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お供えについて

回答数回答 2
有り難し有り難し 26

お盆や法事などの特別なお供えではなく、日常、仏壇にお供えするものについて、決まりがあれば教えてください。

我が家では、お土産を買って来たり、頂き物をすると、まずはお先祖様に…と、仏壇にお供えしてから、家族で食べるようにしています。

親戚などから、これは仏様のお下がりなんだけど、みんなで食べて、とお菓子や果物をもらうことがあります。
それを家に持ち帰って、自分のご先祖様にお供えすることは失礼にあたりますか?

今まで、お下がりはお供えしないようにして来ましたが、決まりがあるのかなぁ?このお菓子、おじいちゃんが好きだったから、お下がりだけどお供えしたいな、と思うことがあり、お供えのルールやマナーがあれば、教えていただきたいです。

よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご先祖様、お供え物を縁として

ご相談拝読しました。
まず、確認したいことは仏壇に安置されているのはご本尊である仏様であって、ご先祖様を信仰しているのではないということ。もちろん遺影や法名や戒名位牌など宗派により様々なものが置かれているとおもいますが、あくまでもご先祖様を縁として仏様に遇わせていただく場所が仏壇です。
であるならばお供え物もまた仏様にたいし供えているということになります。仏様への敬意をあらわすとともに私たちが生きる「いのち」の有様を教えていただくのがお供え物です。

お供え物は毎日のお仏供(ご飯[主食])、季節のものや初物など「食べ物」をお供えしますが本来はこの世界に食べ物など存在しません。私たちが食べるいのちを食べ物と呼んでいるだけであってそれはまぎれもないいのちです。私たちに食べられるために生きてきたわけではないでしょう。
しかし食べなければ生きられない私の姿がある。だからこそ仏様におそなえし、感謝するとともに自らのいのちの有様も教えていただくのでしょう。

さて、これだけだとお堅い話ですが実際には故人が好きだったものをお供えするのはよくあることです。
治療で大好きなお酒を晩年は飲めなかったからとお酒をお供えする場合もあるでしょう。

それはそれでかまいません。むしろその故人を思う気持ちを縁として仏様に出会っていかなければいけません。
ですからお下がりであれお土産であれなんであれ、お供えしたいなと思ったらその気持ちを大事にしてお供えしましょう。それからお下がりとしていただいてみんなでそのいのちに感謝しましょう。
ご先祖さまはお供え物を通していのちの真実を教えてくれる仏様として残された私たちにはたらきかけてくださっています。

是非、ご先祖様、お供え物を縁として仏様に手を合わせる生活を送りましょう。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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私は良いと思いますよ

拝読させて頂きました。お供えには地域性や家族性や宗教によっても違いがあるでしょうが、大切なことは仏様やご先祖様に真心込めてお供えなさることですよね。それはどんな時代や地域でも同じかと思います。仏様や神様や死者へ大切なもの貴重なもの最初に収穫された恵みを心を込めて捧げることで仏様や神様や死者を尊び慰めることに意味があることですからね。またその捧げることでお互いコミュニケーションを取ることですからね。
気持ちの問題かもしれませんが、もしご先祖様がお好きであったものをお下がりで頂いたものでもお供えして差し支えないと私は思います。好きだったものを上げたいなぁ、と思うことが供養につながりますし、その上げたい気持ちは伝わりますからね。
そしてお供えなさったものは皆さんで召し上がってくださいね。そうなさりながらご先祖様を思い出して頂き皆さんとのご縁を感謝なさってくださいね。

追伸:以前うちのお寺であったことです。お寺にいらした方が自分がもらったもので賞味期限を過ぎたものをお持ちになりお土産です、と置いていかれました。お寺に上げる以上仏様にお供えするものです。その方はわかっていなかったのかもしれませんが、それでも本音は余っているからお寺にもっていくか、という意識はいかがなものかと思いました。結局そのお土産の品物は手を合わせてから処分させて頂きました。余計なものだからいらないものだから持っていってしまえという意識はどうなんでしょう。いらないもんだから誰かに押し付けてしまう、その心は貪りですね。意外とそういう方もいらっしゃるのが世の中です。やはり自分の大切なものを大切な有難い方に差し上げることが尊く功徳を積むことであり、その報いが自分に回ってくるのだと思いますね。余談ですが。

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おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

御回答ありがとうございます。
こちらの気持ちが大切なのですね。
それがご先祖様とのコミュニケーションになるなんて、とてもあたたかい気持ちになれました。

純粋に、好きだったものをあげたい!と思った時は、お供えしようと思います。
逆に、これはお下がりだから、と後ろめたい気持ちが少しでもある時は、やめておいた方が良いのかもしれませんね。

宗派や地域性によっても異なるとのことでしたので、やめた方が良いという場合、どのようなお考えに基づいて、良くないのか、というのも伺ってみたいなぁと思いました。

再び、ありがとうございます!

確かに、悪気がない場合もあると思いますが、賞味期限切れのものをいただくことはありますね(苦笑)
気づいたのなら、お供えすべきではないですよね…。そそっかしいので、自分達が食べる段まで気がつかない可能性がありそうで(苦笑)これからは確認してからにしようと思いました。

被災地への救援物資と同じで、いらないからという気持ちでするのは良くないですね!

(追記)
御回答、ありがとうございます!

仏様とご先祖様、両方にと思っていましたが、ご先祖様にお供えし、手を合わせる、そういったことで仏様に遇うことができる、という考え方なのですね。敬意を払うと考えると、また考え方が変わって来ました。
食べ物といのちのお話もですが、意識をあらためたいと思います。お供え物にそこまで深い意味があったとは思いませんでした。

家族も知らないと思います。
これからはこれらのことも頭に入れて、お供えしようと思います。
有難いお話をありがとうございました。

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