中絶を考え、結果流産しました
去年の年末、初めて妊娠し、中絶を願い、結果的に流産しました。
学生の頃はガンを患った父に、「生きている間に孫を抱いてもらうんだ!」と思っていました。しかし大人になり、父に孫を会わせたいという理由ではなく、自分が子供を産み育てたいかと考えると、その気持ちが全くない事に気づきました。
夫には出産の意思がない事を伝え、結婚し、夫が「もし家族が増えても楽しいだろうね」という言葉に、「そうかもしれない、楽しいかもしれない」と思うようになっていました。
その後、避妊には気を付けていましたが、妊娠しました。私は自分に「嬉しい!きっとうまくいく!楽しい家族になる!」と言い聞かせていました。
しかし喜べませんでした。自分が親になる事が恐ろしく、お腹の子を愛せない自分が恐ろしく、このような幸福を喜べない自分が恐ろしかったです。なにより、堕胎を選択しようとする自分が恐ろしかったです。それでもどうしても喜べない自分が出産するという決断ができず、堕胎を決めました。
夫は堕胎を受け入れてくれました。それから毎日私は泣き、眠れなくなり、食べられなくなり、結果流産しました。
泣くのは子供への申し訳ない気持ち、愛せなくて、産まなくて、殺して、なのに作り出して、痛いだろうか、怖いだろうか。夫への申し訳ない気持ち、愛する夫の子を愛せなくて、殺して、父親になる事を奪って、辛いであろう夫の前でこんな私が泣いて。両親への申し訳ない気持ち。望んで努力しても出産出来なかった姉へ。夫の両親へ。
子供の頃初めて人を好きになったように、いつの日か子供が欲しいという気持ちも自然と出てくるのだと思っていました。
そうなれない自分が、身勝手にも一番大切な人達を傷つけ、希望を奪っている。夫は私と結婚したためにこんな思いをしている。
何故、子供が欲しい、産みたいと思えないのか。どうして愛せないのか。あの子は今どうしているだろう。苦しんでいないかな。考えない日はありません。
自分自身の無責任な行動の結果、許されない事をしました。1番辛く苦しいのは子供です。お答えを頂けるような内容ではないとわかっていますが、身勝手にも程がありますが、胸が苦しく、叫びたい気持ちで、こちらに書き込ませて頂きました。
私が死んだ後苦しみは全てもらうから、どうかあの子が苦しんでいない事を、身勝手にも願っています。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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2回に分けようと思いましたが出来ずで、再投稿です。
刺繍さま
釋慧心と申します。
お辛い思いをされたのですね。
文面から刺繍さんの優しくて、真面目なお人柄を感じております。
その優しく繊細なお心ゆえに、人の痛みが自分の痛み同様にお感じになられ、
様々な方への、申し訳ないお気持ちでいらっしゃるとお見受けします。
どうかご自身の心と体をゆっくりとおいといになられて下さい。
私からのお願いです。
刺繍さんはお優しい上ご自身に完璧を求められておられませんか?
良い妻でありたい、良い嫁でありたい、
良い人間でありたい、、
いや、良い妻であるべきだ、良い嫁であるべきだ、
もっと良い人間であるべきなのに、私はまだまだ足りていない。
もしかしましたら子供時代から
少し考えてみてください。
あのイチロー選手、素晴らしい選手です。
しかし、あのイチロー選手でも、
4割は打てない。
また、先に往かれた方が、苦しんでいるのではと思うのは、
我々が人間の知恵でしか、ものが見れない為なのです。
人間の知恵とは、私のモノサシです。
この私のモノサシは非常に危なっかしいモノサシです。
ですが、それが危なっかしいとは私は気づけません。
小さな子供が熱いお茶の入った湯飲みの乗ったお盆を持っているような姿が、
仏さまから見た私の姿です。
先に往かれた方々は、その様な私達のことを心を痛めて心配してくださっております。
苦しんでないよ、辛くないよ、お腹が空いたりしていないよ、
だからどうか、心配しないで。
それよりも僕はお母さんのことが心配なんですよ。
どうか、自分を責めないで、お願いだから。
悲しんでいる姿を見たくないよ。と。
我々には必ず二親がおります。
その二親にも、必ず二親がおります。
私から、一代、二代と、どんどんさかのぼりますと、
2,4,8,16,32,64,128,256,512
全て親の数です。
沢山のお父ちゃんお母ちゃんが居てくださいます。
先に往かれた全ての親が皆、仏となりて、
貴女のことを願っていて下さります。
こう言っておられます。
この度のお子さんのことは、わしらに任せとけ、
大丈夫、ちゃんと見てたるから心配しなくていいよ。
だから安心していいよ。と。
そう思うと、いつも私は心強いなあと嬉しくなると同時に、感謝とお偲びせずにおれないのです。
水子さんのこと
刺繍様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
流産されてしまわれたお子さまのことは、誠におつらいことでございました・・
とにかく妊娠によるホルモンバランスの変化と共に、流産によるホルモンバランスの変化も多少なりにもあるかと存じます。まず、お身体、どうかくれぐれもご自愛下さいませ。
水子さんのことは、地蔵菩薩様による良きお導きを頂けますようにと、折々にしかるべくに水子ご供養をして頂けましたらと存じます。流産の日や地蔵盆の日など、一度だけでも構いませんので。そして、もう一つは、忘れないことです。どうせ忘れようと思っても忘れられないことです。忘れずにその水子さんの良い後生を願い供養することも大切なことであるかと存じております。
そして、そうご自分だけをお責めにはなられずにて。
全てのモノ・コトというものは、因縁(原因と条件)により成り立っていると仏教ではご説明申します。
結果となる因縁が調ってこそであり、調わなければ致し方ないことも多々ございますし、無理なものは無理なのでございます。
この度のおつらい経験は経験として、懺悔、慚愧、反省をしっかりとされておられるのであれば、もうどうかご自分を許してあげて下さい。
あまりにも苦しまれたままでは、実は、水子さんにとってもあまり宜しいことではありません・・
「賽の河原地蔵和讃」というお経の中においては、親のあまりの嘆き悲しみが、水子さんが苦患を受ける種になる、とございます・・親の嘆き悲しみ、苦しみが、水子さんを賽の河原にてさまよわせてしまう悪い力になりかねないということでございます。
どうかしっかりと追善供養をなされて頂きまして、地蔵菩薩様のお慈悲のお力をお頼りになって下さいませ。
そして、またこれからのお子さまのことにつきましては、ご家族で、焦らずにしっかりと本音にて話し合われつつ、お互いの納得を目指されて下さい。何よりご夫婦仲睦まじくにお幸せにお過ごし下さいませ。
川口英俊 合掌
赤ちゃんは元気です。
刺繍さん初めまして。
辛いですね。自分の中には人間性に目を背けたくなりますよね。
親になる時に刺繍さんのような不安を抱くのは、おかしいことではありません。
私もそうです。自分が親になるなんて、こんなくだらない自分勝手な私が人を育てるなんて…吐き気がしました。
刺繍さんは自分の行動を責めていますが、ふざけて中絶を考えたわけじゃないですよね。
子を思ってしたんです。私は、そこに親子の繋がりを感じます。
私は、勇気が出ず出産に至りましたが、産まれてきてくれた瞬間、自分が恥ずかしく死にたくなりました。それでも子供は「ママ」と求めてくれる。一心同体で過ごし、私を分かっても求めてくれるんです。まるで仏様のようでした。
こんな私を人として育ててくれるのは清らかな世界からきて、人として汚れていくこの子しかいないと思ったんです。
だから、刺繍さんの子供もあなたの優しさや苦悩を理解して「また来るよ」と短く濃厚な人生を送ったのだと思います。
自分の限界を知ることはとても大事。
でも無理だと思ってたことも、人の手を借りれば出来ます。あなたなら。
子を思うこその身勝手、子の幸せを願う身勝手。誰にも言えないところで、人は人を殺し非難しています。
それを声に出せるなら、それは本当に自分を見つめているということじゃないでしょうか。
心が落ち着いて、限界を超える勇気が出たら是非、子供と一緒に成長してみて下さい。
亡くなった赤ちゃんはお浄土で、刺繍さんの元へ産まれるのを仏となって願っているかもしれません。
自分を追い込むことだけが償いではありません。
質問者からのお礼
川口英俊様 釋慧心様 緇川杏美様
ご回答を頂いてから数日間、何度も読み返しました。そして自分を責め続けるだけではなく、少しだけ許せるようにと考えるようになりました。前より気持ちが少しずつですが落ち着いて、冷静に考えるようになり、胸の苦しい思いも楽になりました。
楽になって良いのかと考えますが、生きる事が苦しいだけでは無くなり救われております。
本当にありがとうございます。
川口英俊様
ご回答ありがとうございます。
流産した翌日、住まいの近くの水子供養のお寺へ夫と訪れました。その時私は空っぽの気持ちで、お寺へ入る事も後ろめたく、今回冷静になれた今また一度きちんと訪れようと思っております。
親の嘆き悲しみが「賽の河原」へとさまよわせてしまう悪い力になると言う事を初めて知りました。そのような事にならぬよう、ほんの少しずつでも自分を許していけるよう努めたいと思います。自分を許すキッカケを頂けました、ありがとうございます。
川口様の仰る通り、今後については包み隠さず話し合い、自分と家族と向き合って行きます。
夫は今も変わらずこんな私を大切にし、支えてくれています。私もずっと変わらず大切にしていきます。
この度は本当にありがとうございました。
釋慧心様
ご回答ありがとうございます。
私は昔から自分は大切にされる事に慣れ、大切にする事の足りない人間だと思っております。ですがご回答を頂き、もう少し自分をダメだダメだとばかり思う事を減らそうと思いました。
暖かいお言葉で、さらに自分を大嫌いになりそうな所を止めて頂けました。
「私のモノサシ」、少しですがわかった気がします。子供の事は沢山の父母にお任せし、子供や沢山の父母に心配をかけぬよう、これからを大事にして生きていきたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
緇川杏美様
ご回答ありがとうございます。
「子を思ってした」「そこに親子の繋がり」と言うお言葉、胸に刺さりました。自分のした事をそのように言ってくださるのだと、、私は一瞬でも親子であったのだと、涙が出ました。あの子は「嫌われて悲しい」ではなく、もしかしたら「また来るよ」と言ってくれたかも知れない。
自分のような人間がと感じるのは私だけではない、みんな不安や自分と戦って出産され、出産後も沢山の戦いがある。喜びがある。いつか勇気が出れば。
この度は本当にありがとうございました。