お盆期間の過ごし方
お盆期間中です。私は主人の実家へ帰省し、お墓参りをしたあと迎え火を焚いて家族で過ごしています。ご先祖様が帰ってきて一緒に家の中にいると思っています。
結婚するまでは実家でお盆を過ごしていました。妹が亡くなっているので、妹をお墓まで迎えに行き、提灯の明かりで家まで連れて帰ってきて過ごしていました。妹がせっかく帰ってきていますから、送り盆までは家を留守にすることはありませんでした。
今年は父の実家が新盆で、両親は例年通り妹(両親からみて娘です)のお墓参りに行ってから父の実家へ帰っています。ですので、家はお墓から帰ってきた妹が1人ぽっちで留守番をしている感じです。仕方ないとはいえ、妹がかわいそうに思えてしまいます。妹は寂しくないでしょうか。優しい人でしたので事情を分かってくれてるとは思いますが、せっかくのお盆なのに1人でどうしているかなぁと気になってしまいます。
今は「お盆休み=せっかくのまとまった休みは家を留守にして旅行に行く」という方も多いようですが、私個人の考えとしては遊びに出かけるのはなんとなく気が引けます。お盆期間はどう過ごしたらいいのでしょうか。家に帰ってきた亡くなられた方達は目には見えませんがどのように過ごしているのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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そこにそれ以上のものを見ない
あなたのお悩みはお盆の起源でもあるモクレン尊者アナンダ尊者と同じです。
そういう心を離れるためにこそお盆の行事が始まったのです。
お盆とは元々盂蘭盆会などといいまして、サンスクリット語のウランバーナという言葉が語源です。
これは、「物事を逆さまに観ること」を意味します。
いつもは大好きなお父さんやお母さんがちょっとしたことで死ぬほど憎くなってしまったりしたことはありませんか。このお盆期間は帰省ラッシュで渋滞や赤信号でトサカに来る人が多いです。これも赤信号や車の長い列を逆さまに眺めたような姿です。
私は先日、仮面ライダーゴーストの映画を子供を連れて観に行ったのですが、始まったのがジュ―オージャーで世界がひっくり返りました。「どうしよう。今から出るべきか。子供が楽しみにしていた仮面ライダー。うっかり、ジュ―オージャーの上映場に入ってしまったのか!」外に出てスタッフに聞いたらセットの映画でした。
このように人間は物事をひっくり返しに眺める癖、無明の煩悩がありますから、これを取り除く為にも仏道を学んで実践する期間がお盆でもあります。人間には餓鬼という鬼が象徴しておりますようにエゴ、自己中心的な心がありますから、この人類共通の心の毒素「餓鬼心(欲、怒り、迷い)」を仏教者たちは離れるべく、布施や慈悲の実践をするべく、一ケ寺に集まって皆でお布施をしあうのです。その象徴的な儀式が盂蘭盆会大施食会です。これは各家庭でも行事られるべき精神です。己の我欲、怒り、無明を離れるべく、先祖供養を通して、仏道に目覚めていく。
つまりお盆や彼岸は単に専属供養と思われていますが、仏道修行の実践の期間なのです。
仏道修行のひとつとして先祖様や亡き人への報恩のお参りや、施食、普く一切の存在に自分の持っている力を布施すること「仏道修行(無我に目覚める)を実践すること」がメインであり、先祖供養だけではなく、あなたの仰る通り、お盆休みだからといって「私のやりたいことを最優先する」ことではない、ということだけは覚えておいてください。
人間がみんな自分のやりたいことを最優先にしたらみんなが自己中心的な生活になる。
むしろ、その心を慎み、向き合い、おさめ、無量の煩悩を離れるための期間がお盆なのです。
質問者からのお礼
お盆は修行でもあったのですね。初めて知りました。
今も義実家に滞在中で、今日送り火を炊く予定です。
お忙しい時期に詳しいご回答ありがとうございました。