欲を満たす幸せはダメ?
初歩的な質問かもしれませんが、仏教では欲をなくそうとしますが何故欲はだめなのでしょうか?
欲を満たす幸せも結構いいものだと思うのですが
この教えがいまいち納得できないので詳しく教えて説いてください。
お坊さんからの回答 3件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
欲がいけないのではありません
仏教は「欲を無くしなさい」とは言っていません。
「欲の用い方を誤ってはいけない」ということです。
生きたい、人を幸せにしたい、自由になりたい、安らかになりたい。悟りを得たい。迷いを無くしたい。確かな真実を求めたい。困っている人の力になりたい。
これも欲でしょう。
「生きたい」と「死にたい」ならば、どっちも欲です。
仏教は、どっちを選択してもいけないとでもいうのでしょうか。
でも一体、欲のどこがいけないというのでしょうか?
そうです。つまり「欲はいけない」という仏教は間違っている、浅い仏教なのです。
今までの俗説の❝通俗仏教❞は間違いだったのか、と思ってください。
俗説の仏教は、解釈されたり、アレンジされてしまっている仏教ですから、真意からの多少のずれがあります。
それがいくら仏教であると言われているものであっても、矛盾が生じたり、それによって悩まされるという教えは、疑った方が良いのです。
勿論、聴き方が大事です。薬もお酒も、体に薬になるように❝効かせる❞のが正しい服用であって、悪く働かせるのは、間違った聞き方なのです。
欲は火だと思ってください。
Q「火は良いものか悪いものか?」
使い方を誤れば、火事になる。正しく使えば良いものにもなる。
A「良いものでも悪いものでもない活かすも殺すも自分次第」
調理、焼却、暖を取るには欠かせないものですね。
用い方を、誤らなければ自分の身を焼くことはありません。
ここに質問したい、と思う事も欲ですが、何か不都合などありましたでしょうか?
無かったはずです。ただ単純に欲が全ていけないと言っている訳ではないのです。
仏教といってもピンからキリまであります。
「正法」にあわなければ、仏教というラベルがあっても人を迷わせるものもあります。
ご用心、ご用心。
それは、正しい仏教か。
それは、正しい❝聞き方❞(捉え方)か。
欲の対象物は無常(いつか失う)から究極の幸せではない
すべては必ず変化し、壊れます。
欲の対象となるもの・ことも無常なので、欲のすべてが叶い続けることはありません。
欲だけに、幸せを頼っていると、大きな悩み苦しみにぶつかるのです。
ただし、欲を完全になくすのは4段階の悟りのうち3段階目にならないと無理だそうですから、普通の人には難しいですね。
それでも、欲をなくせなくても、欲を制御できれば悩み苦しを制御できます。
仏教は、煩悩をなくしたり制御したりして、悩み苦しみをなくしたり制御したりする教えなのです。
欲と幸せと悟りの関係について
zenshu様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
既に丹下さんもおっしゃられておりますように、全ての欲が悪いわけではなくて、問題はその内容となります。このことに関しましては、下記の拙回答でも述べさせて頂いております。
問い「幸せとは」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1019837645.html
また、幸せにつきましては、これまでにも下記の各問いにて扱わせて頂いております。
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/幸せ
「・・世間の八法(利得、損失、称賛、非難、誉れ、誹謗、楽、苦)に本当の幸せを見いだすことはできない、本当の幸せ、つまり、仏教における悟り・涅槃へと至ることが、真に幸せとなるために必要であるとして、そのための道を釈尊はお説きになられた次第でございます。・・」
また、下記の拙回答にごさいますように、欲の力を否定するのではなく、それを一気に悟りへの力へと変えようとするのが「密教」というものにもなります。
問い「仏教との出会いについて」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1002945537.html
本来、悟り・涅槃へと向けた基本的な修習では膨大な時間(三大阿僧祇劫)における修行、修養が必要となりますが、それを迅速に進める為の教えが密教としてあるものの、その「大欲」や「大楽」の扱い方を間違えてしまえば、とてつもない迷い苦しみの境地へと一気に陥ることとなってしまう諸刃の剣であり、十分なる慎重さが必要となります。
とにかく、仏教には、八万四千の法門があるとされていますように、膨大な善巧方便の教えがございます。その一つ一つの教えから、己の病気(迷い・苦しみ)に合う治療薬(無明・煩悩への対治)を、医師・薬剤師・医薬書(仏法・仏典・論書・各師)から処方・指導を頂きながら慎重に治療(修行)を進めていかなければなりません。
しっかりと学び修して参りたいものでございます。共に頑張って参りましょう。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
丹下 覚元さん、回答ありがとうございます。
欲は絶対悪ではないのですね。
仏教が間違ってるとは考えても見ませんでした。
願誉浄史さん、回答ありがとうございます。
仏教の、苦しみの原因が欲で欲が無くなれば幸せになれるという考えがいまいち納得できなくて
川口英俊さん、回答ありがとうございます。
密教は知らなかったのですが。そのような裏技みたいな技があったんですね。教えていただいてありがとうございます。興味が出てきました