愛犬の寿命が尽きるまでの心のもちよう回答受付中
11歳半の柴犬がいます。
1年半前に癌と診断され、余命280日〜450日と宣告されました。
治療がうまく行き、宣告された日を過ぎても割と元気に過ごしていました。
GW明けから、食欲が落ち、便が緩くなるなど、症状が出て、元気がなくなって来ました。
検査結果も、急に数値が悪くなっていて、もうなす術がないと言われました。セカンドオピニオンで癌専門医の受診の手配はしていますが、愛犬に負担のかかる検査や治療はしないつもりです。
歳のせいもあるとは思いますが、明らかに元気がないので、辛くて辛くて。愛犬や家族の前ではなるべく普段通りにしているのですが、今も布団に入ったら、涙が抑えられなくなりました。
悪いと1ヶ月で、、、ということもあると言われました。この時間をどのように過ごしたらいいのでしょうか。頑張ってくれた愛犬には感謝しかないけど、でも、早すぎる。
辛い、悲しい、不安ばかりだと、愛犬も不安だと思いますが、こういった状況の時、どんな心構えでいたらいいのでしょうか。
お坊さんからの回答 2件
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家族の温もり・声は、どれほど心強く安心か。寄り添って過ごして
お辛いですよね。目の前で力弱くしんどそうにしている姿を見ながら、どうしてやることもできない無力感にも、悲しくなりますよね。
考えたくないけれど、別れが近づいているのかもしれないと思うと、胸が苦しくなりますよね。
病は避けられず、いつかは命も尽きる日が来るのが、この世です。だからこそ、精一杯に生きるし、忘れないでいたいと愛するのです。
病の中で、家族の温もりはどれほどの安心でしょう。家族の声はどれほど心強いでしょう。
どうぞ、心穏やかに生き抜けるように、最期まで寄り添ってあげてくださいませ。それが、愛犬にも家族にも、忘れられない記憶となり、これからの人生をも支えてくれるでしょう。
別の生き物として可愛がる
仏教的には、若く元気だった時の愛犬と現在の愛犬は別の生き物(新しい生き物)なのです。
ただ、記憶や名前を継承しているから同一の犬だと思っているだけなのです。
たとえば、自分で走れる犬と、動き回れない植物とは全く性質が違いますが、植物を大切に育てている人もいます。
植物に毎日水をあげたり、芝生であれば雑草を駆除したり、桜の木であれば落ち葉の掃除や毛虫の駆除ををしたりする必要があります。
生まれ、老い、病み、死ぬという変化はどんな生命にもあります。
老いて病んで動けなくなった愛犬にも、手塩にかけた盆栽のように手入れをして可愛がることが可能です。
違うタイプのペット(犬から盆栽)に生まれ変わったのだとしたら、子犬には子犬の世話の仕方、盆栽には盆栽の世話の仕方があります。
我々にできることは、今できることをできる範囲でやるだけなのです。
あとは、南無阿弥陀仏と念仏を称(とな)えて、いつか亡くなったときには阿弥陀仏の救いの光明に照らされて極楽浄土の菩薩様に転生できるように願いましょう。
極楽浄土には動物(畜生)はいないとされているので、前世が犬でも極楽浄土に往生したら光り輝く菩薩様の姿に転生するとされています。
その菩薩様には、前世の犬の記憶も引き継がれ、神通力によってはるか昔からの前世の記憶を思い出せるとされています。
夢物語のような説ですが、
なむあみだぶなむあみだぶ
と念仏することは私達にもできるささやかな祈りです。