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因果応報でしょうか。

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こんばんは。お忙しい中お目を通していただき有り難う御座います。
自分の気持ちが分からず何度か質問をし消し、を繰り返してしまいました。見てくださったお坊さんがいらっしゃいましたら申し訳ありません。

ひとつ悩みを聞いていただけたらと思います。
もうすぐ30歳になる私ですが、幼少期なんの苦労もせずに生きてきました。それなり悩むこともありましたが今となっては笑い話です。
特に両親に恵まれておりました。両親が亡くなったら私も死のうと思っていたくらい両親が私の生きる意味でした。
しかし今年初めて両親よりも大切な人ができその人が寂しくないように長生きしようと生きる意味ができました。死後もその人と一緒にいたいと思える人です。すごくすごく素敵な人です。
その素敵な人の横にいて初めて今まで犯してきた罪がわかるようになりました。
私は家族や周囲の人に甘えすぎていました。犯罪になる罪も数え切れないほど犯してきました。そのことを振り返ると心が痛くて、いつか捕まるのではないかと不安にもなり、今後どんな因果応報が待っているのか怖くて消えたくなります。
しかし両親や彼は私が消えることは望んでいませんので、両親や彼が天寿を全うするまで両親や彼を私が幸せにすることが今、彼らにできる恩返しだと思っています。
また、振り返った際の心の痛みや、死後は彼らと一緒にいられないという辛さ等は私が受けるべき地獄だと思って受け止めながら生きていきます。

そして、今この地獄を受け止め、懺悔し、私にできる善を探し行っていくことで未来は変えられるのではないかと前向きに生きていきたいと考えていますが、犯罪者が前向きな考えを持つこともおこがましいことでしょうか?
また、30歳にしてこんな当たり前のことに気付いてもやり直しはきかないのでしょうか?いまさら懺悔をしても過去傷つけてしまった人たちにはなにも届かないのでしょうか?

乱文失礼しました。
お時間のあるときにお返事をいただけたら幸いです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

過去に上塗りするのでなく、過去そのものを受け止める

ご相談拝読しました。

辛いですね。苦しいですね。でもそれは今のあなたが生きることに誠実であろうとすることからくるものだと文章から伝わってきます。これからどうするか、どうあろうとするのかを一緒に考えていきましょう。

まず厳しいを申し上げれば人生やり直しはききません。それは「過去はなかったことにはならない」という意味においてです。

今あなたが苦しんでいるのも過去の自身の行いによってでしょう?それがおっしゃる通り因果応報です。因果応報とは罰が当たるとかそういう意味でなく、結果には原因があるという意味です。今の自分は過去の自分と無関係ではあり得ません。

それでは救いはないかと言うとそんなことはありません。では、過去がなくならない以上救いはどこにあるでしょうか?

薄々気づいておられると思いますが、それは過去から逃げたりかくしたりごまかしたりするような在り方でなく、「これが私であった」と過去を引き受けることです。苦しみはそれを避けるのではなく、我が事ととして引き受けるところに、苦は苦でありつつも活かされてくる道が開けてくるのです。

別に過去の出来事をベラベラ話す必要はありません。あなた自身の在り方として過去の自分を自分として逃げも隠れもせず受け入れ認めるのです。
もしも彼と信頼関係ができて、どうしても話さずにはなたが今のあなたでいられないようであったら彼には話すのもよいでしょう。それを彼がどう受け取るかは彼の問題であり思い通りになりませんが、あなたがあなたでいるために必要ならばそれも避けられません。

前向きな考えをもつことはおこがましいことではありません。大切な事です。ですがそれが過去に上書きにし、フタをしようとするようなものであっては過去がくすぶるだけです。

「こんな罪深い私であった」という受け止めはあなたのこれからを変え、さらには過去のとらえ方をもかえることと期待します。

死後の問題は宗教的にもう一歩踏み込んだ問題で字数が足りませんが、地獄は地獄への恐れの問題をごまかしたままで天国や浄土に生まれることを盲信することが本当の解決ではありません。
逆説的ですが、地獄に生まれても後悔はないというところにこそ、誰もが共に生まれ出会っていけるような世界が感得されるものです。

その死後の問題はあなたの今の問題と無関係ではないのです。今こそ救われましょう。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

吉武文法様
お忙しい中目を通していただき、また、見ず知らずの私のために一緒に考えてくださり本当にありがとうございます。
お返事をいただいてから私なりに色々考えました。そのためお礼が遅くなり申し訳ありません。
過去のことについては、例えば、嘘をついたという罪があるので、今後は嘘をつかない。等過去犯してしまった罪は今後は絶対にいたしませんし、犯してしまったことは決して忘れず今後に活かします。
しかし地獄に関しては私にはまだ難しく、罪を犯したことを分かってはいながらもやはり地獄に行くのは怖いと思ってしまいます。地獄が怖いというより極楽へ行く家族や彼と離れることが怖くてたまりません。吉武文法様がおっしゃってくれたことを理解できるように日々誠実に過ごしていきたいと思います。
本当にありがとうございます。

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