人を許す事
過去にされた嫌な事、過去に言われて傷ついた事、どうしたら許す事ができます?
また、過去にこちらを裏切った人がいるのですが、その人を許し整理しないと次に進まない事があります!
頭では、わかっていて許そうと思っているのですが、いざ本人を前にすると怒りの感情がでてしまいます!
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし
よう様はじめまして、ご相談拝見しました。
タイトルの言葉は歎異抄という書の中で、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人がこのように語ったとされている言葉です。
「人間の行いは思い通りにはならない、縁によってはどんなふるまいもしてしまう」ということですね。
よう様を裏切ったという方と同じ境遇に自分が立った時、自分はけして同じようなふるまいはしないと確実に断定できるのかどうか、ということです。
例えば、悲しいことに殺人という大きな罪を犯してしまう人がいますが、その方は殺したくて殺したわけではないのでしょう。しかし殺さずにはおれない縁がととのってしまったのではないでしょうか。
「私なら同じ境遇でも絶対に殺さない」と、言い切れるのかどうか・・・私には自信がありません。
殺すなと言われてもそういう縁なら殺すかもしれないし、殺せと言われてもそういう縁が整わない限り殺すこともできないのではないでしょうか。
実際に殺人を犯した人もけして望んではいなかったのだと思います。しかし現実には殺人はおきているのです。
まさに、縁にもよおされれば人間はどんな行いをもしてしまうということを表しているのではないでしょうか。
さて、ではどうしたらよいかというところです。「罪を憎んで人を憎まず」という言葉もありますが、憎まずにおれないのもまた人間なのかもしれません。何か憎しみをぶつける先がないとやり切れないのも事実でしょう。
そういう中で仏教的にできることは、
①自分の憎しみの心にとことん向かい合って、憎しみの原因を見つめること。なぜ憎いと思ってしまうのか自分の心の内に尋ねていくこと。
②慈悲の心。憎むのではなく、ともに悲しみあわれむということ。どうしようもない縁にもよおされてしてはいけないことをしてしまったという事実に思いを馳せて考えること。
ではないでしょうか。
よう様ご自身も許そうと思っているとのことですし、相手の方のご縁(境遇・状況・心情)にご自身も身を照らして考えることができればその時が訪れるのではないかと思います。
許せないと次に進めないとすでにお気づきです。憎しみは憎むことでは解決しないのです。
質問者からのお礼
ご丁寧な回答ありがとうございます。
相手の状況や気持ちに自分を照らし合わせれば、その時が来るような気がしました!
憎しみは憎しみでは解決しないですよね、響きました。