経典について
曹洞宗の質問をさせていただきます。
私の家は、代々曹洞宗のお寺の檀家です。よくお寺での法要にも
参加させていただいております。
以前より気になっておりましたが、曹洞宗の経典を拝読いたしますと、例えば大悲心陀羅尼、消災妙吉祥陀羅尼、短いところでは略三宝、その元となったと思われる十仏名は、漢字の読み方が現在とは少々異なっていると感じます。
例えば略三宝の「諸尊菩薩摩訶薩」であれば通常の漢字の音読みであれば「しょそんぼさつまかさつ」となりますが、経典にあっては「しーそんぶーさーもーこーさー」と読んでいます。
漢字は音読みでも、漢音・唐音・呉音の3種類がありますが、上記の陀羅尼や略三宝の読みはどの読みにあたるのでしょうか?
伏してご教示のほどお願い申し上げます。
また、他宗のお坊様におかれましても、○○宗では、このお経は、この音で読みます。といった事例がございましたら、ご教示のほどお願い申し上げます。
龍仙 九拝
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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にゃんにさんぽうあんすいんしにゃんぴんそんしゅうにゃん
題にかいた「新春シャンソンショー」みたいな言葉は、曹洞宗の僧堂で、食事の際お唱えしている偈文です。
「仰惟三宝咸賜印知仰憑尊衆念」と書いて「にゃんにさんぽうあんすいんしにゃんぴんそんしゅうにゃん」と読みます。
お経の言葉は、漢音あり、呉音あり、宋音あり、梵語の音写語あり、書き下しの和文あり、でいろいろのようです。
確かにおたずねの「諸尊菩薩摩訶薩」の「諸」は、日本の漢和辞典では「ショ」としか読みませんね。
実は現代の中国においても、地方によって(日本の方言のように)発音が違います。テレビなどの中国語講座などで使われるのは首都である北京の言葉です。
また時代によっても読み方が変わるようです。
「諸尊菩薩摩訶薩」を「しーそんぶーさーもーこーさー」と読むのも、輸入した当時に輸入した地域において使われていた読み方だと想像します。
道元禅師が中国に渡ったのが宋の時代で、天童山にいましたので、宋の時代に浙江省で使われていた読み方なのではないかと思います。
想像するだけでロマンを感じますね。
陀羅尼は梵語の音写語ですので、読み方が違う事はないはずです。
浄土宗ではほとんど呉音で読みます。例えば阿弥陀経など。ただ一部の偈文などは天台宗の習わしが残っていて漢音で読むものもあります。
浄土宗の宗祖法然上人は阿弥陀経を呉音、漢音、訓読みの三通りで読んでいたと言われていますから、私としてはどのような読み方でも構わないと思っております。
質問者からのお礼
鳳林寺 光禪老師
→道元禅師が中国に渡ったのが宋の時代で、天童山にいましたので、宋の時代に浙江省で使われていた読み方なのではかいかと思います。
尊答ありがとうございます。なるほど。宋の時代の言葉だということですね。お経の読み方は言語学の研究の上でも非常に気になっておりましたので、納得のいく回答でございました。
圓常寺 三宅 聖章上人
浄土宗ではほとんど呉音で読みます。例えば阿弥陀経など。ただ一部の偈文などは天台宗の習わしが残っていて漢音で読むものもあります。
尊答ありがとうございます。一部の偈文が天台宗の影響があるというのは非常に興味深い内容でした。
私としてはどのような読み方でも構わないと思っております。
→仏教のおおらかさをよく表していると思います。感謝申し上げます。