子どもが難病であることが分かって
初めての子どもが生まれてすぐに医者から元気がないと言われ、精密検査の結果、筋ジストロフィーという難病であることが分かりました。それ以来辛すぎて毎日苦しくなります。子どものためにしっかりしないと!と自分を奮い立たせますが、健常な友達の赤ちゃんを見たりするとまた胸が苦しくなります。私は特に趣味が無く、子育てをとても楽しみにしていました。たくさん遊んであげたり、山登りやキャッチボールなど一緒にしたいと夢を膨らませてました。それらが叶わないと思うと涙が止まりません。また信頼する友達に打ち明けたときに、まずは生まれてきてくれたことに感謝だよと言われましたが、どうしてもそう思えません。子どもがいつか自分の運命を理解し深く傷つくのではないか、なんで自分だけ、、と苦しむのではないかと、こんな体で命を与えてしまってごめんねという気持ちに支配されてしまいます。自分の不安定な精神を正し、しっかりと子育てしていきたいです。何かいい考え方を教えていただきたいです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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お子さんを育て、そして育てられていきましょう…
お子様 御誕生のこと本当におめでとうございます。
…この言葉を素直に受け止めて頂けないかも知れません。そしてそれは、あなたが受け止めないからでしょう。受け止めたくないからです。このたびのお子様誕生はめでたいことではないと思うからです。子が健康ならばそれで良し、めでたい…そうでなければめでたくない。この心を分別心…「煩悩」と申します。この煩悩があなたを苦しめています。
子育て…お子さんとこれから一緒にいろいろなことをしていきたいという願望。よくわかります。ならば、そうすれば良いじゃありませんか。お子さんには成長していく「力」があります。
ご心配せずともこれからお子様といろいろなことが出来ますよ。そしてお子様は成長していきます。「お子様と同い年の、まだ幼い『父親』」であるあなたも、これから同じだけ成長していきます…いえ、お子様によって育てられていきます。
お子様は「あなたなら私を育てられるであろうと、あなたを選んで生まれてきた」などと根拠のないことは申しません。ただ、縁あってこそ親子となりました。このご縁を大切にせねばなりません。
あなたの御家族に対して、今は行政からの多くの援助が受けられます。
『しっかりしないと!と自分を奮い立たせますが…』という気負いを捨てて下さい。厳しいことを申しますが、それは自惚れとも受け取れます。あなたがお子様に出来ることなど限られています。お子様にはお子様の命が、人生があります。それは親であっても手出しは出来ないものです。それこそが誰にも決して侵すことの出来ない個人の尊厳です。
ご相談に奥様が登場されませんが、とにかく奥様との十分な話し合いが必要です。
そして、近くの同じご病気を持つお方、御家族のサークルなどあれば、是非参加なさって下さい。一番心強い味方になって下さるでしょう。
一つだけ重ねて申したいのは、「あなたがお子様を背負う」という考え方を捨てて下さい。その考えはあなたを追い込み、そして確実にお子様を追い込んでいきます…。
どうか「力」抜いて下さい…。
その代わりに、あなたを支えてくれる周囲の大きな、強く優しい「力」があります。恥ずかしがらずに頼って下さい。皆があなた方御家族を歓迎して下さいます。
そして、仏様もあなた方御家族を支えて下さいます。何よりお子様の命をそのまま誉め上げて下さっています…。