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ひよこを殺してしまったかもしれない

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有り難し有り難し 3

私たちの学級ではいま非公式にですが有精卵を育てています。孵卵器がまだ届いておらず、虫かごのそこにヒーターを敷き、その上におがくずをたくさん入れて、その中に卵を入れて温めていました。
卵を付加させる際、転卵と言って、時々卵の向きを変える必要があるのですが、私がその作業をしている際、誤って一つの卵を割ってしまいました。おがくずの上に卵が出ていたので、中に入れてやろうとしたに少し押し込んだところ、圧力のかかり方が悪かったのか、指が卵の中に割り入ってしまい、卵が割れてしまったのです。
決して故意ではなく、完全な過失だったのですが、これから生まれてくるかもしれない卵を割ってしまったという罪悪感に苛まれてしまいます。先生にはちゃんと事情を説明して、みんなにお許しもいただいたし、実際孵化する可能性は低いだろうから、気に病むことはないといわれたのですが、どうしても申し訳ない気持ちが消えません。
また、卵が割れたときの感触も指に残って、いまとてもつらいです。
この後この罪悪感が晴れたとしても、そのあとほかの卵が孵化したらと思うとやり切れません。どうしたらよいでしょうか、助言をお願いします。

2024年9月3日 17:46

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「ひよこ」があなたにいろんなことを教えてくれています!

あなたの大切な相談をこのhasunohaに投稿してくれて、有り難う。返信を色々考えていたら、遅くなってしまいました。思春期で感受性の強いこの時期、あなたが今回の出来事で、とても辛い気持ちを抱えていることがよく伝わってきました。

新しいいのちの誕生を夢見ながら世話をしていたのに、そのいのちを自分が奪ってしまったかも知れないと思うと、もう居ても立ってもいられなくなりますね。ひょっとすると、夜も中々眠れず受験勉強も思い通りに進んでいないかもしれませんね。悲しい気持ちや罪悪感に苛まれながら、でも必死にこのことをどのように受け止めたらよいのかと、hasunohaに投稿くださったのですね。私自身、あなたの投稿を読んで心が震えました。こんなにいのちに真っ直ぐな青年がいるのだと。そして、少しホッとしています。この悲しい出来事を、先生にもクラスのみんなにも正直に話ができて、それを受け止めてくれる仲間がいたことです。

でも、申し訳ない気持ちが残っているのですね。そこで、新しい提案です。「ひよこのお葬式」をしてみてはいかがですか?びっくりされるかもしれませんが、お葬式とは大切な方との別れに際し、悲しみを始めとする様々な感情を縁ある人と分かち合おうとする儀式です。そして、その悲しみを抱えながらも、大切なことを学び取ろうとする始まりの儀式です。クラスで育てていたということは、先生もこの飼育を通してあなたたちに様々な体験をさせて、いのちについて様々なことを学んで欲しいとの願いをお持ちのはずです。授業中に少しの時間をもらって、hasunohaで相談したことも紹介し、改めてあなたの気持ちやそこから学んだことを言葉にし、仲間や先生からの言葉をもらってください。この体験をあなた独りだけで終わらせずクラスのみんなで分かち合うことが出来たら、それこそかけがえのないいのちの学びになると思います。
そして、この経験を経たあなたたちは、一つひとつのいのちに対してその尊さやはかなさを真っ直ぐに見つめ、考えることが出来るようになるでしょう。同じように、新たないのちを生み出すお仕事の方々へ尊敬の気持ちを持てるようになるでしょう。きっと、心の優しい大人に成長できるでしょう。この悲しい経験は、あなたの人生をより深く広い世界へ導いてくれると確信しています。
これからも、hasunoha一同あなたの歩みを応援しています。

2024年9月4日 9:20
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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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質問者からのお礼

ありがとうございました。
助言をいただいた通り、授業中に、というわけにはいきませんでしたが、放課後機会があったので、先生とその場にいた数人で「ひよこのお葬式」をさせていただきました。
まず、今回の事故が起きてしまった私の不注意を述べ、その後、割ってしまってから感じた罪悪感と、命の重さについて感じたことを話してみました。
先生には「そこまでしっかりと受け止めてくれたなら大丈夫。ひよこもきっと許してくれるよ。」と言っていただきました。
私たちの学校は仏教の学校なので、そのあとお経を唱え、ひよこの成仏を願いました。
「ひよこのお葬式」をしたことによって、どうしようもない責任を、今できる最善の形で負うことができたと感じ、罪悪感は残りますが、強い自責の念は和らぎました。今回の件で、命にかかわる作業をするときには、これまで以上に細心の注意を払う必要があると認識しました。
ご回答のおかげで、なんとかやっていけそうです。本当にありがとうございました。

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