クオリアは素粒子ですか?
以前、似たような質問をいたしました。
霊魂も素粒子でしょうか?
https://hasunoha.jp/questions/3037
今回はほんの少しだけ身近な疑問です。
擬似問題との指摘もある、メアリーの部屋、中国人の部屋、哲学的ゾンビなどなど、意識のハードプログレムいわゆるクオリアと呼ばれている「何か」について。これを現実の問題として実感したきっかけは、クローン人間にまつわる倫理的な問題とどう向き合って解釈すればよいのか、納得のいく答えを見つけられないからです。
他人事ではないのです。私は「心臓にSJM Regentという機械をインプラントすることで生かされている」を背負うことで今があります。本来なら終了していた人生です。
もし「脳に何かインプラントしなければ絶命する」と考えた時にクオリアの問題は回避できません。私たちは「新陳代謝によって脳から爪先まで物理的には別物」になっていても、別人ではなく同一人物だと思える自己を認識しています。これは「ひとりの人生において潜在的に主観が何度も世代交代している」と考えることも出来なくはありませんが、違和感はあります。
仮に量子テレポーテーションが実現したとして、果たしてそれは同一人物なのか。クオリアが素粒子であるなら同時にテレポートも可能でしょうから、いわゆる同一人物だと認識が可能かもしれませんが。
「科学が原爆を作った」「原発は環境を破壊する」など賛否両論ありますが、宇宙から見た地球における科学的な人工物などは、自然現象と大差無いようにも思います。医療としてのクローン施術もまた自然現象にすぎない、と考えれば倫理的価値観も変わります。DNAの組み換えによって人間の双子が出生した、というニュースが真実ならば、これは遠い未来の話しではなくなります。
問題は、クオリアそのものは唯一無二なのか素粒子レベルで複製可能なのか、という点だと考えています。
職業・・・音楽家 家族構成・・・妻の母、妻、3才長女、4才長男、自分 性格・・・怠け者、わがまま、やさしい これからの人生・・・家族と家族に縁のある皆さんとが笑顔になれる人生
性欲、知識欲
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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物質と心
ウルエ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
クオリアもまあ、ただその現象に名付けられただけの存在として縁起的にあり、実体としてはあり得ていないものとなりますが、仏教の認識論は、唯識も含めて、色々と学ぶと面白いところがございます。
特には、ダルマキールティ大師の「量評釈」となりますが、是非、仏教の認識論・論理学についても興味を持って学んで頂ければと存じます。
さて、クオリアも、記憶などもそうですが、一体、その人のクオリア、記憶、あるいは、業(カルマ)を司っている、それらを死後も存続させていく存在とは何か?これは非常に難しい問題でもあります。
ただ、言えることは、物質と心は明らかに違うというところであります。
物質の複製、再生は素粒子単位でできたとしても、心の複製、再生はどうかとなれば、これは無理であると拙生は思うところであります。
その根拠としては、無上瑜伽タントラにおいて示されてくるところでもありますが、もし宜しければ、ルン、アヴァドゥーティ、ティグレ等が説明されるヤンチェン・ガロ大師「基本の三身の構造をよく明らかにする燈明」(註釈書「ゲルク派版チベット死者の書」平岡宏一先生著)について学ばれて頂きますことも。
川口英俊 合掌
クオリアの存在自体やその正体・複製可能かどうかなどについてはこれからの研究の成果を待つしかありませんね。
尚、脳内の血管を広げるとかはあるけどね、脳内の記憶に何かインプラントしたらと考えるのは飛躍しすぎです。
以下は私の考えですが、
一卵性双生児は、見た目は同じなのに、性格が違います。
これは、最初から性格があるのではなく、担任の先生やクラスの友だちなどの影響(因縁)により、性格が形成されているからだと思います。
同じように、例えば大谷翔平のDNAからクローン人間を作ったとしても、二刀流の野球選手がうまれるとはいえないと思います。大谷翔平は様々なご縁の積み重ねで大谷翔平になったのです。DNAには記憶や経験・食べた物や練習の成果は載りません。記憶や経験、体つきなどは全てご縁によるものだからです。
おっしゃる通り、今後脳内の記憶や経験を司るしくみが解明され、複製する技術ができれば複製はできるかもしれませんね。
まあ、眼鏡をかければよく見えるようになる、SJM Regentを付けて心蔵が正しく動いてくれる。そういうのをありがたいと思って、楽しく生きることができるといいですよね。