hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

先祖供養したい

回答数回答 1
有り難し有り難し 8

義母が、ウチは無宗教と言っている事に、将来的な不安を感じます。

もともと義父は四男で分家しており、檀家ではないとは思うのですが、仮に義父や義母が亡くなった場合は位牌も要らないし念仏もいらないと義母に言われました。理由は、もともと仏事に興味がなく、値段も高額だからと。
ただ、墓は宗教を問わない墓地を購入済みです。

私は実家の田舎で、先祖供養は大切と仏事は欠かさない家で育ったので、義母の言葉に戸惑いを感じます。
義父の家は代々続く家で、真言宗の檀家だそうです。私の実家の母の家も真言宗で、義父から聞いた時に仏縁というのか分かりませんが、嬉しかったです。
でも、義母と夫もウチは分家だから本家が真言宗であるとかは全くどうでもよくて、亡くなったら全て無くなるのだからどこの寺も必要ないといいます。本家と分家は、仏教的に何も関係ない存在なんでしょうか?
義父と義母が亡くなった時を思うと、私はやはり真言宗でと思うのです。それは、私の勝手な思い込みですか?
私は、本当は本家のお墓まいりもしたいのですが、義母も夫も本家とは折り合いが悪くて付き合ってないから行かなくて良いと言います。
先祖あってこそ今の自分がいると思うので、やはり感謝の気持ちを夫の先祖にも伝えたいのですが、本家の墓参りをする以外に何か先祖供養する方法はないでしょうか?


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「無宗教」という宗教(生き方)

こんにちは、ご相談拝読いたしました。

宗教というものは生きる「宗」(中心)となるものですから、やはりご本人の意思が大切です。

「無宗教」と言う方は「今ある既存の宗教のどの生き方にも私はあてはまりません」という生き方なのであり、ある意味では「家の宗教は代々これだから私もそれで」という方よりも強く生き方を問い求めているのかもしれません。現時点では「自分教」といったところでしょうか。

さて、義実家のご両親にもしものことがあった場合ですが、これはもちろん本人の意思が尊重されるところではありますが、残された方々がどのような形で故人を送り出したいのかを話し合う事となります。喪主様を中心にお話し合いをするしかないのでしょう。もちろん本家が真言宗だったので、とりあえず真言宗でというのもご縁ですし、唯物論だったから直接火葬でよいと喪主様中心にまとまるのであればそれでもかまわないのかもしれません。

大事なことはいしまゆ様ご本人の信仰でございます。「先祖あってこそ今の自分がいると思う」といういしまゆ様のきもちはどこからどこにはたらきかけられているのでしょうか。それはお墓からでも、お骨からでも、義実家からでも、実家からでもなく、仏様としておはたらきになるご先祖様から直接いしまゆ様の心にはたらきが届いておるのではないでしょうか。
つまり、場所にとらわれることはありません。

いしまゆ様がご主人とよく話し合い自分たちの生きる宗となる宗教を選択し、ご自宅にご本尊を安置してそこでご供養なさればよいのです。ご先祖様は仏様としておはたらきですので、一つの場所に縛り付けられるものではありません。

しかし、人間というものはそこにもう故人がいないことはわかっていても、なぜか故人に遇うという意味でお墓の前に立ちたくなる時があることも事実です。
いしまゆ様がご親族の関係云々といった小さなカテゴリの話でなく、今まさにいのちをいただいているものの一人として、ご縁をいただいたご主人のご先祖のお墓参りをしたいというならば、個人の宗教行為として周りの方の理解を得るしかないのでしょう。

いずれにしても、ご自身の信仰を一番に大切に考えた上で、周りの方とはよく協議し、現実的な選択ができますことを念ずるばかりです。

奥歯に物が挟まったような物言いとなりましたが、それぞれの信仰・宗教・生き方が問われているわけです。

{{count}}
有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

早速の返信をありがとうございます。
義母は、常日頃から「宗教じゃなくて自分自身を信じてればいいの!」と言っており、その強さに羨ましさもあります。ただ、私はそこまで自分自身を信じきれないし、無宗教と言われるとすごく心細いきもちがしていました。
ご回答の文章を何度も読み返し、自分が先祖供養を願うのは、ご先祖様が働きかけてくださっているからということに、とても感動しました。
そして、先祖供養する場所は問わないことにも深く安心しました。
今後は、夫が反対しなければ家に小さな仏壇を置くか、真言宗のお寺などでご先祖様に感謝を伝える事にしたいと思います。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ