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亡くなったペットは傍にいますか?回答受付中

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6年前に迎えた1羽のうさぎについてです。
先週、体に腫れている部分があり受診した所、癌かもしれないとのことで去勢手術をすることになりました。事前にリスクの説明はありましたが、まあ大丈夫だろうと手術当日も特に声をかけることなく頭を撫でて送り出しました。
その後手術自体は成功したものの、麻酔から目覚めることができず、蘇生も叶わず亡くなりました。
思わぬ別れに涙が溢れて止まりません。
思い出しては泣き、泣き止んでも不意に涙が出ます。
魂は49日まではお家にいるということですが、今もあの子は傍にいるんでしょうか?また、49日を過ぎてしまったら、傍にはいないのでしょうか?
お答えいただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。

2025年5月23日 1:11

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

縁起~縁(無数の条件)に依って起こる関係をいただく

ご相談拝読しました。思いがけない突然のお別れに、戸惑いや悲しみの深さはいかばかりかとお察しします。

さて、仏教でも宗派により様々に考え方は異なります。あなたにあったものが見つかりますように。

中陰(亡くなってから49日までの期間)というものを想定する宗派であれば、それまではまだ次の境界が定まらず、だからこそ次の境界が善きものであるように追善をして冥福を祈るという意味での追善供養を行います。また、49日を経て、もしも次の境界が苦しみが多いものならば大変なので、やはりさらに追善供養を続けていくことになります。

浄土真宗はこの考え方に依らず、亡きいのちは49日をまたずして直ちに阿弥陀仏の極楽浄土に生まれ、そこで仏様になり、今度は私たちを導くために還ってくるという教えです。よって、亡きいのちを偲ぶ気持ちを通して私たちの方が仏様の教えに触れ、自分のいのちを見つめ直すという意味での供養(讃嘆供養)を行います。

このように色々な考え方がありますが、大事なことはあなたにとってそのウサギちゃんは今、どのような存在であるかということなのだと思います。

結局は残念ながら亡きいのちが実際にどうしているのかをこの目で見て確かめることはできません。でも「私にとって」という自身の受け止めを確かめ続けていくことはできます。

 ウサギちゃんの冥福を祈るという形があなたにとって、これからもその存在を傍に感じられるものならば前者が合うかもしれません。
 あるいは、ウサギちゃんの存在とその命終を通してあなたが自己を見つめ直すところにウサギちゃんがあなたを導く仏様のような存在として傍に感じられるならば後者が合うかもしれません。

けして結局は捉え方次第という様なご都合主義ではなく、あなたの今にウサギちゃんがどう活きていくのかを確かめるところに見出される問題です。

仏教では「魂」というその「存在の本体」のようなものを認めません。存在は無数の関係・条件(縁起といいます)によって成り立つと見ます。

目に見える身体という条件は失われても、あなたとウサギちゃんの関係が全く無くなってしまったわけではないでしょう。条件が変わり、あなたとウサギちゃんの関係も変わるのです。どう変わるのかはあなたが確かめてください。

2025年5月23日 10:31
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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
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