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仏様の髪型

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有り難し有り難し 56

なんで仏様って皆様似たような髪型なんですか?


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

他のご回答に乗っかりつつ、さらに一歩

お檀家さんとも時々この話題になるので、調べたほうがいいんだろうなぁと思いつつ先延ばししていました。良い機会なのでザックリ調べてみました。

・前提
本来、字が読めることは当たり前ではありません。じゃあどうするか?絵や彫刻を使って布教します。こういうやつです↓
http://blogs.yahoo.co.jp/kassy1946/70625286.html

字が読めるなら子供が絵に「お父さん」「お母さん」「ぼく」と添えるように「お釈迦さま」と書けばいいですが、一文字も使えない場合どうするか?「麦わらのルフィ」みたいにシルエットだけでも仏様だと分かる特徴が必要なわけです。だから皆様似たような髪型です。

・意味
今となっては仏像は礼拝の対象ですが、昔は教科書でもありました。だから仏様の特徴にも仏教的な意味が込められています。この辺の解説は華厳経(けごんきょう)というお経が定番です。

仏教漢文を貼っても誰得なので、私なりにかなーりデフォルメして書きますと、
「卍型の右回りの髪型」(如卐(卍)字髮。螺文右旋髮)などの仏様の髪型、つまり螺髪や、「宝珠のような菩薩様の髪型」(合髻明珠)は、「人々の煩悩を取り除くことができ」(能滅衆生一切煩惱)、「光を放ってすべての世界を照らす」(得光明髮。其光普照十方世界)と書かれています。

ここで卍は言わずと知れた仏教の象徴、宝珠は仏の智慧の象徴、光明も仏壇のローソクの説明でよくあるように仏の智慧の象徴ですね。要するに仏教の智慧は煩悩を取り除くことができますよ…仏様の智慧は皆さんを救うのですよ…と、こういうメッセージなのです、多分。ルーツは別の話として。

・余談
なお、私はお釈迦さまの頭がいつも0ミリだったかどうかには懐疑的です。最古層の仏教教団は「少なくとも二カ月に一回あるいは髪の長さが指幅二本分に達する前に剃髪」という決まりでした(佐々木閑『出家とはなにか』大蔵出版)。だから上座部の方では今でも割と黒々としています。
http://gh51.blog96.fc2.com/blog-entry-640.html

戒律って時代とともに緩くなるイメージがありますが、実は逆です。特に最近の日本人はテーブルマナーでもビジネスマナーでも、何でもガンガン神経質にします。しかも排他的な気質で。これは心の健康のためにならない方向性だと感じます

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おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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「真理」のお姿

よかった、光禪 師が難しいことを解説してくれて安心しました(笑)

お釈迦様の身体的特徴は「三十二相八十種好」にまとめられていますが、かなり初期の経典から身体的特徴に触れる記述があり、経典によって少し違いもあるようです。

しかし、人間であったお釈迦様のはずがどうしてこんな人間離れした姿になってしまったのでしょうか。

そこにはお釈迦様をお釈迦様たらしめた「真理」、つまり姿形を超えたものをなんとかして表現したいとの願いが込められているのではないでしょうか。

ですので、どの仏様であっても「真理」に目覚めたものとして同じ特徴である「三十二相八十種好」を顕すものとされたのでしょう。

しか~し!

そもそもお釈迦さまって出家したんだからツルツルじゃね?

という疑問は残ります。古くに定められた律(教団の決めごと)にも一定の頻度で剃髪することが定められており、お釈迦さまもそうなさっていたことが推測されます。
剃髪していない時期には多少髪が生えていたでしょうが、そんなちょっとみすぼらしい?姿を仏像にしたとも考えにくいです。

そこにはやはり「権威付け」と言いますか、お釈迦さまを尊び、慕った人たちがいかに高貴で尊厳ある姿にするか知恵を絞った歴史があらわされているのではないでしょうか。

その証拠に、初期の仏像はギリシア風のウェーブの髪であったり、頭上が巻き貝型のマトゥラー仏があったりするようで、螺髪は3世紀以降の特徴らしいです。
当時の王侯貴族の髪型であるとか、ギリシア彫像の踏襲であるという説もあるそうですよ。

仏像史も人々の願いとそこにあらわされた教えに視点をあてて見てみると面白いものです。

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おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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お釈迦様の特徴のひとつです

 こんにちは。

 ここhasunohaサイトの右側にある広告の所に「螺髪ニットキャップ」という商品が時々出てきますね。
 あのようなパンチパーマのような髪型を「螺髪(らほつ)」といいます。

 仏さま(お釈迦さま)のお姿は「三十二相八十種好」といって全部で112の特徴があるとされます。仏像や仏画はそれに準じて描かれたり作製されたりしています。「螺髪(らほつ)」は「八十種好」のうち78番目の「髪旋好」79番目の「髪色如青珠」に基づいています。昔のインドの階級の高い人達の髪型に由来していると言われています。

 「螺髪ニットキャップ」には他にも「三十二相八十種好」のうち「肉髻(にっけい)」や「耳輪垂成(じりんすいじょう)」も再現しているそうです。
 (いや別にこれを作っている会社から何かもらっている訳ではありませんよ笑)

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おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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お釈迦様はレゲエ頭だった?

釈迦族の王子だったお釈迦様の髪型は、長髪で、細かい三つ編みをたくさんつくり、それを頭のてっぺんで束ねているヘアースタイルだったと聞いたことがあります。
京都嵯峨野の清凉寺にある釈迦如来像(たぶん国宝)は、三国伝来(インド→中国→日本)の釈迦如来像だと言われていますが、その仏像の髪型は、パンチパーマみたいな「らほつ」ではなく、長髪三つ編みを束ねているようにも見えます。
もしかしたら、仏像を見た後世の人々が、出家者イコール坊主頭という先入観で仏像を見たため、頭の模様を三つ編みではなくパンチパーマ、頭上の盛り上りを髪のお団子ではなく肉のでっぱり、だと勘違いしたのかもしれませんね。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

光禅さん

初耳でした。勉強になりました。うーん怪しい…(笑) ありがとうございました。

吉武さん

なるほど、ヘレニズムの影響ですか。目から鱗でした。ありがとうございました。

願誉さん

へえ!お釈迦様ってレゲエ頭だったんですか(笑)びっくりしました。ありがとうございました。

大慈さん

色々と詳しいお話、ありがとうございました。仏像が教科書だった、というお話が興味深いです。

「仏像・仏様・阿弥陀・観音」問答一覧

神様も仏様も、必ずしも信じられない

以前「何を信じて生きていけばいいかわからない」ということで投稿させていただき、ご回答もいただいたのですが、やや気になる点があり追加で質問させていただきたく。 自分としては誠実にあろうと生きたつもりでした。 でも、家族間でも、仕事でも、あったことをなかったことにされてみたり、なかったことをあったかのようにされてみたりで責められ、うつ病にもなり、とうとうここ1年半くらいは引きこもりや寝たきりに近い状態になってしまいました。 物の善悪も、何を信じて生きていけばいいかもわからなくなりました。 それでも回答をいただき、自分を大切にして、やはり今までの自分を信じて誠実に生きていく方が良い方向へ向かえるだろうと思えてきました。 そうする中で、もう一回本気で取り組める仕事にも出会いたいし、楽しい趣味も見つけたいし、心穏やかに落ち着いて生きていきたいとも考えています。 ただ、「神様や仏様は見ている」という言葉が回答の中にあり、少し暗い気持ちも残ってしまいました。 神様や仏様がいるのなら、どうしてここまで至る前・・・あの時に助けてくださらなかったのか。あの時、あのひどい扱いをしてきた者たちに報いを与えて下さらなかったのか。もし私が間違っているというのなら、こうなるまでにそれを教えて下さらなかったのか。何ならば、今の私を救ってくださらないのか。何が足りないというのか。 そんな汚い感情を払拭することが出来ません。「神様仏様はそういう都合のいいものではない」、もしかすると「私が以前の何かの報いを受けているだけだ」、と言われてしまうかもしれませんが・・・。 そう考えると、 『本当に今まで通り真面目に誠実に生きる方向で大丈夫なのか?』 『今までの道徳をすべて捨て去るようなこともしなくていいのか?』 『それで「誰かに都合のいい人間」でなく、自分が良い人間となり、よき人生を送れるのか?』 汚い感情と一緒に、まだそういう迷いも多少残っています。 「よき人生を送れるかはわからないけど、無理に全部変えないで、今までのものをアップデートする形で十分じゃないかな」とは思うのですが。 神様や仏様に求めすぎるような汚い思いや、そもそも神様や仏様といった存在にどう向かいあうべきなのか。そして落ち着いた心で生きるためのアドバイスをいただけますと幸いです。

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薬師観音様にご挨拶した時のことについて

#お参り#仏像・仏様・阿弥陀・観音 初めて相談させて頂きます。 ありがとうございます。 観音様にご挨拶した時の不思議な体験について、何か気づきを得させて頂ければと思い投稿させていただきます。 よろしくお願いいたします。 先日、お客さんから、川見四季桜が綺麗だったよ、栗きんとんが美味しいよと教えて頂き、天気が良い日に母と出かけました。 可愛らしい桜と、綺麗に赤く染った紅葉と、綺麗な和紙の作品と色々見て、有難く大満足な1日でした。 桜と紅葉を楽しんでいたところ、川見薬師寺に続く階段を見かけて、ご挨拶しようと、急な階段でしたので慎重に登って行きました。 やっとの事で登りきると、正面少し奥に、薬師観音像が見えました。 その時、観音様は私から見て右真横を向いていましたが、一瞬で正面を向かれ、目が合いました。 明らかに目の前で起きた事への理解が追いつかず、何か見てはいけないものを見てしまったのではないかと暫く見つめ合ったまま固まってしまいました。 母に促され、観音様の目の前まで来て、先程のことは一旦離れて、感謝とご挨拶をしました。 先程感じた強い違和感は無いものの、やはり目が合い、微笑んでいるように見えました。 ふと、右真横の目線の先が気になり、確認しに行くと、お寺で飼われている、老犬がいました。 わんちゃんにも挨拶したあと、少し下った先にあるお清めの水が湧き出ている場所に行き、そちらの観音様にご挨拶した際も、やはり目が合い微笑んでいる感じがあり、また呼吸して生きている様に見えました。 その日は1日とても楽しい体験をさせて頂き、ありがとうの気持ちでいっぱいでした。 加えて、人生で初めての体験、感覚ばかりでしたので、不思議に思っております。 拙い文で申し訳ありません。 改めて、よろしくお願いいたします。

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観音様へのお願い事について

とある観音様が祀られているお寺にお参りに行った際の事ですが。 初めて訪れたお寺でした。 ウロウロしていると案内して下さる方が出てきて、一通り大まかに説明して下さって、そしてお参りする際に、 「~いくらでもお願い事して大丈夫ですよ~」 と、確か言った気がしました。 一瞬「聞き間違えたかな?…」と思ったのですが…。 観音様のご利益を検索すると、 「…あらゆる願い事を叶える、救いの手を差し伸べる、云々…」らしく載っているのを散見できます。 ですが、参拝者がお参りする際、お賽銭(お布施)って、5円、10円、100円…とか小銭をする場合が凡そ大抵だと思います。 知識がある人なら封筒包で千円単位を包む事はあると思いますが、少数かと思います。 ※ちなみに、神社へのお参りの場合、願い事の規模の大小に依ってそれなりの金額をお賽銭すべきであろぅ、といぅ意見/考え方を聞いた事はあります。 いくらでもお願い事して大丈夫…とは言え、小銭程度で5個も10個ものお願い事するって対価に合わないんじゃ…と想像したのですが、 「Q:そもそも観音様ってお賽銭の額が小銭だから云々…に関わらず、人々の願い事を個数に拘らずに聞いてくださる仏様なのだろうか?という素朴な疑問です」 まぁ、他の仏様、如来/菩薩/明王様…の場合はどうなのか、も詳しく存じ上げていませんが。

有り難し有り難し 15
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ