「自分のために」「自分らしく」とは
こんにちは。いつもお世話になっています。
境界性パーソナリティ障害者(BPD)です。他にも併存精神疾患あります。
自己否定が強く、自分の弱さを受け入れられず生きづらさを感じています。
自分を大切にする、とか自分らしく生きる、といった自己概念の確立が出来ません。
周囲の意見や言葉などの影響から、すぐブレる自分がいます。
なにかアドバイス頂けませんでしようか?宜しくお願い致します。
お坊さんからの回答 3件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
「自分のために」「自分らしく」とは
ご相談ありがとうございます。
「自分のために生きよう」「自分らしく生きよう」
そう言われると、少し息苦しさを感じることがあります。
だって、“自分らしさ”ってなんでしょう。
考えれば考えるほど、かえって見えなくなってしまう。
そのときの気分や状況で変わっていくものだからです。
昨日の私は強くいられたけれど、今日は少し弱っている。
誰かの言葉に揺れたり、急に自信をなくしたり。
でも、それもちゃんと「自分」です。
“自分らしく”という言葉を追いかけすぎると、
まるで“正しい自分”を演じなくてはいけないような気がしてしまう。
それは一種の呪いのようなものかもしれません。
けれど、“日々是好日(にちにちこれこうにち)”という言葉のように、
どんな日も、それがその日の「自分」なんです。
晴れている自分も、曇っている自分も。
全部ふくめて「いまを生きている」あなたです。
周りの意見に影響されて、心がぶれることもあるでしょう。
でも、ぶれていいんです。
人はもともと、風にゆれる木のようなもの。
まっすぐに立っているように見えても、
内側ではいつも、風の向きにあわせて少しずつ形を変えています。
だから、「これが私らしい生き方」なんて、
決めなくていいし、決められなくてもいい。
良い自分も悪い自分も、どちらも“あなた”です。
“自由自在”とは、何にも縛られずに生きることではなく、
どんな自分であっても許しながら進むこと。
今日の自分を責めずに、「これでいい」と言ってあげられたとき、
少し心が軽くなっていくのだと思います。
じゃあ、消去法で
浄土宗では南無阿弥陀仏と念仏を称(とな)えて極楽浄土に往生することが人生の第1目標なので、最悪、念仏さえ称(とな)えられていればあとはどんな生き方でもOKなのです。
とはいえ、できるなら五戒を守った方が良いとされます。
殺さない、盗まない、嘘つかない、不倫しない、飲酒しない。
完璧に守れなくてもとりあえず努力目標。
以上。
それ以外は、あなたは好きに生きて良いのです。
さらに修行したい(極楽での成仏を早めたい)なら、六波羅蜜という修行をする等の条件を加えても良い。
まず念仏、次に五戒その他の修行。
それ以外はどうぞご自由に、やりたいことをやって大丈夫です。
揺らぐ心を受け入れる
あなたの言葉からは、深い誠実さと自己洞察が伝わってきました。
「自己否定が強い」「自分を大切にできない」「他人の言葉でブレてしまう」
それは、あなたが“必死に自分を理解しようとしている”証ではないでしょうか。
仏教では、このような苦しみを「心が目覚めようとする前触れ」と呼びます。
1. 「ブレる自分」は、弱さではなく“繊細さ”
他人の言葉に影響されやすいのは、心が鈍いからではなく、感受性が高いからではないでしょうか。
BPDの方は、相手の感情を鋭く察知する一方で、自分の輪郭を保つことが難しくなります。
仏教でいう「無常」すべてが移ろう世界を心が敏感に感じ取っているのです。
それは“壊れている”のではなく、“世界を深く感じ取れる力”なのです。
2. 自己否定の正体は、「理想の自分」との距離
「弱い自分を受け入れられない」とき、私たちは無意識に“理想の自分”を描いています。
「もっと落ち着いた人でいたい」「周囲に左右されない自分でありたい」。
その願いは尊いものですが、同時に“今の自分を否定するまなざし”にもなりがちです。
仏教では“あるがまま”を見つめることを「如実知見(にょじつちけん)」といいます。
理想に向かう前に、まず「いまの自分」に気づいてあげてみてください。
3. 「自分を大切にする」とは、“好きになる”ことではない
それは“苦しむ自分を置き去りにしないこと”です。
夜、心がざわついたら、手を胸に当ててつぶやいてみてください。
「私はいま、苦しんでいるんだね。でも、ここにいるよ。」
この一言が、分裂しそうな心をそっとつなぎ直してくれます。
4. 「ありのまま」は、訓練で育つ
自分を見失わないために、「今日、何を感じたか」を一行で書いてみてください。
「疲れた」「少し嬉しかった」それだけで十分です。
感情を言葉にするたびに、“自分の声を聴く力”が少しずつ育っていきます。
あなたはすでに、痛みを言葉にして「助けを求める勇気」を持っています。
その一歩こそ、回復の始まりです。
焦らず、ブレながらも、自分の心を見失わずに歩んでいきましょう。
合掌
質問者からのお礼
回答頂きまして有難う御座います。
頂いたお言葉によって自分の気持ちを再確認と整理をするきっかけを頂きました。
自分の特性を少しでも受け入れ、残された人生の時間を、たまに気づきながら生きてゆきます。
感謝致します。また困った際はどうぞ宜しくお願い致します。



職業柄、人生相談はこれまで多数受けてきました。
ぜひご自身の本音を出してください。向き合ってください。私は伴走させていただきます。
理学療法士でもありますので、これまで急性期から終末期まで患者さんを担当。
町の診療所から在宅までキャリアを築く。2歳から108歳まで患者さん担当。
また、コンサルタントでもありますので
メンタルヘルスから新規事業、マネジメント、チームビルディングまで相談並びに研修対応可能。
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