49までの道のりを教えてください。
先月、母が他界しました。
生前とても苦労して病気になり辛いまま逝ってしまいました。
魂となった母は成仏するまでの49日は審判を受けているとお葬儀の方にお聞きしました。
ネットで調べてみるととても怖い事ばかりで拷問のような仕打ちばかり書いてありました。
魂になってからも苦労してるんでしょうか?今どういう状態にあるんでしょうか私の近くに母はいるんでしょうか?
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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あなたの生き方がまさに問われている
➀亡き人は今苦しんでいるのではないだろうか、という思いを起こしているのは誰でしょうか? あなた=「わたくし」 でありましょう。
➁そういう思いが起こるという事は、あなたのお母さまに対する生前のあり方から、今日までの過ごし方に「何か引っかかる処」があると言えるのではないかと思います。
「わたくし」 的な生き方をしてきたのではないでしょうか?
そこに嘘をついてはいけません。
仏教の審判とはそこにあります。
閻魔に舌を抜かれるとは、本心はごまかしがきかないという事です。
地獄の閻魔とは本心。良心の呵責。
本当に誠実に生きていたかどうかがお母さまにも、あなたにも問われているのです。
どこかしら隠していることがあるのであろうと思います。
その隠してきたツノが今、現われてきたという事なのです。
人間の良心、本心は絶対に隠せないということを説いたのが地獄絵図です。
無私にして、無我なる心こそ、仏の心に通じるものです。
四十九日、百か日とは、禅宗・曹洞宗においては、亡き人と❝共に❞一緒に仏に成る事の目安が四十九日でもあります。
あなた自身が、お母さまを救えるような、慈悲に満ちた、他を利する生き方をすることです。
あなたとお母さまが一体であるからこそ、あなたの中の霊である「お母さまにたいする思い」を晴れやかにすることです。
恥じない生き方をする。
自分に偽りの無い生活をする。
その為にもこれを機会に仏教を学んで善き供養となる生き方をなさってください。
そんなに怖がることはありませんよ
今生が終わると次の生を受けるのですが、その間に中有とか中陰とかいわれる期間があり、それが最長で四十九日ということですね。
この最長で四十九日の間は行き先が決まっていないので、それが中国に入り様々に脚色されました。初七日から七日ごとに裁判を受け、たいていは三十五日(五七日:いつなのか)までで行き先が決まるのでその時の審判を下すのが閻魔大王……、という具体です。
話は変わりますが、お盆のある日、六道絵というそれはそれは怖い絵を十五幅も見せていただきました。小学生のとき類似の絵を見て、夜、一人でトイレに行けなくなったのを思い出しました。あなたも六道絵と似た話によって不安になられたのですね。それは心配にしすぎというものです。
たとえば閻魔大王は怖い顔をしていますが、本来は地蔵菩薩であるとも言われます。怖い顔をして脅して、反省を促すんですね。そして反省し改心させてよいところに生まれさせるような判決を下すことになっています。
改心ということについてお釈迦様を参照しましょう。人殺しばかりしているような人間は地獄に落ちるのですか、という問いに、「そんなふうに考えてはいけない。そんな人間でも寝ている間まで人殺しをしているわけではない。それに、そんなふうに(地獄行き決定)考えてしまったら、心を翻す(改心する)ということもなくなってしまう」とお答になったそうです。
小学生のときの私は今生で、「悪いことをしたら死んだ後こうなる」とお知られたわけです。死後の世界が、あなたがご覧になったように怖いものだと書いてあるなら、その意味は、死者は中有(中陰)の間に悪かったところは反省し、改心なさるためです。そのうえでたいがいはまた人間かもう一段うえの迷いの世界である天上界に生まれておられるはずです。
私の宗旨、浄土真宗では、今生で阿弥陀仏の教えに出あいその救いにお任せしたなら、この世の命を終えたのちすぐさま覚りを開いて仏になるとしています。
ともかくあまり心配なされなくてもよいですよ。そのうえで母上を敬い手を合わせる生活をなさってください。