お肉についてお坊さんに聞くのが怖いのですが…
勇気を持って質問します。
世界の人達は対象である生き物を殺してお肉を食べています。
仏教のお坊さんは、生き物を殺さずベジタリアン派で生活をしていますよね。
勿論、生き物を殺す事を殺生と言います。
私は必ず虫を殺さないようにしています、ティッシュ等で虫を優しく乗せて外に逃がしています。
勇気を持って……ここからが本題です。
世界でお肉を食べる理由は幾つかあるのですが、まず人口増加です。
世界には爆発的に人口が増えて国際で問題になっています。となると、菜食だけで食べる事は難しそうです。
次に、伝統です。
世界には伝統があって伝統を守り、お肉を使う事があります。
次は、アマゾン川の部族です。
海外にあるアマゾン川のどこかに部族がいます。その部族の生活は菜食は勿論、生き物を殺してお肉を食べています。どうしようもない部族です。
他にもまだあるのですが、世界にはどうしてもお肉を食べないと生活が出来ないようになっています。
この事をお坊さんはどう考えていますか?
聞くのが怖いです…
私はお肉を食べる時は、食前に「申し訳ありません、その命を頂きます。」と言うようにしてから食べています。
過去に悪い事をした事はすべて閻魔大王様の前で懺悔しました。過去の反省を生かして善行と徳を積む努力をしております。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
どんどんご質問下さい
よくある質問ですから怖がらなくて大丈夫ですよ。ちょっと固定概念を壊させていただくだけです(笑)
仏教の肉食は誤解だらけです。お釈迦さまは肉を食べていました。南伝涅槃経ではお釈迦さまは茸ではなく豚肉を食べて亡くなっています。「托鉢で得たものにケチを付けるな」というのが本来です。
正直バブル期に「お坊さんは肉食しないから偉い!」と言っていた事の方がはるかに黒歴史です。
私は東南アジアで上座部の出家をしましたが、各種肉もハチの幼虫もイナゴみたいなやつも貝も出てきましたよ。ただし、お坊さんがと殺に関わるのは絶対にN.G.です。お坊さんのために絞められた肉ではないというのが条件です。だから余り物を頂いたり、不特定多数のためのお店の肉を食べるのは全く問題ありません。
日本の肉食禁止は中国の律令に倣い、奈良時代の『養老律令』「僧尼令」で規定されました。つまり仏教の戒律ではなく、国の法律を守らせることで僧侶を国家権力の管理下に置いたんですね。公度僧という制度です。
それに江戸期はお坊さんが肉を食べないのではなく、日本人みんな四つ足を食べなかったんですよ。
さて、ここからがぜひ皆さんに知っていただきことですが、
仏教の不殺生とは死なせたという『結果の禁止』ではなく、死なせてやろう!傷付けてやろう!という『害意の禁止』です。
そうした時に、「どこどこの人たちは生き物を殺してお肉を食べています。どうしようもない部族です。」と見做し、軽蔑するその心も害意であり、殺生の一端なんです。そのような敵意が巡り巡って膨らんでいくと、最終的に戦争のような巨大な殺生へと収束します。
仏教を粗探しの採点基準に使ってはいけません。仏教は常に智慧と慈悲を養う路線で学ばねばなりません。
そして、この世界は「思い通りにならないことだらけ」です。それを『一切皆苦』と言います。これは裏返して言うと、「いつも自分基準で思い通りにしてやろうとし、文句を言っている自分の我儘にこそ気付きなさい」という教えです。
これが仏教です。
生き物を殺してはならない、という教えは人間や動物や虫に限ったことではありません。草木や野菜などの植物も殺してはならないのです。
ですからお釈迦様は食べ物を托鉢だけに限定しました。木になる実をとって食べることも禁じていたのです。
しかし、それは修行している僧侶なら可能かもしれませんが、そうでない一般の人達にはできることではありません。
浄土宗の宗祖法然上人は、どうすれば一般の人達も修行して悟りに近づくことができるのか何度も経典を読み直し考えに考えました。
そして見つけた結論が、阿弥陀仏を信じて極楽浄土に往生するという教えです。
現世においては各自ができる範囲で修行しながら極楽浄土を願って念仏をお唱えする。
命が終わった後で極楽浄土に連れて行ってもらい、さらに修行をする事で悟りに至る、つまり仏様になるのです。
ですから、浄土宗においては、戒律は各自できる範囲で努める、そして何より、念仏をお唱えできる生き方をする、ということを大切にしています。
植物を含めて生き物を殺さずに念仏をお唱えできるならそれでいいし、殺さなければならないならせめて最小限にとどめ、命に感謝して生きるということが大切だと思っております。
南無阿弥陀仏
輪廻転生から解脱すればよい
輪廻転生する生きものの世界では、殺生したり肉食したりは避けにくいですね。
だからこそ、輪廻転生から解脱する方がよいのです。
殺し殺される世界、一般的な生物の世界から解放されれば、肉食の必要がなくなります。
そのためには、仏教を学び修行する必要があります。
質問者からのお礼
お坊様方、回答をありがとうございます。殺生について色んな説明がありましたが、勉強になりました。もっと殺生や仏教の教えを勉強します。