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お寺は怖がられているのか?

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有り難し有り難し 5

 いつもお世話になっております。私が尊敬する科学の先生の
SNSを見ていたら、
「最近、このような漫画の科学監修をお勤めしました」
とご報告されていました。

 読んでみると、カルト教団の集落(「宗教村」と呼ばれている)
が舞台の話でした。
 宗教村では、「人は必ず死ぬから、進んで死んで星になろう」
という教義を信者に説き、毎日少なくとも一人は信者が死ぬそうです。

 漫画のワンシーンが載っていました。結婚式で、新郎新婦が
導師の指導の下自殺し、観衆の信者が「おめでとう」と熱狂して
いました。
 かなり強烈なシーンだったので、詳細説明は割愛します。
 そのご投稿は、8月初旬です。9月下旬となった今でも、私は
そのシーンを思い出して胸が痛くなります。思い出して不安になり、
穏やかにお寺でお祈りができないこともあります。

 先日「自分を病気と思うと甘えが出る」と祈願寺で言われた
ときも、この「結婚式で星になる」シーンを思い出し、
「私を医療から遠ざけて『星にする』つもりか」
とパニックになりました。
 のちに祈願寺に苦情を入れ、他の職員さんが陳謝して
くださいましたが…

 楽しいSNSのアカウントを見ていても、望まぬ広告で
カルト教団を舞台とした漫画の広告が表示されることがあります。

 苦しいです。お寺をはじめとした宗教は、世間様から
このような「人殺し」「搾取」「自殺助長」などといった
印象を持たれているのか。と思ってしまいます。

 しかし、こちらの先生と同じ組織のお仕事仲間さんの
アカウントを拝見すると、「○○神社へ行った」「僕は、
神社にもお寺にも初詣をする」といった書き込みを
なさっている方もいらっしゃり、先生ご自身も、
「御徒町付近には仏具のお店がダンジョンのように広がっていて、
そこをめぐってみるのもいい」
とおっしゃっています。

 そういったご投稿を拝読して心を落ち着けていますが、不安が
拭えません。先日も似たような質問を投稿しましたが、あまり
にも「宗教村」の「星になる」話が鮮明すぎたためかなかなか
ご回答がつかず、新たにオブラートに包んでこのように投稿
しています。

 お寺は、私たちは、世の中から怖がられているのでしょうか?
「命を軽んずる怖い人たちだ」と思われているのでしょうか?
今も、宗教村の「星になる」シーンが思い出されて辛いです。

2024年9月27日 17:57

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

その「宗教村」は何をさしているか。

こんにちは。
浩文(こうぶん)と申します。

読んでいないので分かりませんが、
なんとなくその漫画を文章からイメージしてみました。

おそらくですけど
その「宗教村」っていうのは世の中全般を指しているのではありませんか。

質問者さんは「お寺とか神社、現実に宗教団体なるものが、こんなカルトなものなんですよ~怖いでしょ~~」ということを言いたい漫画なのだと思われましたか?

でもなんか
”宗教村では、「人は必ず死ぬから、進んで死んで星になろう」
という教義を信者に説き、毎日少なくとも一人は信者が死ぬそうです。”

それ、お寺とか神社とか宗教団体に限らず、
世間一般的に現実に起きていることではありませんか?

”結婚式で、新郎新婦が
導師の指導の下自殺し、観衆の信者が「おめでとう」と熱狂して
いました。”

実際には、職場や家庭や親族や友人や、色んなところで
「やりがいを持って働こう!」
「子どもにやさしいパパママになろう!」
「プライベートも充実させよう!」

こういうのって本当は各々自主的であるからこそ尊いのに
あっちもこっちも
「〇〇になろう!!」の宣伝ばかりで

中にはそういう雰囲気にあらがえず
望まぬことをついつい頑張ってしまう人も多いと思うんですね。
文字通り「自分(の人格)を殺して〇〇になる」状況です。
後になって周りに自分の気持ちを吐露しても
「そんなんでどうするんだ。早く良くなって職場に(学校に)復帰しよう!」
とかね。もともと悪くないんですけどね。

『自分を殺さないとこの世界にはあなたの居場所はないよ。』

そういう社会の状況を
その漫画は「死んで星になる」って表現したんじゃないでしょうか。

すなわち、「社会全体がじつはカルト宗教化してるんじゃないの?」という提言ですね。
これには、国のせいだ、いや〇〇世代のせいだ、〇〇主義のせいだとか言うわけではなく。

宗教は、万能ではありません。
人が扱う限り不完全なもので、ときに危険なものです。
そしてお寺や神社、宗教団体に限らず、いたるところにそれは潜んでいます。
しかし、生きている限り必要とするものでもあります。

私たちお寺や神社に関わる者は
よくよくその功罪を見極めていきましょう。
教えは、元々そのためにあるのですから。

重要な示唆を与えてくれる作品ではないかと思います。

南無釈迦牟尼仏 合掌

2024年9月28日 6:55
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有り難し
おきもち

吉井浩文
Buddhism. knowing what it actually i...
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質問者からのお礼

【吉井浩文 先生】
 お返事いただき、ありがとうございます。似たような漫画に、
「国から捨てられた人間を、国が隔離する島がある。この島に
隔離された元国民は、人権を剥奪される」
という内容のものがあります。この漫画も、
「弱いやつを排除する社会」を風刺しているのでしょう。
作者が同じかはわかりませんが。
 宗教村にしろ、人権のない村にしろ、ご興味が湧いてお読みに
なる際はご注意ください。私は、その結婚式のシーンが今でも
フラッシュバックし辛くなるほどなので、人によっては精神を
患います。

 宗教家の先生のお言葉で「宗教は万能ではない。時に危険」という
お言葉を聞くことができ、安心しています。
 こちらの先生は、
「宗教自体は悪いものではないと思う。でも、悪用する人が
多すぎるので、基本的に宗教的な話をする人は悪い人だと
思って対応方法を考えておきましょう」
と促しています。

 宗教は本来、人の心身に安全な安らぎを与えるものと
認識しています。
 危険や死を誘発するような事、神通力ですべてを解決できる的な
ことを言っている僧侶等がいたら、その人からは離れます。
例:「病院に行くな」「薬を飲むな」 「瞑想で病気が治る」

 科学(理科)を学ぶことは、この世の理を学ぶこと。
「理(ことわり)」を「学ぶ」から、「理学」。理科を学ぶことも、
仏道修行ととらえています。

望まぬことを頑張ってしまう…
これに関しては、こちらの
先生は、Xやポータルサイトで
「背伸びしようが逆立ちしようが
届かないものを求めるのは無益。
自分の『できること』を精一杯
やって結果を出すのが人生だろう。
ヒトができることなど限られて
いる。子供に『無限の可能性』
なんて説くのは残酷だ。本当の
問題は、適応力だ」
「自分の座右の銘は、『できる
ことを、できるひとが、できる
ときに、できるだけやる』と
いう言葉だ」
とおっしゃっています。
私は、これらの言葉に救われ
ました。

あぁ…思い出したら具合悪く
なってきた。クエチアピン
(向精神薬)飲みます。

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