戒名の意味
こちらで戒名を載せていいものか悩みましたが、どなたかアドバイス頂けますでしょうか。
先日、最愛の実母が亡くなりました。長い長い闘病生活、長くはない命と分かっていながらも素直になれず困らせたり、もっと何かをしてあげればよかった、の後悔ばかりの日々を送っています。
私達(姉がいます)に父親はいません。母の葬儀が人生初の葬儀(幼少期に祖母がなくなりましたが記憶に薄いです)となり、姉が喪主となり2人で右も左も分からないまま、ただ母の旅立ちをしっかりととの思いで通夜告別式を執り行いました。
準備段階での事です。母に戒名を頂くために、母の両親を連れ、ご先祖様のお墓のあるお寺の住職さんに戒名のお願いしました。しかし、住職さんはお年を召してるのか全くこちらの話を聞いて下さらず、ただただ同じ事を繰り返し言うのみ。遠方だったので、一度戒名をつけて頂きたいと電話で伝えた際に姉がうまく伝わっていないと思う、と言うので心配になりいざ出向いてみるとすでに戒名が決まっていました。電話で伝えたのは名前と歳のみです。
私達はお恥ずかしながらあまり知識がなくネットなどで調べるのが精一杯です。戒名とは、俗名から一字、人柄から一字、というのは間違った情報でしょうか?
母の戒名は、瑞雲蓮花妙○○大姉霊位、です。○○の部分には母の俗名がそのまま入っています。意味を伺っても、読み方しか教えてくれず、母の両親に訴えても、もう決まったみたいだから、と。
もちろん、頂いた戒名に不満があるわけではありません。ただ、人柄なくして戒名がつくのか、どういった意味合いなのかが知りたくて投稿させて頂きました。
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
お戒名は、「子供の名を付けるが如し」
みつままさん、ご質問ありがとうございます。
私は、奈良県浄土宗のお坊さん、鷲尾隆仁と申します。
どうぞよろしくお願い致します。
勇気を振り絞って戒名のご質問ですが、
宗派によって異なりがあるので、
私(浄土宗)の意見だけもうさせて頂きます。
私自身は、
故人を良く知っている場合は、
当方で考え、お戒名を付けますが、
故人の生前中を存じ上げない場合は、
ご家族から、色々な情報を仕入れて付けるようにしております。
例えば、
故人のお仕事や趣味、優しかったか厳しかったか、
配偶者のお名前、お子様のお名前とか、
ご家族に、「故人を漢字で表すと」など質問しております。
それらの情報をまとめて、考えに考えて戒名を付けるようにしております。
以上のような手順で一生懸命考えても、
「ご家族に否定されたらどうしよう?」と、
お戒名を授けるのは、
僧侶としても、かなり緊張する場面です。
お戒名の付け方には、
人それぞれ、宗派それぞれの方法がございますが、
授けたお戒名への思い入れは同じだと思います。
「頂いた戒名に不満があるわけではありません。」
との事ですので、心配しておりませんが、
一度、授けられたお戒名についてご説明頂いても良いのかも知れません。
素晴らしいお名前だと思います
戒名というものは、亡き方の徳を表すのみならず、遺族も、喪に服す【忌】…❝己の心に向き合う❞忌中にその名の通りに参ずれば、必ず遺族らも悲しみを乗り越え、故人さまと一体になり智慧と慈悲の心をそなえ悟りを開けるようにと、仏法にのっとって名づけるのが禅宗、禅門の慣わしです。
「瑞雲蓮花妙○○大姉霊位」
あなたがいついかなるところにあってもお母様の息吹を感じられるお名前であるように見受けられます。
お寺には過去帖もありますし、お母さまが生前お寺にお参りに来られる際の様子などからも、お人柄は十分ご住職さんには伝わっていたのであろうと思います。
【瑞】…瑞兆、瑞光、瑞穂などにあてられるように生死を超越しためでたいこと。
吉祥なる意味。この世の生滅流転、輪廻、苦楽の浮き沈みを離れた様子。
美しいさま。日本は瑞穂の国と呼ばれるように、小麦黄金の実りが一面に広がっている様子で、袈裟の色=仏法が実った様子、心が良く耕され、豊かなる実りを得た意味合いがあります。
【雲】…流転の様子。無(亡)くなったのではなく、縁によって随所に姿を現し、いつでも一家一族を覆ってくださり、また集まりては、法雲・法雨となって心の渇きをうるおしてくれる力を持った仏の慈しみの心の象徴。
「悲体の戒は雷の如くに振い、慈意妙大いなる雲の如し、甘露の法雨を注いで煩悩の炎を滅除す」(妙法蓮華経観世音菩薩普門品)
【蓮】…蓮の花は泥の沼にあっても泥の色に染まらぬように、常に執着を離れて、真新しい花を咲かせる。多くの人を救ってくれる心のはたらき。過去に染まらぬ常に真新しいありようで咲き続けている様。過去の様子を一所もとどめない無執着、不染汚(ふぜんな)悟りの境涯をあらわす。
【花】…万人を喜ばせ、安らかな気持ちにさせる。多くの人から愛されて、多くの人に芳香を放つような徳のある生き方をされた。
【妙】妙法、妙光、涅槃妙心、この上ない、素晴らしいありかた。
戒名には、ご遺族の方々にも、生前の故人様の徳、智慧、慈悲を慕い、そのようでありなさい、という示しがあります。
お母さまの徳を慕われ、多くの方々に慈悲を与えられるような生き方をなさることが、お母さまへの報恩の功徳となりましょう。
謹んで、ご母堂様の冥福をお祈り申し上げます。合掌
決まりではありません
お祖母さんの戒名がどうだったのか気になりますが。よくあるというだけです。必ず「名前1文字と人柄1文字」という決まりは ありません。
お母様の場合、むしろ、お名前の漢字が戒名向きだったと推測されます。戒名になると読み方が名前とは違う場合が多いですが。逆に、一文字くらい名前から使ってあげたいのだけど、使いにくい場合もありますよ。
さらに、書かれた戒名ですが、何の情報無くても、亡くなった時季と年齢のニュアンスが伝わってくる よいものだと思います。
最愛のお母様を亡くされ、大変お悲しみでしょう。初めての仏事で、いろいろ疑問に思いますよね。細かいルールがあったり、逆にキチッと理由や正解がなかったりの世界です。時間をかけてゆっくりと馴染んでもらえたら、理解が深まると思います。
質問者からのお礼
浄願寺 鷲尾 隆仁 様
禅僧 むらた 様
安穏寺 丹下 覚元 様
皆様、お忙しい中ご回答頂きありがとうございます。初めてのことばかりで、疑問に思う事不安に思う事などがたくさんありどちらに相談していいのかわからない中で、こちらのサイトを通し御三方にご回答頂けどれだけ安心出来たことか、言葉でお伝えするのが難しいくらい感謝をしております。
まとめてのお礼になり申し訳ありません。本当にありがとうございました。