現在を生きる気力が欲しいです回答受付中
先頃、30代後半にして子どもの頃から憧れていた仕事に就くことができました。それ自体は、本当に嬉しいことでした。
しかし、その頃からこれから遠隔地の親の介護をどうしようとか、どう看取ろうとか、一人暮らしの自分は病気になったらどうしようとか、どこでどう最期を迎えようとか、そういう心配事が頭から離れないのです。今まで目標ばかり追いかけてきたばかりに、そこへ辿り着いたらこれまで目をつぶってきたことが急に気になってきた感じです。そればかり考えていると、これまで面白く感じていたドラマや漫画などが面白くなく感じたり、好きだった旅行に行っても気分が高揚しなくなったり、美味しいと感じていたものがたいして美味しく感じなくなったり、気持ちが動きにくくなってしまいました。先のことは気になるのに何事にも関心が向かず、「また今日も終わってしまった・・・」などと後悔してしまうことが多いです。
先のことを考えすぎずに今何かしたい、と思います。けれど、どうしても考えの転換が出来ずにいます。どうしたら現在に向き合って、またいろいろなことに興味関心を持てる毎日になるでしょうか。宜しければ、お話を伺わせてください。
田舎から上京してきました。一人暮らしです。
お坊さんからの回答 2件
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未来への不安に囚われたとき、今を生きるために
目標としていた仕事に就かれたこと、本当に大きな成果だと思います。
その一方で、「親の介護」「自分の老後や病気」「最期の迎え方」といった不安が押し寄せてきて、楽しさを感じにくくなってしまったとのこと。これは決して弱さではなく、人が人生の節目に立ったとき自然に生まれる心の反応です。
仏教には「生老病死」という四苦の教えがあります。避けられない不安に目を向けたとき、心が重くなるのは当然です。ですが、未来に心を奪われすぎると「今ここ」が失われ、喜びがかすんでしまいます。
まずは「不安を消す」のではなく、「不安と距離をとる」ことを意識してみましょう。例えば、通勤中に「今、歩いている」「風が心地よい」と実況する、食事の際に「この一口の味」に集中する。そうした“今”を切り取って味わう実践が、不安に支配されない第一歩となります。
また、大きすぎる未来に思いを巡らせるより、「週末にどこを散歩しようか」「次は何を食べようか」といった“小さな未来”に意識を切り替えてみてください。達成できる小さな楽しみが積み重なると、心に再び彩りが戻ってきます。
趣味や旅行が以前ほど楽しく感じられないのも、感性が壊れたのではなく、心が疲れて反応が鈍っているだけです。「楽しむべきだ」と無理せず、「ただ体験する」つもりで関わると、少しずつ自然な喜びが戻ってきます。
未来を思うのは大切ですが、あなたの人生の質を決めるのは「今の一息・一歩・一口」の積み重ねです。どうぞ小さな今に立ち戻りながら、心を労わってください。
合掌
あなた自身でじっくり考えてみましょう
拝読させて頂きました。
あなたは今まで自分の目標に向かって脇目も振らず一生懸命に生きてきて憧れていた仕事に就くことができたのですね。ふと気がつくと今まで置き去りにしていたことや将来のことが気になってしまって、今までのように豊かに楽しく感じられなくなってしまったのですね。詳細なあなたのことや周りのことや人達のことはわからないですけれども、あなたがとても不安や心配を抱えて生きていらっしゃることは伝わってきます。あなたのお気持ちを心よりお察しします。
確かにふと気がつくと今まであまり向き合ってこなかったことや考えることも避けていたことが急に頭の中によみがえってきてとても揺さぶりをかけられるような気持ちになってしまうことはあります。
人生の中での一つのサイクルかもしれませんし、揺り戻しが働いているのかもしれません、或いはあなたがそれだけ経験なさってきた証なのかもしれません。
もしかしたら一つのきっかけかもしれませんし、あなたが自らを見つめ直す時期に来ておられるのかもしれません。
その方向性や答えや道筋はあなた自身でしかわからないですので決してあわてることなく少しじっくりと考えてみるのもいいかもしれませんよね。
改めて見直していけば幾つもの選択肢があるでしょうし、その選択もタイミングや時期やあなた自身の意志や能力にも関わってくるでしょう。
今すぐに全てを答えを出して決めていくこと
ではなく、落ち着いてじっくりとあなた自身の未来や生き方を見直していきましょう。
あなたがこれからの未来にしっかりとお向き合いなさり、あなた自らが本当に目指し求める生き方や人生を歩んでいくことできますよう切にお祈りさせて頂きます。
そしてあなたを心より応援させて頂きます。