生家を手放す
前回転職のついて質問させていただきました。その節はありがとうございました。転職はせず、今の職場でよりよく働く為にはと考えながら過ごしています。
今回質問させていただいたのは、借金を返す為にと父が決断し父方の生家を手放すことになりました。
私自身今現在も住んでおり父がどんな思いを込めて家を立て直したか知り、亡くなった大切な祖母との思い出が詰まっている分そう簡単に心の整理がつかず、それでも部屋を片付けながら一緒に心の整理もつけようと過ごしています。
が、父が決断したとはいえ1番弱っているのは父本人。どうにも割り切れない、将来が不安だと毎日塞ぎ込んでいます。励ましたり、叱ったり自分の気持ちを話したりしてみましたがどうにも効果なく、段々と私にも気持ちが伝染してきているのがわかります。
引っ越した後も鬱々とするのではと心配でもあります。私が父に出来ることはあるのでしょうか?また私自身、きちんと生まれた家とお別れしたいのですがどう気持ちを持っていけば良いでしょうか?
読みにくい文章で申し訳ありませんが、お知恵を拝借出来ればと思います。よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
一生は短い
「さあ、修行僧たちよ。お前たちに告げよう、『もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい。』と。これが修行を続けてきたものへの最後のことばであった」
(中村元訳「ブッダ最後の旅―大パリニッパーナ経」)
お釈迦様が最後の瞬間を迎えようとしていた時、傍らで泣く弟子達に対して最後の説法をなさいました。
それは「すべてのものは滅びゆくものである、おこたることなく精進しなさい」という言葉でした。
お釈迦様は約80年の人生でしたが、その間に自分の故郷の国を滅ぼされています。
本来ならば、自分が王となるはずだった国でしたが、あえなく消えていきました。
まさに「国破れて山河あり」ですね。
そうやって、色々な物事の栄枯盛衰を見つめ続けた80年だったのではないでしょうか。
ご飯すきさんのお宅も、手放すことになってさぞかし大変な時期だと思います。
どんな励ましも、今のあなたとご家族にはプレッシャ-になってしまうのかなと、心配です。
けれど、あらゆるものは、いつか必ず滅び去ります。
あなた方の家もまた、例外ではありません。
今は健在でも、百年後に残っている保証などもないし、なにより百年後にあなた方のことを覚えている人がどれだけ居るでしょう。
人も家も、その時その場所に存在はした。
けれどもその存在自体が永遠のものではないのです。
この長い長い時間の流れの中で、人の一生なんて一瞬の夢のようなもの。
過ぎたるもの、いつか滅びてしまうものに執着し、いつまでも嘆いていたら、あっという間に人生終わってしまいますよ。
生きていればお腹もすきます。
食べるためには仕事して、お金を稼ぐことも大事です、いつまでも嘆いてばかりもいられない。
事実は事実としてしっかり受けとめ、さあ、そこから次の一歩をどう踏み出すか、が大切ですよ。
おこたることなく、前を向いて歩いていきましょう
焦らずに待つ
ご飯すきさん、はじめまして。質問を拝見いたしました。
借金を返すために、ご飯すきさんのお父さまは生まれ育った家を手放したのですね。お父さまは想いがあって家を建て直し、思い出がたくさん詰まっている家を手放すことに心の整理がつかずにいるのですね。
仏教では因果必然という教えがあります。原因があれば、必ず結果がある。当たり前のことですが、因果必然には続きがあります。「自他のいのちを生かすべし」です。
うまくいくときはすべてのタイミングが合ったときです。つまり、原因と結果がぴったりと合ったときです。タイミングが合わないときは、どんなにがんばっても無駄に終わってしまいます。
焦らずチャンスを待てばタイミングがぴったりと合い、お父さまもご飯すきさんも自らの命が輝くような道を歩いて行けるはずです。
ご飯すきさんとお父さまがいのち輝く道を歩いて行けるよう祈念しております。
質問者からのお礼
林 造道様
ご心配頂きとてもお気持ち嬉しく思います。それだけで心に力が湧いてきたような気がします。
祖母が亡くなった時、何事も確実なこと、先が長いなんてことも無いのだな。いつか無くなってしまうのだなと思った事を思い出しました。
今を受け止め、それを糧にして未来をより良くする為に精進してまいりたいと思います。
ありがとうございます。
中村 太釈様
タイミング。そうですね、世の流れの中でタイミングがカチリと合わなかったんだなと、思います。そして、今このタイミングで家を手放すことが、良い方向に向かうと良いなと願っております。
今を焦らず、きちんと前を向いて歩いていきたいと思います。
ありがとうございます。