總持寺の朝課で
先日、曹洞宗大本山總持寺の朝課を拝見しました。
とても荘厳で独特の響きが好きなので、何度か参加しています。
この日は「消災妙吉祥陀羅尼」が読まれたのですが、何度か繰り返してかなりテンポが速くなった後、突然、大鏧が押鏧されて沈黙となりました。導師様は中央に立たれたまま、僧侶の皆様も全員身じろぎ一つされませんでした。
その後何秒(何十秒?)か毎に、捺鏧がなされ・・・というのが3〜4回?続き、また突然に鏧子、木魚ともに普通に始まって、読経もふつうに始まりました。
あの沈黙は何だったのでしょう?
どんな意味があるのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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通称「百遍消災呪」と言います
しろぎつねさん、吉田俊英と申します。
押鏧、捺鏧という言葉を知っているなんてすごいですね。私の総持寺での修行期間は1年1か月だけでしたので、本山での修行時代には鏧子を押鏧、捺鏧したことなんてありません。本堂の土間に居て朝課に参列して居る方々の中に「しろぎつね」さんのように詳しい方が居られると雲水たちもうかうかしてられませんね。
これは「百遍消災呪」と言って、短時間に消災妙吉祥陀羅尼を100遍お唱えするという諷経です。
>
大鏧が押鏧されて沈黙
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沈黙しているように見えますが、実は僧侶たちは読経しています。声を発しないで、口パクで超スピードで消災呪をお唱えしているのです。
百八編です
正確には『百八返消災咒』と言います
大本山総持寺で大悲真読(途中までゆっくり読む大悲真陀羅尼、ナムカラタンノーから始まる)
を二回読むのもこの日になります
月末の28日に行われる定例行事ですねー
最初に10回
打ち切って黙読
終わりの8回を持って終了となってます
ちなみにあの捺鏧も適当ではなく時間が秒単位で決められてます
鐘を担当している副堂(本山の古参)たちは時計や頭の中で時間を計っていて間違えると怒られたりします
陀羅尼と書かれているお経は真言
つまり「~~になりますように」と願いの込められたお経(呪文)ですので
消災咒(消災妙吉祥陀羅尼)
は
災いから免れ、幸福になりますという意味の呪文を総持寺の修行僧はおとなえしている・・・となります。
以上、元副堂和尚さんでした!
質問者からのお礼
吉田俊英様
早速にご回答を頂き、どうもありがとうございました。
百遍!
そうだったのですか、知りませんでした!
なるほど、唱えていらっしゃるのですね、納得しました。
拝見、拝聴しているだけで、陀羅尼のその神秘的でもある力が頂けるような気がします。
鳴り物には興味があるので色々お訊きして名前を知りました(^^)
今回は参禅させていただいてお焼香も出来たので、格別にありがたく思いました。
また参加したいと思います!
大貴様
詳しい解説をどうもありがとうございました!
大悲心陀羅尼、たしかに2回唱えられていました。
28日だけのものとは知りませんでした。
日によって読まれるものが違い、全僧侶がそれが頭に入っているというお話は、この日雲水さんからも伺いました。
副堂をお勤めでいらしたのですね!
百八回ですかー!
その「真読」を「大悲真読」と呼ぶのですね☺️
冒頭のゆっくりが本当に素晴らしく…
本当に大好きなお経です!
沈黙の後、次はいつ鳴らされるのかに注目していたのですが(笑)あれもやはり正確な間隔が決まっているのだろうなぁと想像しておりました。山内中全ての鳴らしものをキッチリ勤められる係の方は本当に凄いと感心しています。
陀羅尼には本当に惹きつけられます。
余談ですが、この日の朝課では、今までずっと正体がわからなった(笑)部分が三宝荒神の真言だったことも知ることができ、すっきりしました。
どのお唱えも尊く、ありがたいものですね!