生の執着と病気の治療について
以前も質問させて頂いて沢山力をもらえました。ありがとうございました。
いよいよ来週、乳がんの全摘手術を受けます。
病気がわかってから様々な本やサイトを読み、以前より覚悟はできたものの 少々混乱してきてます。
人は必ず死ぬのだから何がなんでも生に執着するのは良くない、と頭では思うのですが、実際自分は病気を治療して生きたくて病院に通っていることに 矛盾を感じてます。
病気の治療をすることは、生の執着になりますか?
私は本音はやっぱり死にたくはありません。母子家庭なので娘が成人するまでは働かなければいけないし、何より娘の成長を私が見たい。せめてあと10年は生きて働きたいです。
未来に何が起きるかわからないことはわかっているので、そう願っても絶対叶うはずがないとは思います。ですが、生きていたいと願うのも執着になりますか?
手術に、どういう心境で臨むべきなのかわからなくなってしまいました。病気が治ってまた働けますように、と願ってもいいですか?
乱文で申し訳ありません。
どういう気持ちを持って手術や治療を受けていけばいいのか、ご指導いただけたらありがたいですm(__)m
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
生きることも旅立つこともどちらも大切
まず、ご病気の平癒を心からお祈りします。病気治癒を願って病院にかかり治療をするのは、ごくごく自然なことです。手術という可能性があるわけですから、まずは、これは生への執着と考えるのはやめましょう。しっかり生きてしっかり死ぬ、そのどちらも大切ではありますが、手術できるということも幸いなことなのです。
私はよく思うのですが、この世でまだ果たすべき役割があれば(そこは仏さまのみご存知)、傷は残ってもまだまだしっかりお役目を果たすようになっていくでしょう。
仏さまにお任せして、しっかり手術を受けて下さい。手術が近くなればなるほど色んなことを考えてしまいますよね。お医者様を信じ、仏さまにすべてを委ねて下さい。
なるようにしかならない→なるようになる!という考えを持つのも大切です。娘さんのことがとても気がかりでしょうが、もしかしたら娘さんの方が不安が強くなっていたりします。おかあさまは、娘さんにとってはお手本です。
立派に、気丈に手術を受けるのも大切ですが、人間は弱い存在だから助け合ったり、悲しい時は涙してもいいのよ、という自然な姿を見せられるのも、娘さんには貴重なことだと思います。
お任せします、という気持ちで手術に臨み、また手術後は働かせて下さいという願いを胸においておきましょう。
また不安が襲ってきたり、混乱したりされましたら、ここでお待ちしています。
なくすのでなく活かす
ご相談拝読しました。手術の成功を念じます。
さて、執着についてですが、病気の治療をするのはやはり執着でしょう。そしてこれは執着か執着でないか?と考えるのも執着でしょう。
つまり私たち自身の在り方は徹頭徹尾「執着でしかない」ということです。
そうであるならば「執着をなくす」のでなく「執着を活かす」道を探りませんか?
私自身が執着をしない清らかな身と心になれると思うのは迷いでしょう。かと言って、執着の身と心のままでいいというのは開き直りでしょう。
大事な事は自分の事実を明らかに知り、頷き、認めること。執着しかないと気づかされるところに執着のままで執着を超える道が開けてくるのではないでしょうか。
「病気が治ってまた働けますように」と願ってください。大いに願ってください。私もそうなるように念じます。
もしもそうなった時、自分が執着の身でしかないことを知っているならば、いたずらに自分を責めることも、あるいは他者を非難する目もその身の事実から問われてくるでしょう。
執著しなくなることはなくとも、「ちょっと待てよ」私の姿に思いを馳せられるようになる。
でもそれすらも失念してしまう私ですから、私は聞法とお念仏申す生活を送ります。お念仏申すところに聞法で学んだ「お念仏の教え・仏様の願い・我が身の姿」が知らされてくるからです。
まき様も是非そういう道を求めてみてください。まずは手術に万全の状態で臨みましょう。
質問者からのお礼
薫誉至誓様 吉武文法様
ご回答ありがとうございましたm(__)mお礼遅くなり申し訳ありません。
病気が治って働けるように、と願う
事に、何故か後ろめたさを感じていて、周りからの元気になってね、という気遣いの言葉もどう受け取っていいのかわからなくなっていました。
もし自分にまだ使命があるならば、また働かせてくださいという気持ちで 手術に臨もうと思います。手術という手段があるのは幸せな事、本当にそうですね。つい自分の事しか考えられなくなってしまいます。
暖かい励ましの言葉をありがとうございました。祈っています、念じます、という言葉をいただけるだけでも凄く救われる気持ちになります。私もしてもらうばかりでなく、人にも少しでも与えられる人間になりたいです。
手術も仕事も頑張ります。ありがとうございました。
追伸
先日無事手術を終えました。
これからを考えたら不安はキリがありませんが、それは生きてる人皆同じですよね。せっかく病院で治療してもらい助けて頂いた事、今生きていられる事に感謝をして、1日1日を大事にしていきたいと思ってます。
ありがとうございました!