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歯列矯正失敗し、なにも食べられない回答受付中

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有り難し有り難し 2

元々歯並びも噛み合わせもとてもよかったのですが、横顔を整えるために2年前から一般歯科で矯正を始めてしまい、健全な歯を削られ抜かれ、噛み合わせがめちゃくちゃになりました。
大学病院へ紹介状をもらい再矯正することになりました。
本来であればもう終わっているはずなのに、現在、ごはんが噛めず流動食です。歯が痛くて歯が抜けてしまうのではないかと不安です。
毎日絶望してパニックになっています。

授乳中のため、薬が飲めず思い詰めてしまいます。

2025年11月1日 10:23

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

苦の中に灯る光

ご相談いただきありがとうございます。

Miさん
つらいお心の内を、ここに預けてくださってありがとうございます。

噛めない痛み、先の見えない不安、授乳中で薬にも頼れない心細さ。
「本来なら終わっていたはずなのに」という思いが、胸を締めつけることでしょう。

その苦しさの中で「助かりたい」「良くなりたい」と声を挙げられたこと。
そのお気持ちは、とても尊く、確かに未来へ向かう力です。

私は、医者ではないので根本的な痛みは取り除くことはできませんが、
仏教的な観点で、Miさんの御心を少しでも和らげられたらと思い書き込みさせていただきました。

お釈迦さまは、「人は避けられない苦しみ(一本の矢)を受ける」と説かれました。
今Miさんが感じておられる痛みや不自由さ、それは一本目の矢です。
誰のせいでもなく、今の身体の状況として訪れたもの。

そして、人はそこに
「なぜこんなことに…」「もうだめかもしれない…」という
不安・後悔・恐れという二本目の矢を自ら放ってしまうことがあります。

Miさんの心がその矢に苦しんでしまうのは、決して弱さではありません。
それほど大切な身体であり、未来への願いが大きかったからです。

 ですが、そっと耳を澄ませると、もうひとつの見方があります。

今の痛みは、
身体を壊す痛みではなく、
未来へ組み直している痛み。

恐怖の痛みではなく、再生の痛み。
再矯正という道が開かれていること自体、希望のあらわれです。

痛みは終わりなきものではありません。
Miさんが願われた美しさと調和へと向かう、
一時の通り道です。

苦しい日は、どうか無理をせず、
「今日は一本の矢だけに向き合う日」
そう優しく自分に言ってあげてください。

ひと息、ひと口、ひと日ずつでかまいません。

赤ちゃんを抱えながら進んでいるその姿は、
すでに十分、尊く、強いお母さんの姿です。

どうか、今日という一日を乗り越えた自分を、
そっと労ってあげてください。
赤ちゃんの小さな寝息と同じように、
Miさんの心にも静かな安らぎが訪れますように。

そして、また明日、ほんの少しだけでいいので、
前へ進むエールを自分に贈ってあげてください。
「大丈夫。私は今、希望の道を歩いている」
その言葉が、どうかMiさんの心の灯りとなりますように。

2025年11月1日 10:57
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有り難し
おきもち

山の中の小さなお寺の住職と児童福祉施設で働いております。 毎日いろんな出来事がありますが、そのたびに、「仏教って、生きる力そのものなんだなぁ」と感じる瞬間があります。 ハスノハを始めたのは、友人の僧侶が青空説法で、人の悩みにまっすぐ寄り添っている姿を見たのがきっかけでした。 「自分にも、こんなふうに誰かの心に光を届けることができないだろうか」 そんな思いから、この場に身を置かせてもらっています。

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