくれ。というプレッシャーもかけられたりして、自分さえ居なければすぐ辞めれたのに…なんても思います。
上手く色々なことを自分の中で消化してきたつもりですが、やはり急にふとした時に会社の男の人の家族の話や街にいる家族連れなんかを見て羨ましさからなのか、胸が締め付けられて泣いてしまう時がありますし、自分さえ居なければと思うこともよくあります。
もう24にもなるのに、大人げないですよね……どういう風に気持ちに向き合えばいいのか、何年経っても答えが出ません。
お坊さんからの回答 3件
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多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
同じ人を想うからからこそであり、親子・家族を実感できる時間に
寂しいですよね。事故は お父さまだって無念だったことでしょうし、お母さまも一緒に生きていく支えを失い、どれほど悲しく心細かったことでしょうか。
あなたの存在が希望であり、この世に夫が確かにいた証でもあるわけですから、あなたを全力で守り愛を注いで育ててこられたことだろうと思いますよ。
そんな事情も精神的サポートも無理解のまま、あなた方 親子に向ける心無い周りの態度に、傷ついてきたのですよね。本当に悔しく許せない気持ちですよね。もちろん、それ以上に、あなたは寂しい想いを感じてこられたでしょうし、お母さまも夫に会いたいお気持ちだったことでしょうね。
あなたも、お母さまも、似たようなお気持ちを抱えてきたのではないでしょうか。遠慮せずに、お母さまにお伝えしてみてはどうですか。「死んでほしくなかった。会いたい。そして、やっぱり寂しかった。お父さんにそばにいてほしかった」と、あなたの声を、お母さまも聞きたいのではないかしら。それは、お母さまを悲しませることではなく、同じ人を想うからからこそであり、親子・家族を実感できる時間にもなるように思いますよ。あなたが、どれほど ご両親から愛されてきたのか、感じてほしいわ。
一匹の動物、あなたの存在がお父様の成果
私には娘がおります。
あなたのご質問を見て、もしも私が亡くなったら娘にどう生きて欲しいかを考えてみました。
答えとしては、思い悩まずにアッケラカンと、お気楽・極楽に、死ぬまで生きて欲しいなと思いました。
では、そのためにどのような考え方をしたら良いでしょうか?
私は野生動物のドキュメンタリー番組が好きでよく見ていました。
人間は悩み過ぎるので、私は時々、一匹の動物に立ち返ったような気分で人生を考えてみたりします。
動物には様々な親子関係があります。
ウミガメは最初から親の顔を知らない。
小鳥は、巣立ったら親との関係は無くなる。
一匹一匹、親子関係は様々です。
あなたにはあなたの家族関係があり、他人と比較する必要はありません。
あなたは今、無事に巣立った鳥の状態です。
あなたが大人になれたということは、お母様の子育てが完了したと同時に、お父様の子育ても完了したのです。
ウミガメの親は卵が羽化する瞬間を見られませんが、卵が羽化したら親の仕事の結果が成功したことになる。
そのように、時を超えてあなたが成人したという結果が、お父様の生命の果実・成果として今まさにここにあるのです。
お父様というロウソクの火はお父様が亡くなった時に終わったのではなく、あなたという新しいロウソクに確かに引き継がれた灯火なのです。
父を亡くした喪失感と、自分の存在への揺らぎに向き合う
ご相談を読んで、とても長い間ひとりで抱えてきた苦しさが伝わってきました。
1. 「生まれてこなければよかった」という思いについて
辛い出来事が重なると、自分の存在そのものを責めてしまうことがあります。でも、あなたが「いてはいけない存在」だったことは一度もありません。お母さまがあなたを大切に育ててこられたこと、そしてあなたが今こうして悩みながらも生きていること自体が、大きな意味を持っています。「自分の存在が周囲に負担をかけた」という感覚は、長年の経験から刷り込まれたものですが、実際には「あなたのせい」ではありません。
2. 胸が締め付けられる瞬間への向き合い方
街で家族連れを見たり、会社で家庭の話を聞くと、どうしても羨ましさや悲しみが込み上げるのは自然な反応です。その感情を否定せず、「私はこういう経験をしてきたから、そう感じるんだ」と受け止めてみてください。涙が出るのも、心が健やかに反応している証拠です。
3. 気持ちの整理に役立つ方法
・言葉にする
思い出や悔しさ、父への気持ちを日記に書いたり、信頼できる人に話したりすることで、少しずつ心が軽くなります。
・象徴的な区切りを作る
お墓参りやお花を供えるなど、「自分の想いを伝える儀式」を持つと気持ちに整理がつきやすくなります。
・今を支えにする
「自分さえ居なければ」と思うときは、「自分がいるから喜んでくれる人(母や友人)」に目を向けることが、心を保つ助けになります。
4. 自分に優しくする視点
あなたは「もう24なのに」と責めておられますが、喪失の痛みは年齢で消えるものではありません。むしろ、大人になったからこそ「本当はこんな経験をしたかった」という理想が鮮明になり、改めて痛みを感じることがあります。それは心が正直だからこそであり、弱さではありません。
あなたが感じている苦しみは、長い年月を経ても自然に湧き上がるものです。無理に消そうとせず、「私はこう感じてもいい」と受け止めながら、自分を労わることが大切です。そして、これまで背負ってきた思いを少しずつ言葉にしていくことが、心を和らげる第一歩になります。
合掌