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子どもに難病が見つかりました

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有り難し有り難し 23

子どもに難病が見つかりました。
中学生になり、元気に過ごしていましたが、体調を崩し、たまたました検査で難病が見つかりました。
ここまで、元気に成長して過ごしてこれたことに感謝する気持ちと、普通というくくりから外されたような気持ちで、日々辛いです。
今のところ症状はなく、子どもは一緒に病院で話をきいて、落ち込まずに過ごしています。
私が将来の心配をしてしまいます。
少し風邪をひいたりするとすぐ不安になってしまいます。
考えすぎて、私自身が体調を崩しはじめ、何事にも楽しめなくなってきてしまいました。
親としての心構えが知りたいです。

2025年5月15日 19:11

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご相談くださり、ありがとうございます。
お子さんの難病の告知を聞いた瞬間、目の前の世界が変わってしまったように感じられたことでしょう。

これまで当たり前だった日常が、当たり前ではなかったと気づかされた時、親の心は深く、静かに、そして確かに揺れます。

「ここまで元気に育ってくれてありがとう」と感じながらも、

「これから先、大丈夫だろうか」という不安にとらわれてしまう。

これは、愛情深い親であればこそ、避けがたい感情の揺れです。

どちらか一方しか持ってはいけないのではなく、両方を抱えているあなたの心は、ごく自然な反応です。

仏教では、「この世に“変わらぬもの”は一つもない」と説きます。健康・形・暮らし・人間関係、すべては変化し、流れていく“諸行無常”の世界の中にあります。

「普通」という安心な枠組みが崩れたように感じるのは、あなたがそれだけ、子どもを大切に思い、健やかな未来を信じてきたからです。

でも、“普通”に戻る必要はありません。

これからは、“あなたの子に合った、かけがえのない日常”を、一歩ずつ育てていく時間が始まるのだと、少しだけ視点を変えてみてください。

ご相談の中で、特に大切な一文がありました。

「子どもは落ち込まずに過ごしています」

この事実は、希望の光です。

将来を考えすぎて、不安に覆われる親の心とちがい、今という一日を淡々と過ごす子どもたちの柔らかさは、仏教でいう「無心」に通じる強さです。

子どもが「大丈夫」と思えている。今は、信じて寄り添ってあげることが、最大の支えになります。

◻️親として、これからの心構え
1. 「不安になる私も、仕方のない私」と受け入れる仏教では、「そのままの私が救われる」と説かれます。強くあろうとせず、まずは揺れる心を否定しないでください。

2. “今”を丁寧に味わう
先のことばかりを見ると、心は不安になります。症状が出ていない今こそ、「今日がありがたい」と意識して過ごしてみてください。

3. 頼れる人・場に、心の荷物を分ける
医療者や支援団体、同じ経験を持つ親御さんとの交流も、心の負担をやわらげる助けになります。

◻️最後に
どうか、ひとりで抱えこまないでください。
苦しい時は、またいつでも、ここに言葉を届けてください。

あなたと、お子さんの日々に、穏やかな光が注ぎますように。

2025年5月15日 23:21
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有り難し
おきもち

広島の山あいで、今日も「なんまんだぶつ」とつぶやいています。 浄土真宗本願寺派の僧侶、ケンコウと申します。 日々の中には、言葉にならない思いや、誰にも言えないもやもやがあるものです。 そんな時こそ、仏さまの教えが、ふっと心に灯りをともしてくれることがあります。 この「はすのは」では、あなたの声に耳を傾けながら、一緒に“いま”を見つめ直す時間をつくっていきたいと思っています。 堅苦しくなく、あたたかく、時にゆるく。 どうぞ、あなたのお話、聞かせてくださいね。

ご相談を読ませていただきまして、
さぞご心配になられたことだろうと想像します。
「なぜ、自分の子が・・・」と思ったかもしれませんね。

少しだけ私の話をさせたください。
実は、私も20数年前に検査を受けた時に難病が見つかりました。
医者からは「今の医学では治癒することはないです。発症したら対症療法をするしかないですし、今は症状がないですが10年から15年以内に発症します。」と言われました。あなたのご相談を見ていまして、その時に感じた不安と失望感を思い出しました。

足取り重く帰宅した時、妻に言いますとなんと妻に笑い飛ばされてしまったんです。最初はなんとデリカシーのない嫁と思いましたが、
「お父さん、今は何も症状が出てないのでしょ。
それなら、病気を知らなかった昨日までと何も変わってないよ。
何も変わってないのに、気持ちが先に沈んでいったらあかんよ」と言われたんです。そのとき明るくしてくれた妻のおかげで、沈みかけた私も気持ちが病まずに過ごせました。

妻も私も病があることには気はつけておりますが、普段は難病のことなど考えないで日常を今まで通り過ごしております。
信仰のおかげで20年経った今でも、症状は発症しておりません。

幸いなことに息子さんには症状が出ていない上に、落ち込んでもいないのでしたらお母様も気持ちを落とさないことが大事になってきますよ。

息子さんに気を遣わさないようにお母様が普段通り、いつもと変わらない笑顔で接してあげることが大切です。
将来の事を心配してしまう気持ちも十分理解はしますが、将来のことがわかる人はこの世に存在しません。

先にわかったということは、気をつけることもできますし、治療方法が見つかる将来もあるのです。だから、将来をしても仕方ないことです。

とは言いつつも、心が乱れることでしょう。それも経験上わかります。
このような現状に向き合うために必要な心は、「無条件の感謝」です。
将来の不安が出てきたら、難病であることが早くにわかったことに感謝して、息子さんのできていることに感謝してください。
毎日の些細なことにも感謝してください。
感謝を続けていると、不思議と不安が軽減していくものです。

まだまだ心がお辛いとは思いますが、当事者の息子様の心が病まないようにしてあげてください。お母様の笑顔が何にも増しての薬になります。合掌

2025年5月16日 14:30
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有り難し
おきもち

護摩行1200回以上・滝行:1100回以上もすると、お話しできることもできてきた行者です。 元々は在家の出身ですが、17歳で出会った師匠の生き方に感銘を受けて、18歳から師匠のところで内弟子修行。 ただ、この時点で師匠が僧侶であることを知らなかったという間抜けな弟子入りでした。 一体何になるために弟子入りするのか、その時はわからないままだったんです。 多感な時期に、弟子にならずにはおられないほどの生き様を見せていただけたことは、私にとって生涯の幸せだと今は思えます。 その後、内弟子行12年の間に夜中行・護摩行・籠山行・滝行・お百度行などを経験させていただきました。 結婚と同時に小さなお堂を預かって師匠のもとから独立。年間数百回を超えるご相談を聞いております。 人々を幸せに導く行者として、60歳を超えた今も季節を問わず変わらず修行を続けております。 また、別に事業もしておりますため、マーケティングやセールスなどにも詳しくなって、娑婆の厳しさと理不尽さも舐めてきています。 本当に救われる信仰として、実践に則したお話をさせていただきます。

質問者からのお礼

ありがとうございます。
心の荷物が私には大きくなり、抱えきれず、ハスノハへ相談しました。回答ありがとうございます。涙がでました。相談して良かったです。どっしりと構えられるまで、一日に集中して大切に過ごそうと思います。

中島様
回答ありがとうございます。大切な体験を教えてありがとうございます。
今まで出会えなかった言葉をハスノハでもらえたことで、自分の考えが広がりました。今ある、あたり前を大切にしようと思います。
まだ、前向きな自分と後ろ向きな自分が、何度も行ったり来たりしていますが、揺れる気持ちが落ち着くまで将来の心配をしすぎないようにしたいです。無条件の感謝をしていこうと思います。

中島様
回答ありがとうございます。大切な体験を教えてくださりありがとうございます。
今まで出会えなかった言葉をハスノハでもらえたことで、自分の考えが広がりました。今ある、あたり前を大切にしようと思います。
まだ、前向きな自分と後ろ向きな自分が、何度も行ったり来たりしていますが、揺れる気持ちが落ち着くまで将来の心配をしすぎないようにしたいです。無条件の感謝をしていこうと思います。

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