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父に会わない方がいい?

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 今時珍しくないとは思いますが、私には物心ついたときには父親がいませんでした。父が生きていることを知ったときから、いつか父に会ってみたいと願うようになりました。

 でも実際には、むしろお金の問題など、私が思ってもみなかった結末が待っているかも……と思うと、会いに行く勇気がしぼんでしまいます。でも幼いころから心のどこかで、ずっと引っかかっているのです。

 今でも、友人の父親の話や、街中で目にする父と娘の姿に、なんだか胸が痛みます。そんな自分が好きではありません。甘ったれてる、と思います。だから会いに行けば、私の中によくも悪くも一応は父親像ができるので、全くの空っぽではなくなるのではないかと期待してしまいます。

 すべてを忘れて、会いに行かないのが大人になるということでしょうか。現在父には家族がいるので、波風を立てたいわけではないのです。回答お待ちしております。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ぜひ会いに行きましょう

子供の親として我が子を愛さない親などはいません。
なんらかの難しい事情であなたを手放さなければならなかったのでしょう。
お父さんの方からも罪の意識で会いにこれなくなっているのだと思います。
仮にですが、お父さんに子供が何人いても、あなたとの関係はあなたとの関係なので、絶対で他には無いのです。
距離的に問題が無ければ、定期的に二人で会えるようにしてもらうと良いと思います。
関係は、今からでも良好に変えられるのが人生です。
仮にうまくいかなかったとしても、その後、良好に変えられるのが人生です。

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お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

お父さんとあなた自身を慈しめる結末を

仏教では怒りや憎しみを捨て、慈悲を育てるように説きます。
その方が自分自身が穏やかに暮らせるのです。

過去に何があったのかは知りませんが、過去のお父さんに対しても、今までの自分に対しても、許してあげて怒りをリセットした方が晴れ晴れとします。

一目会って「大人になりました」とご挨拶だけすればリセットできるなら、会った方がよいでしょう。
家族の状況は千差万別ですから、無責任なことは言えませんが、大人としてうわべだけででも穏やかに挨拶できれば、わだかまりが嘘みたいに消えることもありえます。
しかし、お父様が何かトラブルを抱えていてそれに巻き込まるかも、という部分については、警戒しないといけませんね。

とにかく、お父さんと、自分自身への、怒りやわだかまりを捨てられるような結末をお祈り申し上げます。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ