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祖母の死

回答数回答 2
有り難し有り難し 47

先日祖母が亡くなりました。両親共働きだった私は幼少時から同居の祖母に面倒を見てもらっていて、筋金入りのおばあちゃん子でした。

せっかくおばあちゃんが99才まで長生きしてくれたにもかかわらず、生涯を通じて十分な恩返し、特に結婚して実家を離れてから10年ほどの晩年期は何一つおばあちゃん孝行しないまま、老衰で亡くなってしまいました。

孝行できなかったのではなく、孝行しようと思えば時間もお金もあったのに、なぜか、しなかったのです。実際におばあちゃんを亡くしてみてようやくことの重大さに気づき、底なしの恐怖と後悔を感じ涙が止まりません。

出来たことといえば、私が20代~30台前半のころに合計3回ほどおばあちゃんを短い旅行に連れて行ったこと、また嫁さんを紹介できたこと、ひ孫を見せられたこと、たまに顔を見せにだけ実家に行っていたことぐらいです。本当にそれだけです。生涯を通じて、おばあちゃんに感謝を伝えることはおろか、語り合うようなレベルの会話は一度もしませんでした。

40才前後にもなって、また実際に祖母を亡くしてみて初めて、このような重大なことに気が付くような大馬鹿愚か者の自分に嫌悪の極みです。

子供のころはおばあちゃんを大切にしなければと強く意識していて、おばあちゃんが死んだりしたらどうしよう大変だと子供心に恐怖していて、その気持ち自体は持ち続けていたつもりなのに、今思えばどうでもよい仕事や付き合い、自分の楽しみなどを優先し続けてしまったこと、また老いが深まっていくおばあちゃんを見ても、死を間近にしたおばあちゃんを見てさえも、本当に死ぬこととなぜか結び付けられていなかった自分の馬鹿さ間抜けさ加減に、本当に自己嫌悪しかありません。

後悔したところで文字通り取り返しがつかないこと、他の質問を参照して、おばあちゃんにできなかった恩返しを両親や身近な人にしていくしかないことも理解しているつもりですが、心が散り散りすぎて思わずこちらに記載させていただいている状況です。

質問になっておらず申し訳ありません。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

どれだけ涙がこぼれようとも、愚かな自分が明らかになろうとも

おばあさまがご往生なされたことに哀悼の誠を捧げます。南無阿弥陀仏。
room335さま、はじめまして。ご相談一緒に考えさせていただきます。

実際におばあさまを亡くしてみてようやくことの重大さに気づき、底なしの恐怖と後悔を感じ涙がとまりません、とのこと。そして、大馬鹿愚か者の自分に嫌悪の極みを感じておられる。

おばあさまはどう思っているでしょうね。もちろん私にはわかりません。
ただ、お言葉を辿らせていただきますと。
おばあさまは筋金入りのおばあちゃん子をお育てなさった。
これ一つのことからも、お互いを大事に思っていることが伺い知れます。
おばあさまも大変なご苦労はあったでしょうが、得難い時間を過ごしていた証がそこにあるのではないでしょうか。

「愛別離苦」が示すのは、ひとたび出会ったものは、どれだけ愛していようが、大切に思っていようが、その思いの軽重に依らず、別れ離れていかねばならないこと。まさに、おばあさまがその身を通して教えてくださったことでありましょう。頭では理解していたはずのいのちの教えを改めて大事に受けとめていかねばなりませんね。

孝行は、人を大切にすることとも言われます。おばあさまをこれからも大切に思い、おばあさまからいただいた教えを道しるべとする。ご恩に報いて歩む。どうやら、亡くなられた後でもできる孝行はありそうです。

しかしながら、ひとつ申し伝えたいことがあるのです。
おばあさまにとって大事なのは、「孝行なあなた」ではなく、「あなた」なのではないでしょうか。どれだけあなたが孝行したいと思っていても、そのことに関係なく、慈悲の心でもって優しく包み込んでくださる。ご往生されてからも、仏さまとして変わらずあなたのことをこれからも照らし続けてくださるのです。参りましたね。私たちはいつでもお育ていただくばっかりです。

どれだけ涙がこぼれようとも、愚かな自分が明らかになろうとも、
どんなあなたであろうとも、
いつまでも、どこまでも、導き、照らす仏と成る。
有難く、申し訳なく、あたたかい。

南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。

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都内の浄土真宗本願寺派の小さなお寺で住職をしております、いっしょうと申しま...
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それでもお祖母様はあなたを見守り続けています

拝読させて頂きました。あなたのお気持ち痛い程にわかります。私もそうだからです。あなたのおっしゃるとおり後悔先に立たずです。私も深い後悔や懺悔や己れの愚かさにのたうちまわる様な思いを致しました。
ただそれでもお祖母様はあなたをこれからもずーっとお見守り続けてくださいますよ!あなたとお祖母様とのご縁は永遠に切れることはありませんからね。あなたの身近でずーっと守り目には見えなくても正しく導いてくださいます。
あなたはお祖母様をこれからも思い真心込めてお祖母様のご往生ご成仏を仏様に念じて南無阿弥陀仏とお念仏おとなえなさってください。そしてお祖母様にこれからもどうかよろしくお願いしますと念じてくださいね。
あなたのそのお気持ちは必ずやお祖母様に届きます。そしてお祖母様は喜んでくださいます。
人は自分が大切だと思う方からお願いされることは何よりも嬉しいことです。
これからも合間合間にお祖母様への思いを真心込めて捧げてくださいね。
あなたがこれからもお祖母様に見守られながらご家族の皆さんといつも仲良く助け合い、心安らかにご成長なさって頂きます様にと仏様やご先祖様方にお祈りさせて頂きます。
大丈夫です。いつもいつまでもお祖母様はあなたを見守り続けてくださいます。そしてお喜びくださいますから。

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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

ご回答いただきありがとうございます。心より御礼申し上げます。

社会人になってからいろんなところに連れて行ってあげればよかった、楽しくお酒を飲み交わせばよかった、感謝の気持ちを何度も伝えればよかった、なのに自分は自分のことばかり優先して、、、本当に後悔ばかりです。

私自身が今祖母がいないことに対して感じている寂しさを、生前祖母が私に対して感じていたのかなと思うとやはり胸が張り裂けそうです。

祖母と同じ寂しさを今後生涯にわたり背負い続け供養し続けることをせめてもの罪滅ぼしとし、また祖母から受けた愛情を返せなかった分は両親や家族に返していきたいと思います。そしてせめて自分と同じような愚行を周囲の人が犯さないよう、話していければと思います。

高山様、ご回答いただきありがとうございます。心より御礼申し上げます。

まだ涙がとめどなく流れてきてしまいますが、祖母から注いでもらった愛情と幸せを、幼いころ祖母と過ごした温かく懐かしい時間を、ひ孫を見せられた喜びを、祖母に会えなくなったこの悲しさを、祖母からのいのちのおしえを、ずっとずっと胸に深く刻み付けたまま、生涯祖母を供養していきたいと思います。

南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。

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