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幸せって何なのでしょうか

回答数回答 4
有り難し有り難し 68

私には交際4年になる彼がいます。
今回のご相談は、その彼との将来についてです。

私の彼は10歳年上のバツイチ子持ちです。
(お子さんは前妻が引き取っています)

端的に申し上げますと、彼のその過去を受け入れることができません。
彼のことを、とても愛しています。人生で初めてこんなにも誰かを想うことができました。
付き合ってきた4年間、何度も別れを決意しました。でも、結局は彼の元に戻ってしまうのです。
彼と1年あまり別れていたこともあります。その間別の恋人ができたこともありました。ですが、恋をしているというよりは、結婚を考えて条件のみで相手を見つけたお見合いのようなもので、相手には本当に申し訳なく思っていますが一度も恋はできず、傷つけただけでおわってしまいました。
結局は彼でなければだめなんだと思い知らされただけの1年間でした。

彼は、初婚の私に対し自分の過去に引け目を感じていて、その分本当に大切にしてくれます。とても愛してくれていると伝わります。
私も彼が心から大好きです。でも、辛いのです。この感情は理屈ではないのです。
どこかに彼の血を分けた子どもがいるのかと思うと、気が狂いそうになります。彼がそれとなく話した子どものエピソードや結婚の話がずっと頭から離れません。好きな気持ちと比例して、その何倍も苦しいのです。

彼との結婚を一瞬決意できたこともありました。まわりの、ご主人が乱暴だったり浮気をしていたりあまり幸せでない結婚生活を送っている友人に比べ、受け入れられない過去があってもこんなにも大切にしてくれる彼と結婚した方が幸せなのではないかと思ったりもしました。でも、それでは一生自分より不幸な人を探し続ける人生です。

そして何よりも、彼を両親に紹介できません。
大切に大切に育ててくれた両親に、心配をかけたくないのです。親心は想像でしかありませんが、なるべく苦労のない幸せな人生を送ってほしいと思っているに違いありません。

彼なくしては、幸せはあり得ないと思っています。でも、辛く苦しいです。
彼じゃない人であれは、苦しくも辛くもなく(結果はわかりませんが)、でもこんなにも恋をすることももうきっとありません。

もう自分にとって何が幸せなのかが分かりません。

長文になり申し訳ありません。
ご回答お待ちしております。


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

幸せでもなく、不幸でもない…

出会いがないと苦しむ人がどんどん増える中、そのように激しく愛せる人と出逢えたことは幸せなことですよ。誰にも得られることではありません。でも、仏教的に言うと、幸せって不幸せと表裏一体なのですよ…それは「好きな気持ちと比例して、その何倍も苦しい」とおっしゃっているあや様自身が一番実感できるはずです。

お釈迦さまは天界への転生を目指しませんでした。いわゆる幸せな環境を手に入れても、辛い苦しいの連鎖は止まらないと気付いたから。その上で、幸せを追い求めるのでもなく、あえて幸せを棄て去るでもない、第三の目標…それが悟りでした。それは幸せという表現ではなく、「苦を離れる」「心の平穏」といった表現で言い換えられることがあります。

もう少し仏教を掘り下げてみましょう。お釈迦さまは断言なさりました、一切皆苦と。つまりこの世は思い通りにならないことだらけだと。お釈迦さまでさえ、人生は思い通りにならなかった…そういうものだとライフステージのどこかで腹をくくらないと取り付く島も無いのです。

ところが、そういうものだと呑み込んでしまうと逆に楽になるのですよ。自分の望みを相手に求める思いが落ち着くから。彼にとって自分が初めてで唯一の相手であってほしいという思いが落ち着く…でも、彼のことが好き…するとどうなるか?ありのままの彼を受け入れる以外にやりようが無くなる。受け入れざるを得ないから自分が楽になる。

彼にとって自分が初めてであって欲しいという思いはごく当たり前の感情です。でも、仏教としては、実はそれは煩悩でしかないのです。煩悩とは苦の原因。生活がうんぬんとかそういう話ではなく、単純にあなた自身を苦しめる原因です。そういうものだと知覚することが心の平穏への第一歩です。

………もう、疲れたでしょう?疲れちゃえばいいんです。疲れてしまっていいんです。他人に私の望みを求めるライフステージにはもう疲れた…疲れてしまったから、もうありのままの彼氏で良いじゃない…そんな感じで良いんです。そう自分に言い聞かせ続ければ、いつか「あの頃は若かったわねぇ」なんて笑って言えるようになっちゃいますから。

最後に一言クギを刺させていただきます。
逆に言うと、ありのままの自分を受け入れてくれる人と巡り会えることほど恵まれたことはありませんよ。

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おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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「幸せ」とは・・

あや様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「幸せ」とは、人それぞれでも価値や意味が異なるものであるため、これが「幸せ」ですと決定付けて言えるものではありませんが、「幸せ」は、昼間の星のようなもので、普段は、それが「幸せ」とは、なかなか気付けないものであるかと存じます。

人生、誰でも困難や問題が色々と生じます。その困難や問題が生じたとき(暗闇)にこそ、それぞれの幸せ(星)が何かがわかるようなものであると考えております。

恋人、伴侶であれ、困難や問題にぶつかった時にこそ、お互いに、助け合い、支え合い、分かち合って、乗り越えていけるパートナーであるのかどうかが大切となります。

過去のことは過去のこと、いつまでもその彼の過去にとらわれてしまっていては、今の「彼」の想いや気持ちも見えなくなってしまうこともあるかもしれません。

「今」の彼の想い、気持ちを大切に、互いに心を真ん中で受けとめ合える「愛」し合いによって、人生を幸せに過ごしていけるパートナーとして共に歩んでいけると良いですね。

お幸せを祈念申し上げます。

川口英俊 合掌

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おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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彼との関係を成熟させましょう!。

こんにちは、あやさん。愛するとは何でしょうか。相手を許すという事、相手の中に自分を見出す事、心が豊かになり彼にもそして周りの方にも優しくなれる事ではないでしょうか。相手の悲しみも、喜びも共有することではないでしょうか。あやさん、彼から愛されている自分が好きと言う事に重心が掛かっていませんか。彼が好きなのか、彼から愛されている自分が好きなのか。本当に彼が好きなら二人の愛を成長させ、成熟させましょう。お二人に明るい光が差しますように念じております。

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おきもち

青年の自立支援(生活改善・病後の静養・引きこもり等)
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完璧はないが壁を全うすることは出来るはず

完璧という言葉は、障害が解決され、文句ない状態のことをいうと思います。人間関係に完璧を求めるというのは難しく、それを求める気持ちは大事だと思います。素晴らしい仕事や芸術はその追求の結晶体とも思えるわけです。しかしながら、完璧の状態が最初からあることは殆ど無く、何をもって完璧とするかも人によって様々です。貴方様が求められている彼に対する気持ちは崇高で、非常に強い愛があると思いますが、よく観察するとそれは支配的な領域に達していると思います。愛欲は激しく、あらゆる感情を燃やすやっかいなものです。そして、色々な思いを起こさせます。恐らくは、貴方様の心のなかには愛欲の炎が激しく燃え上がっているのかもしれません。それが、求めても得られないものを求めるという求不得苦の混乱した状態を生んでいるのでしょう。
完璧という言葉は元々、壁という綺麗な石を守りぬくという言葉が由来です。貴方様の場合は、彼に対する完璧な状態、つまり過去がそうでない状態を求めるのは無理ですが、壁を全うする、つまりあなたの愛情を全うすることは出来るのではないかと思います。結婚にはお互い、家族も含め色々とあると思いますので、それらを含めて考えられるといいでしょう。幸せとは、足ることを知ること、そしてそれに満足できることなのではと思います。

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おきもち

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ