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子作りは親のエゴ?

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そもそも自分が生まれたのは親のエゴではないのかという考えが浮かびました。
うちの両親はお見合い結婚です。2人は経済的な意味か、はたまた子供が欲しいか家族が欲しいか、理由は知りませんがお見合いをしてパートナーを見つけました。恋愛結婚ではないのは確かです。
そこでなぜ両親は子供が欲しかったのだろうという疑問が湧きました。子供を育てるのに何千万、はたまた億もかかると聞きます。そんな大金をかけて、お見合いしてわざわざ相手を見つけてまで子供が欲しかった理由が私にはわかりません。
考えてみましたが子供を持っている人がよく見えた、将来介護等してもらうため、ぐらいしか理由は思いつきませんでした。
ですがこれって結局は親の望みのために子供はつくられること、子供はそれに付き合わされているということではないかと思いました。
「産んで欲しいなんて頼んでない」という反抗期真っ盛りの子が使いそうな言葉ですが、つまりはそういう考えが私の中にあります。(もう割といい歳なのでしょうが…)
私は自分自身大切に育ててもらえた人間の1人だと思います。衣食住がちゃんとしていて大学まで通わせてもらって恵まれています。返していかなせればいけない恩ばかりです。ですが、このふと浮かんだ「子供を作るのは親のエゴ」という考えが頭の中でモヤモヤして仕方がありません。
自分がつくられたのは親の望みを叶えるため。一方で俗にいう「望まれなかった妊娠」であるために降ろされる子供も親のエゴに付き合わされた。どんなときも子供は親に振り回されているように見えます。なぜ人間は子供を作るのでしょう。本能のままに子孫を残す動物と結局は同じ原理なのでしょうか。

(書いていくうちにいろんな考えが浮かび、まとまりのない文章となってしまいました、すみません。)


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

いのちへの敬意

パートナーと出会いたい、家庭をもちたい、子どもを授かりたいと望むのは自然な感情と思いますが

子どもを「作るもの」と考えるのはエゴだと思います。

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ご両親にならいましょう。

拝読しました。

あなたの考えはあなたの考え。せっかく一緒にいらっしゃるのですからご両親に聞いてみたらどうですか?

なぜ結婚したの?
お見合いだとしたら結婚してからどうだった?
なぜ私は生まれたの?

そんな話を親子ですることも大切なことと思います。
仮に親のエゴで子が生まれたとしても、子には子のエゴで自由に生きる権利があります。思い通りにはいきません。子は親に振り回され、親は子に振り回され…。

「結局は親の望みのために子供はつくられること、子供はそれに付き合わされている」と考えるのはあなたのエゴかもしれません。

これから生きる中で恋をしたりして見えてくることもあるでしょう。考えてもわからないものはわかりません。今はわからないことは身近な先輩のご両親に聞いてみましょうね。

ご両親がどうお答えになるか私にはわかりませんが、

あなたを授かった時、なんともいえない感動でうれしくもあり、おそろしくもあり、身が引き締まり、また震えたことでしょう。

その感動からは、「なぜ?」を超える道、いのちの事実を「どう?」生きるか?という道が開けることと思います。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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問題の本質

人が子供を作るのは、純粋な愛や希望や反対に寂しさ、子孫繁栄を祈る気持ち、義務感、快楽、そして、前世から続く因縁など数えきれないほどの要因に満ちており一概には語れないでしょう。

魂は輪廻します。この教えかたから言えば私達の魂自体が自身の前世の行いの影響のもと、すでに前世の時点で、今世の生を"自ら"選択しているとも言えるのです。

仏教はあくまで善く生きる為の教えですから、徹底して自己責任を求めます。誰かのせいにする事は人生を悪くすれども善くはできないのです。すなわち「誰かのせいにする」これを愚痴という悪事に位置づけます。

問題の本質はエゴかどうかではなく、現在貴方と親御さんがお互いの思いを理解しあっていない事が原因なのではありませんか?

先に申したように人生は全て自分の責任と受け止める必要があります。それには自分で選択する事が第一になってきます。親の言う通りに生きる事が必ずしも善く生きる事とは限りません。また親の顔色を伺いながら選択するなら自分を苦しめる原因を自ら作り出していることになります。

繰り返しですが、人生は必ずしも自由ではないのですが、如何なる時も誰かの選択を責めず、如何なる場合も自身で善く生きる道を強く選択し、切り開かなくてはなりません。

合掌

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山形のそれは小さなお寺の住職です。 私は子供の頃いじめられ、社会からドロ...
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息を吸うのさえもエゴですよ

生きものの活動は、全てエゴと言ってよいのかもしれません。
息を吸うのさえも、「私が死にたくない」「私は生きていたい」という「私」を守りたいエゴから来るのではないでしょうか。
子供を生むのだってそうでしょう。
また、子供として生まれてくるのだってエゴがあるからでしょう。
仏教は輪廻転生を前提に考えます。
あなたが前世で亡くなったとき、ほんのわずかでもエゴが残っていたから、また新しい生きものに生まれ変わりたいというポテンシャルになってしまい、今の親のもとに宿ったのです。
親のエゴだけでなく、赤ちゃんの側にも、先天的なエゴがあったのです。
では、本当にエゴが無くなったらどうなるのでしょうか?
本当にエゴがなくなったら、生きることに完全に満足するのでしょう。
満足したら、もうこれ以上生きる必要がないのだから、この世での寿命が尽きたなら、輪廻転生から解脱して、生きものであることから卒業するのです。
日本語でいう「成仏する」というやつです。
あなたも私も、あなたの親御さんも、「成仏」していないエゴのかたまり同士です。
大丈夫、あるがまま、お互いさま。
今はただ、許しあい、慈しみあいましょう。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

たくさんのお言葉ありがとうございました。
今まで馴染みのなかった仏教の考え方などで心が軽くなった気がします。
親と話すことや自分のエゴのことなどいろんな角度でこのモヤモヤを晴らしたいと思います。
ありがとうございました。

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