回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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お檀家さんとも時々この話題になるので、調べたほうがいいんだろうなぁと思いつつ先延ばししていました。良い機会なのでザックリ調べてみました。
・前提
本来、字が読めることは当たり前ではありません。じゃあどうするか?絵や彫刻を使って布教します。こういうやつです↓
http://blogs.yahoo.co.jp/kassy1946/70625286.html
字が読めるなら子供が絵に「お父さん」「お母さん」「ぼく」と添えるように「お釈迦さま」と書けばいいですが、一文字も使えない場合どうするか?「麦わらのルフィ」みたいにシルエットだけでも仏様だと分かる特徴が必要なわけです。だから皆様似たような髪型です。
・意味
今となっては仏像は礼拝の対象ですが、昔は教科書でもありました。だから仏様の特徴にも仏教的な意味が込められています。この辺の解説は華厳経(けごんきょう)というお経が定番です。
仏教漢文を貼っても誰得なので、私なりにかなーりデフォルメして書きますと、
「卍型の右回りの髪型」(如卐(卍)字髮。螺文右旋髮)などの仏様の髪型、つまり螺髪や、「宝珠のような菩薩様の髪型」(合髻明珠)は、「人々の煩悩を取り除くことができ」(能滅衆生一切煩惱)、「光を放ってすべての世界を照らす」(得光明髮。其光普照十方世界)と書かれています。
ここで卍は言わずと知れた仏教の象徴、宝珠は仏の智慧の象徴、光明も仏壇のローソクの説明でよくあるように仏の智慧の象徴ですね。要するに仏教の智慧は煩悩を取り除くことができますよ…仏様の智慧は皆さんを救うのですよ…と、こういうメッセージなのです、多分。ルーツは別の話として。
・余談
なお、私はお釈迦さまの頭がいつも0ミリだったかどうかには懐疑的です。最古層の仏教教団は「少なくとも二カ月に一回あるいは髪の長さが指幅二本分に達する前に剃髪」という決まりでした(佐々木閑『出家とはなにか』大蔵出版)。だから上座部の方では今でも割と黒々としています。
http://gh51.blog96.fc2.com/blog-entry-640.html
戒律って時代とともに緩くなるイメージがありますが、実は逆です。特に最近の日本人はテーブルマナーでもビジネスマナーでも、何でもガンガン神経質にします。しかも排他的な気質で。これは心の健康のためにならない方向性だと感じます
「真理」のお姿
よかった、光禪 師が難しいことを解説してくれて安心しました(笑)
お釈迦様の身体的特徴は「三十二相八十種好」にまとめられていますが、かなり初期の経典から身体的特徴に触れる記述があり、経典によって少し違いもあるようです。
しかし、人間であったお釈迦様のはずがどうしてこんな人間離れした姿になってしまったのでしょうか。
そこにはお釈迦様をお釈迦様たらしめた「真理」、つまり姿形を超えたものをなんとかして表現したいとの願いが込められているのではないでしょうか。
ですので、どの仏様であっても「真理」に目覚めたものとして同じ特徴である「三十二相八十種好」を顕すものとされたのでしょう。
しか~し!
そもそもお釈迦さまって出家したんだからツルツルじゃね?
という疑問は残ります。古くに定められた律(教団の決めごと)にも一定の頻度で剃髪することが定められており、お釈迦さまもそうなさっていたことが推測されます。
剃髪していない時期には多少髪が生えていたでしょうが、そんなちょっとみすぼらしい?姿を仏像にしたとも考えにくいです。
そこにはやはり「権威付け」と言いますか、お釈迦さまを尊び、慕った人たちがいかに高貴で尊厳ある姿にするか知恵を絞った歴史があらわされているのではないでしょうか。
その証拠に、初期の仏像はギリシア風のウェーブの髪であったり、頭上が巻き貝型のマトゥラー仏があったりするようで、螺髪は3世紀以降の特徴らしいです。
当時の王侯貴族の髪型であるとか、ギリシア彫像の踏襲であるという説もあるそうですよ。
仏像史も人々の願いとそこにあらわされた教えに視点をあてて見てみると面白いものです。
お釈迦様の特徴のひとつです
こんにちは。
ここhasunohaサイトの右側にある広告の所に「螺髪ニットキャップ」という商品が時々出てきますね。
あのようなパンチパーマのような髪型を「螺髪(らほつ)」といいます。
仏さま(お釈迦さま)のお姿は「三十二相八十種好」といって全部で112の特徴があるとされます。仏像や仏画はそれに準じて描かれたり作製されたりしています。「螺髪(らほつ)」は「八十種好」のうち78番目の「髪旋好」79番目の「髪色如青珠」に基づいています。昔のインドの階級の高い人達の髪型に由来していると言われています。
「螺髪ニットキャップ」には他にも「三十二相八十種好」のうち「肉髻(にっけい)」や「耳輪垂成(じりんすいじょう)」も再現しているそうです。
(いや別にこれを作っている会社から何かもらっている訳ではありませんよ笑)
お釈迦様はレゲエ頭だった?
釈迦族の王子だったお釈迦様の髪型は、長髪で、細かい三つ編みをたくさんつくり、それを頭のてっぺんで束ねているヘアースタイルだったと聞いたことがあります。
京都嵯峨野の清凉寺にある釈迦如来像(たぶん国宝)は、三国伝来(インド→中国→日本)の釈迦如来像だと言われていますが、その仏像の髪型は、パンチパーマみたいな「らほつ」ではなく、長髪三つ編みを束ねているようにも見えます。
もしかしたら、仏像を見た後世の人々が、出家者イコール坊主頭という先入観で仏像を見たため、頭の模様を三つ編みではなくパンチパーマ、頭上の盛り上りを髪のお団子ではなく肉のでっぱり、だと勘違いしたのかもしれませんね。
質問者からのお礼
光禅さん
初耳でした。勉強になりました。うーん怪しい…(笑) ありがとうございました。
吉武さん
なるほど、ヘレニズムの影響ですか。目から鱗でした。ありがとうございました。
願誉さん
へえ!お釈迦様ってレゲエ頭だったんですか(笑)びっくりしました。ありがとうございました。
大慈さん
色々と詳しいお話、ありがとうございました。仏像が教科書だった、というお話が興味深いです。