やる気が出ず、頑張れなくなりました
学生時代から大学にかけて、スポーツや学業、友人との交流に全力を注ぎ、常に自分を高めることを目指してきました。社会人になってからも仕事に打ち込み、社長賞を受賞するなど順調にキャリアを積み、家庭でも夫婦仲は良好でした。
しかし一年前半、別々に住む実家の母が自ら命を絶とうとしました。
幸い救急隊や病院の方々のおかげで一命を取りとめ、今は元気にしています。
なぜ母があの時、自殺を図ったのか。直接聞くことはまだできず、答えを探りながら自分自身を振り返る日々です。
─あの頃の私は、仕事に夢中になるあまり家族(や母)と過ごす時間をないがしろにしていた。
─母は長男である私が子を授かり、その成長を見るのを楽しみにしていたのではないか。しかしなかなか子どもを設けず、期待を裏切った気持ちにさせていたのではないか。
そんな後悔が、次第に
「仕事ばかりして何になるのか」
「家族を顧みない働き方に意味はあるのか」
という疑問に変わっていきました。
その結果、以前のような情熱を持てず、どこか一歩引いた形で仕事に臨むようになりました。
これまでは昇進という目に見える成果を追い求め、それを「親孝行」の一形態だと思い込んできました。
プライベートでも健康維持のために運動を続け、モチベーションを維持してきました。
40年近く「頑張り続ける」ことを一種の美徳としてきた自分に対して、いま強い虚無感があります。
大切なものは何も手に入れられていない、残っていないという気になるのです。
これまで体も壊しながら頑張ってきて、ここまでしか来れないのであれば、この先も頑張っても意味はないのではないかと考えてしまいます。
この先も同じように頑張り続ける意味はあるのか。
会社の上司、同僚からの評価は下がっても、焦らず自分のペースで仕事をしていく。もしくは、仕事や、何か社会に貢献できると心から打ち込めるものが見つかるまで待つべきなのか。
どうすればよいかわからなくなってしまいます。
今の私に必要なのは、無理やりにでも奮い立たせることなのでしょうか。
それとも、しばらく立ち止まって自分の気持ちを見つめ直す時間なのでしょうか。
お坊さんは、燃え尽きたり頑張れないときはあるのでしょうか。そんな時はどのような心持になっているのでしょうか。
様々なお坊さんからのアドバイスを頂けると嬉しいです。
お坊さんからの回答 1件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
人の数だけ世界もあります。広い視野を描いていこう。
思い過ごしですよ。まず、お母さんの行動は、あなたへの過度な期待だったのでしょうか?親は子を想う存在です。親子の時間が減っても、それだけ息子(あなた)が自立して働く頼もしい大人になったということ。孫の存在も、女性なら妊娠出産がどれだけ責任を伴い、容易なことではないと知っていますよ。お母さんの希望に沿わないことだけで、自殺を図るとは考えにくいです。お母さんの年齢的に、更年期で体質やホルモンバランスの崩れ、また周りの環境も変化もあったことでしょう。理由はわからないこと。あなた自身を責めても仕方がありません。
ですが、親を失うことを考えると、とても心配で二度と起きてほしくないと考えてしまいますよね。だから、あれやこれやと悩んでしまうのですよね。
気を遣い過ぎて避けるよりも、気持ちを確かめる関係を大切にしませんか。なぜだったのかと原因を聞くのではなく、コミュニケーションを重ねるのです。最近どう?体調や気持ち、日頃のこと、子どもの頃のように親に甘えるのもいいと思いますよ。なんでも言える関係が、気持ちを楽にしてくれますし、一人追い込んでいくこともなくなります。
社会で評価されることだけが、あなたの価値とは限りません。あなたが生きている世界は、会社内だけでもなく。世界は広い。知らない世界もまだまだたくさんあるでしょう。人の数だけ、人生経験も世界もあります。だから私は、多くの人に出会ったり、いろんな人の話を聞くのが好きです。広い視野を描いていけるからです。自分のペースは、今に合わせて自分で決めていけばいいのですよ。継続していけることがマイペース。
質問者からのお礼
中田 三恵さん、ご回答ありがとうございました。
ご回答をいただいてから時間が経ってしまいました。お礼の返事が遅くなり申し訳ございません。ただ、ご回答をいただいて方の3か月間弱、ご回答を思い出しながら救われた場面が多々ありました。これまでこの悩みについては自分での解決に向けての思考が行き詰まっていましたが、おかげさまで少しずつですが前進できている気がしております。
本当に、ありがとうございました。
ご回答の書き出しの、「思い過ごし」という言葉で"はっ"と致しました。
自分で勝手に背負いこんでいたこと、そしてそれは思い込みで、誰かに「そうではないよ」と言ってもらうのを待っていた自分に気づくことが出来ました。
誰にもしっかりと相談できる内容でもなく一人で抱えていて苦しかったのですが、気持ちがだいぶ落ち着きました。ありがとうございました。
中田さんからご回答をいただいた後、家族との連絡を以前よりも丁寧に、頻度高くとるように心がけました。これまで親と連絡を取ることがどこか恥ずかしかったりしていましたが、今、親と話すことができる大切さを改めて噛みしめ、しっかりと親と向き合う時間を、少しづつですが増やしてきました。
もっと連絡を取るようにしたいと思っていますし、今の目標はいつか会っている時にそういう深い話をしてみたいです。
仕事に対する姿勢も、もう少し自分と向き合ってみようと思いました。
上司にいい評価をもらうために、成果を求めるために仕事をしているところから、もう一つ進んで、「自分が社会に何が貢献できるのか・どう役に立てるのか」「自分は何をしたいのか・何に本当に価値を感じるのか」、自分が生きていく上での信念を基に、仕事を手段として活用していきたい、とそういう風に考えるようになっております。
結果、周りから評価されることにはなりますがそれはそれで受け止めていこうと思います。
中田さんから頂いたご返信を基に今このように考え、日々生きております。
また悩み、壁にぶつかると思いますが(ぶつかっている気もしておりますが)、その際はまたご相談にのっていただけますと幸いです。
この度はご回答、誠にありがとうございました。