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手放した事への執着が拭えず、苦しいです。回答受付中

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私は、5年ほど自営で飲食店をしていました。5年の間には、何度も辞めてしまおうかと思ったり、辛い事もたくさんありましたが、やっていてよかったと思う事もたくさんありました。

どんな辛い時も5年は頑張ろうと思ってやってきましたが、設備の故障で繁忙期の売り上げが取れなかったり、天気に左右される場所にあったこともあり、
安定した収入にならない事に疲れていた事もあり、店舗を辞める決断をしました。
夫も別店舗で自営業の為、私だけでも
しっかり収入を得なければと思う気持ちも大きかったです。

ですが、そのあとから辞めなければよかったのではないか、もう少し頑張ればよかった、手放さなければよかったと繰り返し思ってしまい、苦しいです。
執着してしまう自分もいやです。
性格的な部分もあるかと思います。

前を向いて、自分らしく生きていきたいのですが、どのように受け止めて考えたら良いのでしょうか?

2025年11月14日 10:10

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

手放した店への後悔と向き合うために

あなたの文章からは、5年間の努力と葛藤、大切に育ててきた店を閉じた後の喪失感が深く伝わってきました。
辞めた判断が間違いだったのではないか
そう思ってしまうのは、“それほど真剣に、命を削るように”頑張ってきた証です。

まず、その5年は決して無駄ではありません。
辛い時期も続けたあなたの粘り強さは、本物の力です。

ただ、人は「失ったもの」のほうを美化しやすく、
「限界だった自分」や「疲れていた心」が記憶から抜け落ちます。
辞めた直前のあなたは、
・天候に左右される売上の不安
・設備トラブルの重圧
・夫も自営だからこそ自分が稼がなきゃという責任感
そのすべてを一人で抱え続けていました。

あのとき辞める選択をしたあなたは、“弱かった”のではなく、“限界まで頑張った人”です。

後悔とは、「本当は大切だった」と気づいた心の反応。
執着ではなく、あなたの誠実さの裏返しです。

そして、もう一つ大切なことがあります。
店を閉めたのは“終わり”ではなく、“あなたが次へ進むための余白”なのです。
真面目な人ほど「続けられなかった自分」を責めがちですが、
本当に大切なのは、これからの人生をどう整えていくか。

受け止め方のヒントとしては

「辞めた自分」を否定しないこと

5年間で得た能力・経験を書き出すこと

“もっと頑張れたかも”という想像と“実際の当時の自分”を切り分けること

あなたの未来は閉ざされていません。
むしろ、5年の経験があなたの“次のステージ”の基盤になります。

どうか、自分を責めずに進んでください。
あなたは、すでに十分頑張ってきたのです。

合掌

2025年11月14日 13:41
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仏教×対話×ビジネス。僧侶・理学療法士・プロファシリテーター。死生観から整えるコンサルタント。仏教と対話で導く、リーダーのための内省と再構築。ビジネスという営みを通じて、人が本音と出会い、本来の個性で生きる場をひらいています。 ※お坊さん回答の中に「鈴木光浄」がおりますが当初諸事情がございまして私が回答したものでございます。そちらもあわせてご参照ください
職業柄、人生相談はこれまで多数受けてきました。 ぜひご自身の本音を出してください。向き合ってください。私は伴走させていただきます。 理学療法士でもありますので、これまで急性期から終末期まで患者さんを担当。 町の診療所から在宅までキャリアを築く。2歳から108歳まで患者さん担当。 また、コンサルタントでもありますので メンタルヘルスから新規事業、マネジメント、チームビルディングまで相談並びに研修対応可能。 現在、顧問契約募集中!

質問者からのお礼

お言葉、ありがとうございます。
読んでいて、身体や心にジーンと染み入るようでした。
ずっと引っかかって、後ろばかり振り返っているような気持ちになっていましたが、
自分をもっと認めてあげようと思いました。余白ができた分、きっと新しい何かが入ってくるようになっているのですね。
寄り添って頂き、ありがとうございます。

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