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どう受け止めるべきか回答受付中

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有り難し有り難し 1

私はいまたくさんの人の前でお話させていただく仕事をメインにしています。

今度、大きな規模の講演があります。その講演には男性と女性の2人の進行役がいます。

その女性が話をする人を探しているとのことで、私の知り合いが私をその女性に紹介し、拙著3冊を読んでもらい、ぜひ話して欲しいということに決まりました。

次に男性の進行役に私が決まった話が行き、知人に頼まれて簡単な経歴をメールで男性に送りました。そしてぜひ著書を読みたいということで、今日送ることになりました。

本題はここからです。その進行役の男性は覚えていないでしょうが、私は10年以上前、障害者が働くカフェの健常者のスタッフの紹介で、その男性に会ったことがあるのです。記憶が仕事内容、顔、職種、職場がある場所、経歴など様々な点で一致しました。

健常者のスタッフは、その男性には私の経歴は何も話していないと言っていました。なぜ私がその男性と急に会うことになったのかも分かりません。

私と会ってものの数分で、その男性は私に、あなたは人慣れしていない、1ヵ月でモノにするからうちに通ったら?と明らかに上から物を言いました。私はハラワタが煮えくり返り、2度とその男性とは会いませんでした。

そして今回の講演の話に繋がります。私の経歴を知り、態度がガラっと変わりました。私は強い部分と弱いところが、両極端だと思います。これだけ強弱がある人間もおそらく珍しいのでしょう。その男性のような、私の経歴を知り、明らかに態度が変わる人には本当にたくさん会って来ました。障害者を下に見る医療・福祉従事者は、凄く多いのが現実です。

そのような医療・福祉従事者を含め、差別や偏見に満ち溢れた社会に一石を投じるため、ずっといまの仕事をしたいと思っていました。今回の仕事は自分の心を押し殺してでも、受けるべきだと思いますか?それとも事情を関係者に伝え、辞退してもいいと思いますか?

2026年4月15日 14:38
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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

たった一人でも受け止めてもらえると、うれしいことですね。

ご相談を寄せていただき有り難うございます。今、コットンさんは、「差別や偏見に一石を投じたい」という社会への願いと、「自分を傷つけた者と共にいたくない」というご自身の尊厳を守りたいという、どちらも大切な思いを、同時に抱えておられるように受け取りましたが、いかがですか?

私も2つの思いが浮かびました。まず、コットンさんの「心を押し殺してでも受けるべきか」というお尋ねに対しては、「いいえ、あなたは心を押し殺す必要はありません」とお伝えしたいです。そして、もう一つ。「この度の講演を誰に聞いてほしいですか?」とあなたにお尋ねしたいです。コットンさんは、差別や偏見に満ち溢れた社会に一石を投じるため、ずっといまの仕事をしたいと思っていたのでしたね。それは、あなたが長年味わってこられた苦しみが、あなたの中で人生の肥やしとなり、他者への慈しみに転じた証です。それは菩薩のような願いです。今回は、いわば、絶好のチャンスとも受け取れますね。あなたが10年来の思いと実践を込めて講演をやり遂げた時、聞いてくださった方々には、どんな気づきや変化が生まれるでしょうか?さらに、その男性には、どんな気づきや変化が生まれるでしょうか?

「心を押し殺してでも受けるべきか」というお尋ねを細分化した時、「男性に怒りを覚える私自身の心を落ち着かせて、本当にやりたいことを実践する」と考えることも出来ますね。

コットンさんが、今すぐにできることをご提案します。それは、ご自身の気持ちを紙に書き出してみることです。「この仕事を受けた場合の自分」と「辞退した場合の自分」、それぞれがどう感じるか、正直に書いてみましょう。頭で考えるのではなく、可視化された文字を読みながら、ご自身の意思を確かめてください。

その上で、「この仕事を受ける」と決めた場合、ご自身にこう言い聞かせてみてはいかがですか。「私は社会を変えるために、この場に立つ。その男性のためではない。参加者一人ひとりのために、そして将来へのより良き種まきのために立つのだ」と。

コットンさん、もし辞退するという決断をした場合、それは「逃げ」ではありません。「次の時機まで待つ」という決断です。ご自身の心と体を大切にすることも、大切な選択です。

あなたは、独りではありません。私たちhasunohaの僧侶も、あなたの応援団です。後日談もお聞かせいただければ幸いです。

2026年4月16日 8:46
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有り難し
おきもち

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1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。実家の西福寺で中高生を主体とする「るんびに太鼓」に所属、演奏・指導経験を通して、「人は、支えられてこそたくましく生きてゆける」と体感。青少年よみがえりの場「短期るんびに苑」にも関わる。   平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。ご法話や講演などをご希望の方は、遠慮無くお声かけください。  グリーフケアアドバイザー1級 発達障害コミュニ ケーション初級指導者 つどい・さんあい運営委員
ご相談時間はご希望をいくつかお知らせくださいね。 ◆「絵本のお坊さん」として、絵本を通じて人生を見つめ直す活動を行っています。◆死別、離婚、退職、不安など、様々な喪失を抱える方のお話に寄り添い、仏道の教えを分かち合いながら心を癒すお手伝いをしています。◆資格:グリーフケアアドバイザー1級、発達障害コミュニケーション初級指導者。

質問者からのお礼

げんさんさま

とても親身なご回答本当にありがとうございました。たくさん涙が出ました。気持ちが楽になりました。

今回の相談は昨夜書かせていただいたのですが、現時点での結論はやろうと思っています。理由はこの件のことも、現在書いている4作目に昇華しようと思うからです。

社会に一石を投じるためには、本と講演の両輪で進めていくのが理想だと思っています。

時々、自分のやっていることは、焼け石に水なんじゃないかとも思うこともあります。社会に偏見や差別が蔓延しているからです。

でも前に書いたように限りある命を生きていくのなら、後悔の少ない人生にしたいと思っています。その答えがいまの生き方です。

正直、10年以上経っても怒りが爆発しそうなくらい、嫌な記憶なので本当にやれるかは分かりません。人前で話させていただく機会はどんどん増えているので、おっしゃるように、この男性のために気持ちをズタズタにしてまでやる必要はないかなという思いも、少しあります。

ご回答本当に心にしみました。ありがとうございました。

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