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余命近い人にしてあげれる事

回答数回答 3
有り難し有り難し 38

毎日心が苦しくすがる思いです。実は3年ほど、既婚者の方(40代)と不倫をしています。お互い家庭がありながらも、本気で好き合っています。そんな彼に先日ガンが見つかり、1年もつかどうかと言われました。職場が一緒で、私以外その事を知る人はおらず、バレないよう明るく振る舞っている彼を見るのが心苦しいです。日々、体の変化もあり、いつ倒れてもおかしくなく、情緒も不安定な状態です。彼自身も、事実をなかなか受け入れられず苦しんでいるようです。奥さんとの仲は、前から上手くいっていないようですが、子どもの事が気がかりのようです。
そんな彼に、既婚者の私がしてあげられる事なんて何もなく、でも唯一苦しい思いを話せるのが私しかいないようで、毎日仕事や連絡を取りながら話を聞いています。
彼の話や姿を見ると、とてもやるせない思いです。
まず、不倫という最低な事をしているのは分かっています。ただ1人の人間として、彼にかけてあげられる言葉、してあげられることは無いでしょうか?


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

不倫をやめて善友となる

さくらさん

苦しい思いを隠し気丈にふるまっている彼をみるのは辛いですね。そして何もしてあげらない自分ももどかしく辛いことと思います。

自分が死ぬ存在だと知っているのは人間だけです。そして寿命は本来であれば、自分自身でなんとなく悟っていくものです。ところが医学が進歩して医療者から死刑宣告のように告知されるようになりました。そこには自然に寿命を悟るのとは違う恐怖と苦しみがあります。多くの医療者は告知後のfollowができず、宣告して奈落の底に突き落としたままです。

私は余命宣告を受けて自殺した人を知っています。死ぬこと自体より怖いのは、死に直面したときの不安だったり死に至るプロセスだったり、今までの人生における後悔だったり自分が生きる意味を見いだせないことにあるのです。受け入れがたい恐怖なのです。

そんな彼が苦しい心中を話すことができるのがあなたしかいないなら、いまは彼の話をただ聴いてあげることではないでしょうか。彼に気の利いた言葉をかけようなんて考えることははないでしょう。そんなものはありません。いまの彼には寄り添ってあげることのできる人が必要です。

これを機に「不倫関係」ではなく「善友」となりましょう。一番苦しいときに支えることのできる最高の友となってください。欲を越えた真実の友です。実際に何をしてあげることができなくても彼のために祈ってあげることはできます。それは会うことができなくてもできます。

最期をともにできなくても、この世で出会えたことを喜び彼にために祈ってあげる。自分の欲を越えて祈る。それがあなたのしてあげられることではないかと思います。仙如

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彼が家族を大事にするなら別れてあげましょう

何もできないでしょう。
代わりにできることは何もないし、ただ体を気遣ってあげること、不倫関係をやめて家族と過ごす時間を増やしてあげることぐらいでしょう。もちろん彼が望むかどうかは判りませんが。
彼は命を全うする。それをサポートしてあげる。話を聞いてあげる。今あなたがしていることぐらいの事しかありません。

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禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
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善い赴きへと向けて

さくら様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

いずれは皆、死にゆきます。その死後へと大きな影響を与えるのは、カルマ・業、心の状態となります。

そのため、できる限り、善いカルマ・業、善い心の状態で赴いて参りたいものとなります。

まず、不倫は、相手にとっても悪業となり得ることであるため、すぐにでも辞めるべきでしょう。

あとは、もうできる限りに悪いカルマ・業は慎しむように努めさせることと、更には、善いカルマ・業を積むための功徳を行うように促したり、そして、できれば、仏教における基本的な真理(無常や空、縁起、四聖諦など)を説いてあげたりすることで、心を穏やかに保てるようにして、できるだけ平安な心の状態で臨終を迎えられるように調えて参りたいものであります。

また、まだ生きてある内にこそ、仏縁、法縁を強く結ばれることもお勧め申し上げたいと存じます。

終活は、終わりの活動ではなくて、むしろ、次の場所、ステージへと向かうための旅立ちの準備であるべきです。

できれば善き赴き(浄土・仏国土など)へと向かっていける因縁(原因や条件)を調えて参りたいものでございます。

川口英俊 合掌

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Eishun Kawaguchi
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